米国カリフォルニア州産の農産物メニューを食べる発表会が開催される!日本人にも全く抵抗がない美味しさにおどろき

  by 古川 智規  Tags :  

去る5月23日に米国カリフォルニア農業関連のメディ及びバイヤー等の関係者向けプレゼンテーションが行われ、同州が誇る食材の数々が提供された。この模様を取材したのでレポートする。

米国農務省(USDA)とカリフォルニア州食品農業局(CDFA)の主催で行われた同発表会には、アメリカ大使館農産物貿易事務所の東京所長であるエリック・ハンセン氏が登壇し、米国産食材の特徴について語った。米国産のうちスペシャリティのカテゴリーに当たる農産物の約35%がカリフォルニア州産であるという。

続いて、米カリフォルニア州食品農業局の専務理事であるジョッシュ・エディ氏が登壇し、カリフォルニア州の農産物についてその特徴や現状が説明された。同州から輸出される農産物のうち、日本へ向けて輸出される品目のトップは米で4.19億ドル、2位はアーモンドで2.15億ドルで、以下は乳製品、牛肉、ワイン、干し草などと続く。

どんな食材がどのように日本人の口に入るのだろうかと思うが、実際に同州産の食材を使用してのメニュー例が提供されたので試食をした。メニュー表の日本語訳は次の通りだ。

・ディ・ステファノ社 ブラータ(カリフォルニアの職人が手がける、クリーミーなイタリア風フレッシュチーズ)

・シエラネバダ スモークハウスジャック(スモーキーな香りが特徴のジャックチーズ)

・シエラネバダ ハバネロジャック(ピリッと辛いハバネロ入りのジャックチーズ)

・ルミアノ社 スモークチェダー(燻製の風味豊かなチェダーチーズ)

・ヒルマー コルビージャック(マイルドでなめらかな食感のマーブルチーズ)

・ディ・ステファノ社 スカモルツァ(モッツァレラに似た、やや熟成されたイタリア風チーズ)

・ポイントレイズ トマ(バターのようなコクとナッツの風味を持つセミハードチーズ)

ガーニッシュ(添え物)としてカリフォルニア産のプルーン、メジョールデーツ、ブラックミッションフィグ(黒イチジク)、チェリー、レーズン、アーモンド

エグゼクティブシェフのグレイ氏が流ちょうな日本語と日本語のジョークを交えながらメニューの説明をしてくれたので、そのうちいくつかを紹介する。

チーズの盛り合わせにプルーンとアーモンドにチェリーが添えられているが、実施にはスパークリングワインとのペアリングメニューだった。米国産チーズというのはなじみがないように思えるが、普通に美味しかった。特に「米国らしい」と思ったのはプルーンとチェリーでどちらも濃厚な風味でかみしめるほど美味しさがにじみ出るものだった。

「北海道産ホタテのクルード(生仕立て)カリフォルニア産プルーンとオレンジの醤油ポン酢、マイクロミント添え。「Crudo(クルード)」はイタリア語で「生の」という意味で、オリーブオイルや柑橘類などで軽く味付けした生魚料理を指すらしい。「Californian Prune Orange Soy Ponzu」は、カリフォルニア産プルーンとオレンジ果汁、醤油を使った和洋折衷のポン酢ソースで、これが絶品だった。北海道産のホタテに日本人に合うソースの組み合わせは和食にも思えたが、ソースの中にはプルーンやオレンジ果汁といったカリフォルニアらしいフルーツが入っており、なるほど和洋折衷も納得の日本人好みの逸品だった。

「F1和牛とBBQ海老のサーフ&ターフ サルサヴェルデ、カリフォルニアレーズンのジュ、カリフォルニアプルーンのクスクス添え」は、パッと見はローストビールのような感じだったが、フォークで取るとその分厚さはアメリカン級のステーキそのものと思わせるバーベキューだった。ソースにはもちろんカリフォルニア産が使われており、このソースにはレーズンが織り込まれている。こういうステーキもあるのかと日本人にはびっくりの大物だった。

これらのメニューにはそれぞれ合うワインが選択されて提供された。昨今では米国産ワインは珍しいものではなく、比較的安価に美味しいものが飲めるのは知られている。欧米では食卓には超高級ワインではなく食卓ワインが常備され、常に飲んでいるイメージがあるが、日本でもワイン好きの中には安価な食卓ワインから美味しく自分にあったものを探すようなファンも見られる。カリフォルニア産ワインがどのようなカテゴリーに属するのかは定かではないが、少なくとも提供されたものはビンテージワインのような超高級品ではない、気軽に飲める美味しいワインであるだろうことは察しがついた。

この日に食べたスペシャルなコースがどこかで提供されているわけではないが、食材としては日本でも輸入商社を通じて普通に通販で、しかも安価に手に入ることを知ったのは意外だった。実際に米国に行ったことがないので、現地で食べるものとの相違までは分からないが、日本でこれだけのものが安価に手に入るのであれば、家庭での料理に工夫次第では大いに使えるのではないかと感じた。
ちなみに、今回食べたものの中で特に単品でも購入して普段から食べたいと感じたのは、プルーンとアーモンドだったことは申し添えておく。特にアーモンドは日本では味わえないものだと感じたので、もしカリフォルニア産のアーモンドがあれば食べてみていただきたい。記者のお気に入りだ。

※写真はすべて記者撮影

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