
ニューヨークに店舗を構える日本の企業は多い。今や世界展開の『ユニクロ』『無印良品』、レストランでは『つるとんたん』『大戸屋』などがある。新たにリユースを扱うある企業もニューヨーク出店予定と言う。
リユースと言うと響きはいいが、ブランドバッグや高級時計、アクセサリーなどの宝飾品、靴等などの、高級ブランド品の中古を良い状態で販売する店がニューヨークにあるのか検索にかけてみた。
勿論、あった。『FASHIONPHILE』というその会社は旗艦店がカリフォルニア州サンディエゴと、ニューヨークの二店舗もあり、西海岸と東海岸が大型店舗で主軸はサンディエゴの路面店だ。これらの旗艦店を含み14店舗の全米展開である。
ニューヨークの店舗は写真のように広々しているが、ニューヨークの地価が高すぎるためハドソン川傍の26丁目と言うトンデモナイ場所にあり、しかも、ビルの4階である。丁度、『鳥貴族』の出店の仕方で路面店でないため、家賃はかなり抑えられる。
結局、リユースの店は買取センターもあるし、買い取った高級ブランドを保管し、売り出すまでの手入れ等で倉庫も兼ねるので相当の面積が必要になる。だからマンハッタンの商業地区に店舗を構えていたら家賃だけで売り上げが飛んでしまうだろう。
世の中にはいろんな商売があるものだ。高級ブランド品はお金持ちが持つものと思うし、エルメスのバーキンはお金があってもエルメスの店舗に出向いても買えないらしい。
”一見さんお断り”ではないにせよ、エルメスの店で何かを買って、また何かを買ってと助走をつけて、ようやくバーキンにたどり着くらしいが、まぁ、難儀なことだ。数百万するバッグを買いたいというお客が訪れたら、下にも置かずに接客し買っていただくのが商売だと思うけど、エルメスってもう王者過ぎるというか…
大阪や神戸のエルメス店員が「バーキンの入荷が本日ございません」と断る際に丁寧らしいが、東京のエルメス店員はエルメスに入店するお客様を上から下まで見るという傾向があるそうだ。これ、やられたらイヤですよね。でも、そんなイヤな思いまでしてもバーキンを欲しがる人はいるのだそうだ。
人は”十人十色”だし、それにも増して”多様性の時代”と言われるので、お古であるリユース商品が売れるのもまた時代だな…と思う。エルメス、ディオール、ルイヴィトン、フェンディー、サンローラン、プラダ、カルティエ、シャネル等などは57丁目の五番街付近に旗艦店が集中し、店舗内に人はまばらでも、大金を落としていく超リッチなお客がいるので売り上げは良いだろうし、何より商品が高額過ぎるので利益率が異常に高い。
アメリカのリユースの店『FASHIONPHILE』のニューヨーク旗艦店は、ハドソン川傍の商売をするにはわかりにくい立地条件でも、高級品を買いたい、しかも、リユースで安く手に入れたい人にはなんの問題もない。店舗には新品同様に復元されたかのような商品がオシャレに並べられ、ラグジュエリーな感じなのでそこがリユースショップである意識も遠のく。
さて、日本からニューヨークへ挑むリユースのビジネス展開はいかに? 新たなる挑戦で海を越える勇気は素晴らしいと思う。また、リユースがどうニューヨークで受け入れられるかだ。ニューヨークで買取をして、ニューヨークで売る”地産地消”の方針と思うが、開業当初は品物は集まらないだろうから、日本から輸入するのではないだろうか、ニューヨークで買い取りが軌道にのるまでは…
…と勝手に仮定してみるが、もしそうであればトランプ政権が関税を異常に引き上げる方針なので、輸入品に頼るとビジネスが成り立たないだろう。商売は本当に難しいものだ。日本からニューヨークに新規参入するリユースのビジネス、果たしてどうなるのだろう?
※ 画像は FASHIONPHILE ホームぺより引用(https://www.fashionphile.com/locations/chelsea-flagship)