2012年4月に起きた関越自動車道での死傷事故をきっかけにした、2013年8月からの、国土交通省による高速バスについての新基準の施行を前に、高速ツアーバス事業から撤退する業者が急増している。
停留所の設置などによる負担増
高速バスは、路線バスなどを運行しているバス会社などが運行する「乗合バス形式」のものと、旅行会社が運行コースの企画や乗客の募集を行い、旅行会社から委託を受けた貸切バス会社が運行する「ツアーバス形式」のものに大きく分かれる。
8月からの新基準は、このうち、ツアーバス形式の高速バスの運行業者に適用され、乗合バス形式の高速バスと同水準の安全基準を設けるというもの。
新基準では、停留所の設置や一定台数のバスの確保などが求められ、バス会社にとっては高負担となることから、事業撤退を決めるバス会社が急増するという状況になっている。
将来的には、料金の値上げも
一方で高速ツアーバス事業を継続する会社もあるが、そういった会社も新基準適用のためのコストアップは避けられず、どの会社も、将来的な路線網や便数の縮小、料金の値上げの可能性を主張。
低コストを背景にした低料金で大きくシェアを伸ばしてきた高速ツアーバスは、今、曲がり角にさしかかりつつある。
(画像は足成のものを使用しています)