今年は彗星接近の年である。パンスターズ彗星は思ったより明るくならなかったが、ISON彗星は、近日点距離が187万km(0.0125AU)しかない、極めて太陽に接近するサングレーザーである。これは太陽の表面からたった117万kmである。このため、2013年の11月からは肉眼で見える明るさとなり、近日点通過前後の11月28日には、視等級がマイナスになり、金星や満月の明るさを超える大彗星になる可能性もある。
また、史上最も明るくなった1680年の大彗星と呼ばれるキルヒ彗星 (C/1680 V1) と軌道が似ており、これに匹敵するか超える明るさとなる可能性もある。その軌道の性質から、ISON彗星はオールトの雲に由来する可能性が高い。すなわち、軌道が変わらなければ今回の接近が太陽系の内側に入り込む最初で最後の機会であり、二度と太陽の方へ戻ってこないことになる。
オールトの雲は、太陽系を球殻状に取り巻いていると考えられる仮想的な天体群だがをいう。オランダの天文学者ヤン・オールトが長周期彗星や非周期彗星の起源として1950年に提唱した。存在を仮定されている天体は、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷が主成分であると考えられているが、未発見である。
今回、他の天体にオールトの雲のような彗星を育てる環境が発見された。発見したのは、オランダ・ライデン大学の大学院生ニンケ・ファン・デル・マレルさんら。アルマ望遠鏡を使って、「ダストトラップ」と呼ばれる彗星を育てる環境を、へびつかい座の方向約400光年先にある恒星「Oph-IRS 48」の円盤に初めてとらえた。
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参考HP アストトアーツ:惑星成長の鍵を握る「安全地帯」を発見 アルマ望遠鏡:アルマ望遠鏡が発見した彗星のゆりかご Wikipedia:オールト雲