勝手にフードデリバリーに登録されたラーメン屋『でぶちゃん』店主が苦言 / Woltにこの件について聞いてみた

フードデリバリーサービス『Wolt』(ウォルト)の飲食店に対する対応がインターネット上で問題視されている。超人気ラーメン店『博多ラーメン でぶちゃん 高田馬場本店』(東京都新宿区高田馬場2-13-6)が勝手に『Wolt』に登録され、勝手に配達員が店を訪れたというのだ。

店に承諾を得ない状態での中抜き・転売ビジネス

どうやら『Wolt』は、店と契約せずに店のページを作り、オーダーが入ったら「お買い物代行」という名目で店で料理を購入。それを依頼者に届けているようである。店に承諾を得ない状態での中抜き・転売ビジネスともいえる。

なにも中抜き・転売ビジネスがダメなわけではない。契約や合意なく勝手にサービス登録し、店にとって「寝耳に水」な展開であることが問題だと思われる。

『でぶちゃん』勝手にWolt登録されたことに苦言

『でぶちゃん』の店主は、勝手に『Wolt』に登録されたことに対して苦言を呈している。知らない間に勝手に登録され、店のページが作られ、料理が転売されていた(されそうになっていた)のだから、不快に思うのも当然といえる。店主は自身の公式X(旧Twitter)で『Wolt』とのやり取りを公開している。

<でぶちゃんのXツイート>

「woltってデリバリーアプリ? にうちが勝手に掲載されてるらしいんだが どういう事なんだろうか。買い物代行って言って配達員が来たんだけども。写真も金額もでたらめだし こんなゴミクズみたいな商売は認めない。代行は良いにしてもパッケージがゴミ」

「woltからの回答が来た。あまりにも自分勝手で失礼極まりない。企業の体質がよくわかる。ありがとうございますじゃねぇのよ。俺のビジネスを俺より上手にやってる奴の物言いだなこりゃ」




<Woltからでぶちゃんへのメール返答>

「この度はお問い合わせをいただきまして、ありがとうございます。現在Woltでは、加盟店以外にも魅力的なレストランがあるこ とをWoltのお客様に知ってもらうため、試験的にお買い物代行サービスを運用しております。その導入にあたって、貴店に訪問したうえで、Woltのお客様が注文したいと思うであろう料理を、いくつか試食いたしました。そのメニューをWoltのアプリに追加し、お客様がWoltを通じて、貴店の料理を注文できるようにしておりました。しかしながら、今回は掲載停止をご希望とのことでしたので、貴店をWoltのアプリに記載されないように設定いたしました」

<でぶちゃんからWoltへのメール返答>

「買い物代行と主張するのでしょうが ただの質の悪いゴミクズ無断転売です。他人の褌で下手な相撲をとって印象が最悪です。失礼の上塗りで謝罪もないまま。あげく、掲載停止を希望のまえに我々は掲載の希望はしていない。後日改めて連絡ではなく しっかりテキストでやり取り残すのが最良です」

<でぶちゃんのXツイート>

「週明けましたがwoltからの連絡は午後になってもまだ来ません。しかしYosukeの評価をしてくれと頓狂なメールが来ていた。システム入れてるのはわかるがバカすぎておもしろい」

「先程、woltの人間だと名乗る背広の男性が来店。メールでのやり取りを再三希望しているにも関わらず 直接来るあたりは 非公開の場所でことを済ませようという魂胆もバレバレである。大義としては直接謝罪が誠意なのだろうけど。企業のクレーム対応はチャンスでもある。いい機会なのに。あと細かいことだけど 食べ物屋に来るならなんか食ってけ。お前らが用事あっても こっちは、お客じゃないなら用事ないわ」


突然アポなしで訪れた『Wolt』スタッフ

店主は『Wolt』とのやり取りを明確にするためか、メールでのやり取りをしたいと伝えていたが、突如として『Wolt』のスタッフらしき人物が店を訪れたようだ。メールでのやり取りを希望していたにもかかわらず、アポなしで訪れたことにより、さらに不信感を募らせた店主。

その後『Wolt』からメールが届いたらしく、店主がその内容を公開。そこには「直接謝罪をさせていただきたく、ご訪問をさせていただきました」「この度は、貴店にご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした」など、謝罪の言葉が書かれていた。しかし店主は「中身のないメールが届きました」「全体的に何が問題なのか本当に理解していない」と一蹴している。

<でぶちゃんのXツイート>

「中身のないメールが届きました。一連の流れから推測するに おそらく根本的にこの企業は 代行サービスの何か問題なのか 何故謝るのか 全体的に何が問題なのか 本当に理解していない。とりあえず 本物のバカ企業を相手にしていることはよく分かった。さすがアポ無し凸してくるだけある。電話と同じで人の時間を奪っているという認識がない」

「日本のwoltは 設立間もない会社で資本金300万 オレが外部顧問やってあげようか。フードクリエイターのアドバイザー入れた方が良いと思うよ。あとクレーム対応のリスクマネージメントセミナーもしてあげるよ。大切なものが何か知るべし」



どのような意図で『でぶちゃん』と契約せずに登録したのか

そこで今回、『Wolt』がどのような意図で『でぶちゃん』と契約せずに登録したのか知るべく、「お買い物代行」のシステムの詳細と、『でぶちゃん』との件に関して『Wolt』に話を聞いてみた。

<Wolt担当者からのコメント / お買い物代行について>

「Wolt Japan では、本年4月より都内にて、新しいビジネスモデルとして「お買い物代行」の試験運用を開始しております。本取り組みは、消費者による地域の飲食店様へのテイクアウト注文と集荷を Wolt が代行して行うというものです。地域の飲食店の皆様における更なる収益機会の獲得、そして地域経済の活性化に貢献し得ることから、試験運用として導入させていただいております。「お買い物代行」の仕組みは、テイクアウトの注文を受けていらっしゃる一部の店舗様の情報とメニューを Wolt のアプリ及びウェブサイトに掲載し、消費者からの注文を受けた後、Wolt が消費者の代わりに店舗様にテイクアウト注文を行います。その後、Wolt が消費者の代わりに店舗様に集荷に伺い、注文代金をお支払いするというものです。本取り組みにあたって店舗様に新たな費用負担はなく、従来のテイクアウト注文を受けた場合と変わらない処理となります。店舗様と連絡をとる必要が生じた際はWoltのサポート担当者よりご連絡をさせていただいております。「お買い物代行」の対象店舗として掲載させていただくに先立ち、掲載予定の全ての店舗様に、上記の趣旨をご説明申し上げた封書をお送りさせていただいております。その際、試験運用へのご参加をご希望されない店舗様におかれましては、封書に記載の弊社連絡先までご連絡いただければ、 Wolt のアプリ及びウェブサイトから貴店とそのメニューに係る情報を削除する旨をお伝えしております。店舗様から「お買い物代行」に係る店舗様情報の掲載停止についてご要請をいただいた際には、 Wolt のアプリ及びウェブサイトから店舗様とそのメニューに係る情報を速やかに削除しています」

『Wolt』は「趣旨をご説明申し上げた封書をお送りさせていただいております」としているが、その封書の有無について店主に聞いたところ、封書は届いていないようである。さらに「書き留めでも無い限り自己満ですよそれは」とも語っていた。

トラブルやクレームが発生している飲食店がほかにもある?

では、『でぶちゃん』と同様に、お買い物代行でトラブルやクレームが発生している飲食店がほかにもあるのではないか? その点について『Wolt』担当者は以下のように返答している。

<Wolt担当者からのコメント / お買い物代行のクレーム等について>

「掲載停止のご連絡をいただいた店舗様には、上記の趣旨を改めてご説明をさせていただく機会を頂戴できないかお願いをさせていただいております。こうしたご説明を経て、店舗様のさらなる収益機会についてご理解いただき、「お買い物代行」として店舗様情報の掲載を再開したり、加盟店としてご登録いただくケースも数多くございますため、このような対応を取らせていただいております」

店と契約や合意などがない状態で「お買い物代行」サービスを展開した場合、『でぶちゃん』のケースと同様にトラブルやクレームに発展する可能性があると思われる。そう考えれば、あとから理解を得るよりも、先に理解を得る展開がベターに思えるが、皆さんはどうお思いだろうか。

また新たに問題が発生してもおかしくないシステム

今回の『でぶちゃん』の件を機会に、何かしら「お買い物代行」システムの改善をしていく予定はあるのか。『でぶちゃん』との問題が未だ解決していないなか、また新たに問題が発生してもおかしくないシステムだと思われるが、その点についても聞いてみた。

<Wolt担当者からのコメント / >

「「お買い物代行」の取り組みは、地域の飲食店の皆様が更なる収益機会を獲得するのに貢献できれば、との思いで行っております。一方で、こうした真意についての弊社の説明が至らず、不快な思いをされた店舗様がいらっしゃるとのこと、大変申し訳なく存じます。店舗様のお気持ちを害することがないよう、今後一層の注意を払って参ります」

気になったのは「真意についての弊社の説明が至らず」というコメントだ。真意が伝われば「契約や合意なしに登録するシステム」に問題はないと言っているようにも思える。取材した筆者としては『でぶちゃん』と『Wolt』にとって最善の着地になることを強く望んでいるが、『Wolt』が問題点を理解していないように感じてしまう。

伝わらなければ伝えた事にはならない

店主は『Wolt』の対応について「ズレまくってますね。相当ズレてる。写真がイメージだったり価格の違いだったり、プロダクトの大切さも分かってない」「手紙送れば伝わると思ってるのもやばいすね。伝わってからやっと伝えた事になる。伝わらなければ伝えた事にはならない。そして目的と手段。伝える目的に対して手段が非効率」と語る。

裁判かYouTube対談か2択で終わらせよう

『Wolt』は多くの人たちに愛されているフードデリバリーサービスだ。『でぶちゃん』とうまく展開できれば、よりおもしろい展開が望めるだろうし、大きな飛躍に繋がる可能性がある。店主は『Wolt』に対して強い不快感と不信感を示しているが、そこに店主の歩み寄りも含まれているように感じるのは筆者だけだろうか。

店主は最新のツイートで「頑なにサービスの正当性を貫くスタンスを感じるので、裁判かYouTube対談か2択で終わらせよう」とコメントしており、『Wolt』の返答を待っている状況だ。


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