陸上自衛隊HPから転載
この「総火演」は昭和36年に学生教育の一環として開始され、昭和41年から一般公開、今年で66回目を迎える。
新型コロナウイルス感染対策のため2020年から一般公開を中断していたが、昨年からは教育目的に注力するとして一般への公開を止めた。
一方で、自衛隊の情報発信も重要な課題であり、各種SNSの使用、また、募集対象の招待者の拡大等にも注力した。
また、情報発信の一つとして行っていたLIVE配信だが、視聴者数の減や演習内容が専門的などを理由に今回は行われなかった。代替措置として、解説を加えわかりやすく編集したものを6月に公開する予定のようです。①人員及び装備品
・ 統裁部を含め約3,000名
・ 見学(研修)学生等約5,200名
・ 戦車・機動戦闘車等53両
・航空機12機②予算規模及び弾薬量
・ 昼間演習 約 5.6億円(約 48t)
・ 夜間演習 約 2.8億円(約 21t)
・ 合計 約 8.4億円(約 68t)③参加した主要装備品
・20式5.56mm小銃
・中距離多目的誘導弾
・UH-2
・10式戦車
・16式機動戦闘車(MCV)
・19式装輪自走155mmりゅう弾砲④演習概要
・前段に火器等の性能・効果を展示、後段は火力戦闘教育
・想定は、島しょ部における戦闘、防衛
・隊員目線での臨場感を伝えるためにウェアラブルカメラを活用する、など。昼間演習(前段)の様子
場面1 UAVの飛行
・UAV(狭域用)の能力・特性
・UAV(狭域用)の低高度から高度飛行及び高高度飛行により目視による発見の困難性や秘匿性を教育
場面2 小火器の射撃
・20式小銃の特性(射程、排水性) 照準眼鏡を使用した射撃及び排水性機能の紹介(VTR)
・狙撃の精度及び消音器の効果 狙撃銃(消音器なし)と狙撃銃(消音器付)の射撃の比較
場面3 ATMの射撃
・各射撃モードの特性及び射撃の景況
・ 01ATMの低伸弾道モード及びダイブモードによる射撃
・中多の標定/座標射撃及び連続射撃
場面4 各種砲迫の射撃
・陣地占領及び陣地変換 各種砲迫の陣地占領/変換における差異(要領・速度)
・各種火砲・弾種、射法の違いによる射撃効果及び景況
・81M及び120M(小隊/着発)
・FH-70(中隊/着発)、99HSp(中隊/曳火)、19HSp(中隊/曳火)
・FH-70(大隊/曳火)
・緊急火力集中(迫撃砲6門、特科砲25門)
場面5 航空機の能力展示
・V-22の飛行特性及びヘリボン
・固定翼モードでの飛行(上空通過)
・回転翼モードでの飛行からV-22によるヘリボン
・ヘリからの特殊卸下(リペリング・ファストロープ)
・UH-2からのリペリング及びCH-47からファストロープによる降下
場面6 戦車及び機動戦闘車の射撃
・90式戦車各種射撃要領、90式戦車による小隊戦闘射撃
・10式戦車の目標捕捉及び射撃精度、10式戦車のスラローム射撃
・16MCVによる10式戦車ネットワーク(10NW)の機能を活用した射撃要領
・16MCVによる自動割付け機能による複数目標に対する射撃
・オーバーライド機能を活用した小隊集中射撃
場面7 10NW及びUAVを使用した火力発揮
・16MCVによる10NWを活用した砲迫火力の誘導、16MCVによる目標座標の標定から砲迫火力の誘導
・UAV観測下での射撃の精度と修正要領 UAVによる目標の標定から砲迫火力の誘導昼間演習(後段)の様子
場面1 事前制圧
・ 斥候等の情報に基づく重要目標への事前制圧射撃
・ 87-AWによるUAV対処
・ 斥候等に対し情報戦場を通じた状況付与
・ 情報に基づく砲迫火力の発揮
・ 敵UAVに対する87-AWの射撃
場面2 攻撃準備射撃前段
攻撃準備射撃前段
・我の攻撃準備を妨害する敵を隠顕標的等により現示
・接触部隊による火力戦闘や対戦車ヘリによる敵戦車への射撃
・UAV偵察に基づく敵SAMへの射撃
場面3 攻撃準備射撃後段
攻撃準備射撃後段
・CAS(近接航空支援)の条件作為、実施
・障害処理掩護射撃下での地雷原処理車及び地雷原爆破装置の推進
・投射及び障害処理を妨害する敵に対する射撃
場面4 攻撃前進
攻撃開始から突撃準備に至るまでの火力戦闘
・10式戦車ネットワークによる隣接部隊からの敵情に基づくMCVの射撃
・MCVの指揮統制装置及びUAVを活用した射撃
場面5 突撃
普戦同時による突入及び敵第一線陣地突入以降の火力戦闘
・突入後の不意現出目標は、隠顕標的等で現示
・攻撃準備射撃に連接した普通科・戦車の同時突入及び突入後の火力戦闘
・情報戦場から通信電子情報による敵機動打撃の兆候付与
場面6 機動打撃対処
機動打撃対処に係る火力戦闘
・情報戦場及び隠顕標的等により敵機動打撃部隊を現示
・対戦車ヘリ及び砲迫による前進阻止射撃
・攻撃部隊による応急障害の構成
・予備隊による敵機動打撃部隊に対する射撃夜間演習の様子
夜間演習(前段)の概要
場面1 暗視装置を使用した射撃
場面2 戦場照明能力(砲迫)
場面3 IR照明弾下の射撃
場面4 81M照明弾下の84RR射撃
夜間演習(後段)の概要
場面1 前方地域の戦闘
場面2 攻撃準備破砕
場面3 突撃破砕
場面4 逆襲
写真は筆者が撮影&編集(転載表記が無いもの)