ラテって何?種類が多すぎてわからないので1銘柄でそろう4種類を飲み比べてみた!

  by 古川 智規  Tags :  

今や世の中に「なんとかラテ」という飲料があるれている。例えばカフェラテといった場合はミルク入りのコーヒーというイタリア語である。昭和生まれの記者の世代は「コーヒー牛乳」から徐々に「カフェオレ」に一般化していき、今はカフェラテで落ち着いているようだ。ちなみにカフェオレはフランス語だ。
そんな「なんとかラテ」を1つの銘柄で集めてみた。1銘柄で代表的な「ラテ」がそろうのかどうか調べてみると、サントリーのクラフトボスシリーズで結構な種類があり、先日出席した新商品発表会でソイラテという一見すると妙なラテも含めてそろうことが判明した。そこでちゃんとラテと呼べるのか4種類を選択して飲んでみた。

まずは王道と言っては何だが、クラフトボス ラテだ。これはそのままカフェラテで、コーヒーに砂糖、牛乳がちゃんと使用されている。

昔ながらのホッとする味で、しかもごくごく飲めるライトさもあり実に日本的なラテである。カフェラテのベースとなるコーヒーは本来はイタリアのエスプレッソで、非常に濃いコーヒーに多めのミルクなのが基本だが、本品はどちらかというとミルクコーヒーに近い。コーヒー牛乳の時代からカフェラテの時代まで幅広い世代に受け入れられるお手本のような味だ。

次に甘くないイタリアーノだ。イタリアーノとなっているが、副題は「甘くない深煎りなオレ」とフランス語のカフェオレのような表記になっており、どちらかわかりにくいが、デザインからしてイタリア式のカフェラテの雰囲気はする。

実際に飲んでみると、こちらの方が本来のカフェラテに近いような気がする。甘くないと書いてあるが、決して無糖というわけではない。砂糖はちゃんと使用している。しかしエスプレッソ感が強く、それにミルクを合わせた本体的なカフェラテなのでイタリア式の味わいが好みの方はこれ一択だろうか。大人のカフェラテという表現が正しいような気がする。

続いて日本人ならみんな大好き「抹茶ラテ」だ。もはやイタリアにはないだろうと思われる日本的な飲み物だが、昨今の外国人観光客による抹茶ブームにより、日本人はもとより外国人ファンも多いと思われる。外国人は本来の抹茶の苦さを知らないだろうが、市販されている抹茶関連の商品は押しなべて「抹茶ミルク」系の甘いものなので、イメージとしてもピッタリだろう。

抹茶ミルク系の商品はいかにして抹茶の濃さを表現するかにかかっていると言ってもよい。入れすぎると粉っぽくなり苦みが増すし、ミルクを入れすぎると抹茶の風味がなくなるし、砂糖を入れすぎると抹茶の苦みが消し飛ぶ。なかなか難しいバランスだ。本品は「甘濃い」という甘くて飲みやすく、しかし抹茶の濃さを失わないバランスに仕上げている。四季を通じて美味しい日本的な飲み物だ。

そして最後が新発売された「ソイラテ」である。前記3種類はすべて牛乳を使用しているから「ベース+ラテ」を名乗っても不自然はない。しかし本品に限ってはソイ(大豆)は割る方で、ラテの牛乳は使用していない。つまり牛乳の代わりに豆乳を使用しているのでソイラテとなっている。ベースはコーヒーなので正しくはカフェソイなのかもしれないが、それでは何だかわからないので判別が容易なソイラテにしたのだろうと思われる。

本品の苦労したところはソイ感、つまり豆乳の独特の風味をどれだけ抑えるかだっただろう。大豆のたんぱく質が豊富な豆乳が体にいいことは分かっていても、豆乳の風味で好みが分かれるところだ。記者も好んで豆乳を選択することはないほうだ。しかし、本品は見事に豆乳感を消し去ることに成功した。全くないのかといえばそうではなく、最初に感じる豆乳の香りと味をほぼ「なかったこと」にしてカフェラテのように飲めるのが技ありだ。

ちなみに、記者がサントリーのクラフトボスシリーズにソイラテが登場する直前に新製品記者発表会に出席していたのだが、発表会では世に出なかった試作品も試飲した。同社開発陣ががんもどきの味がすると感じたので「がんもどきラテ」と名付けた試作品だった。しかし、これはこれで美味しくて、質疑応答ではこの「がんもどきラテ」を発売する予定はないのかという問い合わせが飛び出す始末だった。試作品で最終的にボツ作になったものまで美味しかったというオチが付いた逸品だ。

開発陣が美味しいものまでボツにして世に出したソイラテは豆乳を毛嫌いする層にもおそらく飲んでもらえるクセのない出来栄えだ。もちろん、好き嫌いだけではなく牛乳が体質的に苦手な方には最適な選択になるだろうから、厳密に定義すれば「ラテ」にはならないのかもしれないが、牛乳を使用しないソイラテが誕生したことで救世主としてとらえることができる層は必ず存在するはずだ。多くの人にラテの美味しさを届けたいという同社の心意気が見え隠れする多くの種類を好みで選択して飲んでみると、あなたにピッタリな「ラテ」が見つかるはずだ。どれも日本人の好みに合った素晴らしい「ラテ」だからである。

※写真はすべて記者撮影

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