夏のツーリングシーズンで楽しいバイクライフをお過ごしの方も多いだろうが、長く続く暑さのせいで何とかしたいこともある。熱中症予防のための水分補給と涼を取る方法である。
水分そのものはペットボトルをコンビニで買い込めばいいのだが、この暑さでは飲み切れない分はすぐにぬるま湯になってしまう。できれば冷たいドリンクをいつまでも飲みたい。そこでドリンクホルダーに合わせていつまでも冷たいドリンクが楽しめるボトルを使ってみたのでレビューする。
大阪のピーコック魔法瓶は歴史のある魔法瓶メーカーで、現在でも性能的に優秀なガラス魔法瓶や現代的なステンレス真空ボトルを製造している。バイクで要求される仕様としては、半日以上の保冷(保温)能力、片手で開栓できてそのまま片手で飲め片手で閉められること、ドリンクホルダーに入り揺れでがたつかないスリムでいて大容量なもの、だろうか。酷な要求かもしれないが、信号停車で冷たいドリンクを一口飲むことができればどれだけ幸せかはライダーならお分かりいただけるだろう。もちろん、休憩場所に停車して存分に飲めばいいのだろうが、そんなに休憩もしておれないので酷な要求を出しだ。
該当する製品は2つで、同社の「AKE」シリーズの600mlと800mlボトルだ。
口の径は共通で容量だけが違う。片手でレバーを下に倒せばロックが解除され、ボタンを押せば飲み口がバネの力で自動で開く。暑い飲み物でもやけどしないように一気に液体が流れ出ない構造になっていて、閉める際は逆にふたを閉めてロックレバーを上にパチンとかければOKだ。
底面にはシリコンカバーが付けられていて簡単には動かないばかりか、バイクの場合は防振にも一役買っている。このシリコンカバーが微妙に大きくホルダーに入りにくい構造の場合は外してしまえばよい。
記者のバイクはヤマハNMAX125の一つ前の世代だが、グローブボックスには600mlボトルがちょうど入った。ちなみに氷を入れたドリンクは12時間以上氷が残ったままだったので、保冷能力は十分だ。そしてこのボトルは高級なステンレスを使用しているので、塩分を含むスポーツドリンクに公式に対応している。よって、水分補給のみならず塩分補給もできる優れものだ。
ドリンクホルダーは汎用のペットボトル用だと600mlボトルがちょうどの大きさで、800mlボトルを入れるにはもう少し大きなアジャスト機構付きのホルダーが必要だろう。
栓側はシリコンで止水する仕組みなので、どんなに振ってもこぼれることや漏れることはない。
ボトルホルダーがない場合は、ペットボトルが入るウエストポーチ等に突っ込んでおけば外部から取り出せるので同じように使用できてバイクから離れる散策時も冷たいドリンクが飲めていい感じだ。
本品は特にバイク用に製造されたものではないが、記者が考えて要求した仕様と能力を十分に満たすことができる優れた保冷ボトルなので、バイクでお出かけの際には検討して損はないだろう。
※写真はすべて記者撮影