まるで男性のアレである。カナダ・モントリオール大学と英国・ケンブリッジ大学の共同研究班は、カナダのヨーホー国立公園内にあるバージェス頁岩(けつがん)の化石層にて、男根形の蠕虫(ぜんちゅう)の化石を発見し、『Spartobranchus tenuis』と命名した。
蠕虫とはミミズのように足がなく細長い虫のことで、Worm(ワーム)とも呼ばれる。今回発見された『Spartobranchus tenuis』は、カンブリア紀(約5億4500万年~4億9500万年前に相当)に海中を動き回っていたと推定されている。男根形の蠕虫は、現代に生息するギボシムシ(海底などを動きまわるミミズのような動物)の祖先にあたると考えられているが、これまで発見されたことがなかった。
今回の発見を受けて、ケンブリッジ大学のサイモン・コンウェイ・モリス教授は「今回の発見にはわくわくさせられます。なぜかというと……『Spartobranchus tenuis』は半索動物のギボシムシ綱(こう)とフサカツギ綱の両方の特徴を有しているだけでなく、人間も属する新口動物の初期進化にも関係があると思われるからです」と大学のホームページにコメントを寄せている。
画像: ケンブリッジ大学のホームページのキャプチャー
http://www.cam.ac.uk/research/news/ancient-worm-provides-unexpected-evolutionary-link-in-our-early-history