世の中から体重計という測定器が減って、体組成計というものに取って代わってからもうずいぶん時間が経過した。当初はセンサーの技術的な問題で体の様々な数値を測定しようとすると、体重計のように短時間だけ裸足で乗るだけではだめで、手でセンサーを握ったり数値が確定するまで時間がかかったりと手間が多かった。それに何よりも値段が高く、おいそれと買い替えるわけにもいかなかったのが最近はずいぶんと安く、そして軽く手軽になったおかげで急速に体重計からの置き換えが進んだ感がある。
その体組成計も従来は出てきた数値をメモして記録するしかなかったのが、最近ではスマホ連動で瞬時に通信してアプリが自動記録、数値データをグラフ化して見せてくれるという技を見せる。今回はRENPHO JAPANが販売する体組成計とRENPHO スマートメジャーを試してみた。
体組成計はずいぶんと軽く上部が強化ガラス製なのでスタイリッシュで水気のある場所で使用しても問題ない。そしてダウンロードしたアプリとペアリングして、自分の年齢等の基礎データを入力するとあとはアプリを立ち上げて体組成計に乗るだけで終了する。終了といっても測定が終わるまでにかかる時間は10秒もなく、アプリを立ち上げておけばその間に自動的にデータが転送される。測定終了の合図はアプリからのチャイムなので、チャイムが鳴ればデータ転送も終了しているということだ。
1週間くらい毎朝、体組成計に乗ってみたが記者ほどの重量級だと1~2キログラム程度は誤差の範囲なので、さほど気にならないものの、取材等でよく動いた日にはちゃんと基礎代謝量が上がっている等の「身に覚えのある」データが上がってくるので安心して推移を見守ることができる。特にダイエットをしているわけではないが、そういう方はもちろんのこと健康に留意しなければならない「お年頃」の方は体重よりも他の数値の方が気になるのではないだろうか。
その点において、メモも転記も要らないので面倒がなくてよい。これは続ける一つの大きなファクターになり得る。面倒くさがりは、ダイエットと健康の敵なのだ。
さて、体組成計はどのメーカーのものを購入しても機能の違いに大差はない。しかし次にメインで紹介するスマートメジャーを使用するなら体組成計も同社のものにするのが都合がよい。理由は簡単で、メジャーのデータも同じアプリで管理しているからである。
メジャーで体の部位を測定するのは服を買う時くらいだろうか。お店で店員さんに都度測ってもらえば済むのだが、最近はネット通販で服を購入する機会も多く、常に自分のサイズを知っておくことはベストフィットの第一歩だ。
ハッキリ言ってこのメジャーはどんな部位であっても一人で素早く周囲を測定できる。胸であろうと腹であろうと周囲を測定するのは結構面倒だが、問題なく一人でできる。もちろん腕のような周囲ではなく長さでもOKだ。
概ね周囲にメジャーを巻き終わり本体のボタンを押すと掃除機のコードのようにスルスルと自動で巻き取られるのでフィットしたところで登録ボタンを押すとアプリの該当する欄に数値が入力される。体以外の長さを求めるときにはアプリに転送せずに本体の数値を直読すればよい。例えば宅配便で送る段ボールの3辺を測る際には長さが積算されるので合計の長さを直読するだけだ。
ダイエットをしている方や体形を常に気にする方は毎日測定するのだろうが、普通の方であれば月一で十分だろうし服を購入する際や日常使いのメジャーとして利用できるので手元にあって損はない。たまたまだが、記者がバイク乗車用のヘルメットを購入しようとした際には頭の周囲を測定するのに実に簡単で役に立った。何度も測定するものではないが、布製のメジャーで一人でぴったりと測定するのは意外に難しい。
これらの体組成計やスマートメジャーは1つのアプリで統合管理ができるので、体組成計で測定した体の内部データと、メジャーで測定した体の外部のデータを突き合わせることにより効果的なダイエットや健康管理ができるだろう。
そしてコロナ以降にずいぶんと普及したスマートウォッチをお持ちの方は体温や血圧、心拍数や睡眠時間等を記録していると思うが、管理アプリが異なるので統合的に見ようと思ってもなかなかうまくいかない。同社のデバイスに接続できるアプリはGoogle Fitにデータを転送できるので、スマートウォッチがGoogle Fitに対応していればすべてのデータとまではいかないが主要な数値はFit側で一覧表示ができる。これにより医療用ではないものの、かなりの精度で健康管理の一助となってくれるだろう。同社のアプリは他の同社製デバイスも接続できるようだが、記者は持っていないので未検証だ。機会があれば多くのデバイスを接続して一元管理をするレポートをしたい。
データ管理はスマホ任せにして、人は見るだけという面倒ではないデバイスでまずは「計測する」面白さから体験していただきたい。そのうち人によっては「深刻さ」に気が付くかもしれないが、それこそが健康への第一歩になるだろう。