公的研究機関の国立研究開発法人産業技術総合研究所が「光を99.98%以上吸収する至高の暗黒シート」と題し、可視光を吸収するほどの暗黒シートを発表して話題となっている。以前にも暗黒シートが話題となったことがあるが、従来のものより「可視光の反射率が一桁低い」という。
レーザーポインターの強い光も吸収
従来の暗黒シートも素晴らしい暗黒っぷりだったが、可視光の吸収率は99.65%。最新タイプの暗黒シートは99.98%以上の吸収率とのこと。それゆえ、レーザーポインターの強い光も漆黒の闇に包み込み、反射しないようだ。
暗黒の名にふさわしい黒っぷり
実際にレーザーポインターが照射された暗黒シートを見てみると、確かにレーザーポインターが照射されているように見えない。まさに暗黒の名にふさわしい黒っぷり。以下は、産業技術総合研究所による暗黒シートの特徴説明である。
<産業技術総合研究所による暗黒シートの特徴説明>
「従来の暗黒シートと比べて可視光の反射率が一桁低く、レーザーポインターの光も消えて見える」
「カシューオイル黒色樹脂の表面に微細な凹凸構造を形成し、くすみもぎらつきも少ない深い黒」
「明るい場所でも沈む圧倒的な黒さにより、視覚表現にこれまでになく高いコントラスト」
明るい場所でも沈む黒さを実現でき、背景の映り込みを防止できるため、視覚表現にこれまでになく高いコントラストを提供します。
レーザーポインターの光も消えて見える様子をご覧ください↓ pic.twitter.com/PMMEwVfza7
— 産業技術総合研究所(産総研) (@AIST_JP) January 18, 2023
あらゆる面で「新たなこと」ができるように?
このような究極ともいえる暗黒で漆黒な「黒」が世に出ることにより、あらゆる面で「新たなこと」ができるようになるかもしれない。人類の技術進歩、凄まじい。
岸辺露伴 ルーヴルへ行く
人気漫画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(著:荒木飛呂彦)では、「この世で最も黒く、最も邪悪な絵」がルーヴル美術館の地下倉庫に眠っているというエピソードが語られている。もしかすると、いつか、本当の意味で「この世で最も黒い絵」が描かれるかもしれない。
※記事画像は国立研究開発法人産業技術総合研究所公式サイトより