長谷川愛「卒業したのでライバルは自分、自分をほめてあげる時間も増えれば」 グループ卒業約1年、俳優・歌手として活動する現況を語る

  by ときたたかし  Tags :  

俳優・歌手・モデルとしても活動するアーティスト、長谷川愛さんのドラマ初主演作、「Loved One ~愛してるの言葉で泣くのはいつも君だった~」(全4話)が、現在U-NEXTで配信中です。笑顔の明るく元気なカフェ店員・サキ(長谷川)と、そのカフェで偶然出出会った晴人(武藤賢人)とが少しずつ距離を縮めていく物語で、長谷川さんが歌う「Loved One」という楽曲を元に作られた、切ない純愛ラブストーリーです。

主演で主題歌を担当した長谷川さんは、ピチレモンの専属モデルとしてスタートし、男装アイドルグループ・風男塾のメンバーとして2021年3月まで活動。昨年夏にSINGLE「Loved One」リリース、俳優、歌手として活躍する日々を送っています。グループ卒業約1年、在籍中とは心境も異なると言います。お話をうかがいました。

■公式サイト:https://www.2ps-twopeace.com/loved-one-movie/ [リンク]

●作品が完成した心境はいかがですか?

3月〜4月に上映会があったのですが、とても緊張しました。配信作品なので本来はテレビやスマホで観ていただくのが一番かと思ったのですが、映画館みたいな大スクリーンで観ていただくことになり、めちゃくちゃ緊張しました。ただ、無事に終わってファンのみなさんも感動してくださったり、「配信で何度も観ます!」と言っていただいたので、やってよかったなというのが今の正直な気持ちです。

●蒔苗サキというキャラクターは、明るく元気なカフェ店員でしたね。

もともと豪快な性格ではないというか、普通の生活が好きなタイプなので、自分のことや自分の生活のことも思い出しながら、なるべく自然にやろうという意識はありました。以前よりも現場で冷静でいられたというか、いろいろなことを客観的に観られるようになったので、そういうお芝居ができたと思っています。ただ、ちょっと若さを出すために普段のわたしよりも元気に頑張ったところはあります(笑)。

●昔は冷静ではなかった?

「緊張した~」しか感想が出ないくらい緊張していましたね(笑)。今回は撮影が5日間という短期だったので、そんなことを思っている場合ではなかったので、ワンシーン、ワンシーン、みんなで緊張していました。そんなにたくさんNGを出すわけでもなく、みんなのチームワークもよくなっていったりしたので、それはこの作品の中に表れているのではないかなと思いますね。

●今回の作品では、世の中のどこかにありそうな20代後半の恋愛がリアルに描かれていましたね。

そうかも知れないですね。邦画では昔は多かったかも知れませんが、最近は漫画原作や学園モノが多いなか、だからこそ配信された時に際立っていればいいなと思いますね(笑)。キュンキュンはしないですし、お互いが迷っているシーンが多かったり、観る人によっては感じ方が違うような、自分の経験を当てはめて鑑賞する、そういうドラマなのかなと思いますね。

●主人公像もとても魅力的でした。

サキは自分の病気のこともあるので、全面的に感情を出しているように見えるけれど、少し抑えているところもあるんです。そういう子なので、全部がキュンキュンできるわけではなく、もどかしい表情が切ないなと、完成した映画を観た時に思いましたね。

●撮影現場で学びになったことは?

それこそサキちゃんは明るい子なのですが、やはり思うことはあるのでそれは隠しつつ、明るくふるまっているみたいな感じなのですが、そういうところはわたしも歌を歌うにあたって参考になりました。そういう気持ちで歌うことで、より切なく歌詞が伝わることになるのではないかなと、少し勉強させていただきました。

長谷川自体は明るく元気で活発なので、そのわたしのイメージで「Loved One」を聴いていただいたのですが、サキを採り入れた時により切ない気持ちで伝わるのではないか、今後違った聴かせ方ができるのではないかと、表現方法のひとつとしてサキに出会ったことは、とてもよかったなと思いますね。

●ところでグループを卒業して1年になると思いますが、現在の心境はいかがでしょうか?

10年近く「強くいないと」と張りつめていましたが、もう強がらなくていいのかなと、自分を全部出した時に好きでいてくれる人がいればそれでいいと思えるようになりました。卒業したのでライバルは自分だけになるのですが、自分をほめてあげる時間なども増えればいいなと思っています。卒業してからこの作品を撮ったことも大きいです。在籍中だったら、もしかしたら強すぎるサキになっていたかも(笑)。

●今のほうが自分らしい?

表情が変わったとは言われます。当時は目がギンギンだったともよく言われます(笑)。グループにいると自分以外のファンの方もいらっしゃるので、その方たちにも楽しんでもらいたいという責任感が大きかったです。30代は好きなことをやっていたほうがいいよといってくださる方が増えたので、自分らしいとは思います。

●一方で、先日のSHOWROOM番組「虎愛(トライ)TV〜私たちのレピシ〜」配信ではこなん( @konanyuka )さんとコラボされ、感動したとご自身でも言われていましたが、今でもつながりがある点は素敵ですよね。

うれしいですよね。こなんちゃんはユニットの時に一緒で、わたしが卒業する6年くらい前には卒業していたのですが、もともとティーン誌で活動していたり、舞台でお芝居もやっていて、あこがれの存在ではありました。同い年ですし、またいつか自分と一緒にできたらいいなとずっと言っていたので、ここからふたりでまた何かできたらいいなと思います。

●それは楽しみですね!

お互い泣けてきたりもしちゃって(笑)。この間、こなんちゃんはお子さんがふたり生まれたり、人生の先輩なんですよね。そこを教えてもらいつつ、昔の空気感も残っているので、それが楽しかったとファンの方に言ってもらえたり、うれしかったです。長年活動してきたからこそ、ファンのみなさんの中にも思い出が残っていると思うので、それがまた花咲かせる時間ができたのかと思うと、これからも楽しみです!

●今後はどのような活動をしたいですか?

表現することも好きですし、笑ったり泣いたり、それを活かせるお仕事となると、お芝居だと思うんです。台本を見ただけで泣いてしまうので、そういうところを活かしたいです。基本は明るいのですが、笑って泣いたり、情緒不安定な感じがしますが(笑)、熱い話をしていたらだんだん泣けてきたりと、そういうタイプではありますね。

●期待しています。今日はありがとうございました!

ありがとうございます!30代ならではのお芝居をしたいと思いますし、歌もいろいろな経験をすることで人生の厚みを出せればと思うので、今のままで続けていければいいなと思います!

■ストーリー

主人公のサキ(長谷川愛)はとても素敵な笑顔の明るく元気なカフェ店員。

そのカフェで仕事がうまくいかず上司に怒られ落ち込んでいる晴人(井澤勇貴)の元に、たまたま学生時代の先輩 圭吾(武藤賢人)がやってくる。 圭吾はなんと「サキ」のお兄さんだった。

少しずつ距離を縮めていくサキと晴人だったのだが、サキには、どうしても言い出せない秘密があった--

「ねぇ。私のこと愛してる?」

長谷川愛の「Loved One」という楽曲から生まれた純愛ラブストーリー

■公式サイト:https://www.2ps-twopeace.com/loved-one-movie/ [リンク]

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo