「ボールペンで投票しないと票が書き換えられる?!→ウソです」総選挙のデマに注意しよう!!

  by 松平 俊介  Tags :  

今日は衆議院の総選挙ですね。ネット上では選挙に関する様々な噂が飛び交っていますが、明らかにオカシイものもあり、注意を呼びかけたいと思います。

中でも、ツイッターで拡散されている以下のデマは相当疑問だと思います。

 

ボールペンで投票しないと票が書き換えられる?!→かえって無効票になる恐れも

「投票が改ざんされるから選挙にはボールペン持ってけ!」的なツイートが拡散される かえって逆効果の場合も?
http://togetter.com/li/422572

こういうツイートが出回っていますが、明らかにありえないことです。

バリエーションとしては、

「選挙管理委員会にある党の回し者がいて票を書き換えている!」

「鉛筆で書いた投票を消しゴムで消した連中がいたに違いない!」
「前の選挙では権力側のありとあらゆる画策があった!」

「前の選挙で当選した人は選管らによる不正で当選した公算が高い」

という手のこんだものもありました。
(どうでもいいけど、開票時にマスコミって立ち会うので、投票を消しゴムで消すような集団がいればすぐにバレると思います)

なぜ、投票は鉛筆なのか?→ボールペンだとにじんで無効票になる恐れがあるから

こういう人たちの不安の要因には、投票所で置いてある筆記具が鉛筆だということがあると思います。普段、あまり鉛筆は使わないですからね。

 

鉛筆で記入する理由はいろいろありまして、先日亡くなられた浜田幸一さんがまとめられたものがありますので、そこから引用しますと、

 

大きな理由は二つあるそうです。
1つ目は、字写りを防ぐため。2つ目は、経費削減のため。
ボールペンなどで字を書いたときに、インクが手についてしまったという経験は、誰にでもあるでしょう。
選挙で投票に行くときに、紙を二つに折る人も多いんじゃないでしょうか。 そのとき、もしインクがまだ乾いていなくて、反対側に写ってしまったらどうでしょうか。
字が写ってしまって、「月」の字が「明」っという字になってしまったり、「水」という字が「氷」になってしまったりということがありうるわけです。
「浜田幸一」は「浜」の字以外は左右対称で字写りしにくい名前ですが、そりゃぁ、せっかく一票自分に投票してもらえるところを、字写りやにじみによって違う名前だったり読めなくなってしまって、無効票になってしまうなんてたまったもんじゃありません。
そのため、字写りが少ない筆記用具を用意しなくてはいけません。
いいペンを使えば字写りがしないかもしれませんが、余分にお金がかかるでしょう。ひとつの選挙で、国がつかっていい経費というのも細かく法律で決められているので、お金をかけすぎることもできません。
そこで、投票所で用意されているのが、安価で字写りしにくい鉛筆だというわけです。
http://seiji.rakuten.co.jp/contents/academy_hamako109/qa020より

ということだそうです。なるほど、二つ折りにするからボールペンだとだめになってしまう可能性があるのですね。貴重な一票を無駄にはしないようにしたいものです。

開票作業時に書き換えは不可能?

ところで、開票作業時に、実際に書き換えなどは出来るのでしょうか?

調べてみたところ、票の区分けだけで、職員1人が1分当たり約4分でやっているので、そんな書き換えなんかしていたら、メチャクチャなことになりそうに思います。

 

実は開票作業はとにかく早くやることに自治体が執念を燃やしており、以下の様な取り組みをしている自治体もあります。

大阪市では、昭和31年から市と各区選管の係長らが定期的に「選挙事務研究会」を開き、開票作業の効率化を図ってきた。

中でも、今回は大阪市北区が首位奪還に意欲をみせる。平成21年の衆院選では、所要時間が2時間32分で市内24区中トップだった。8月に公募で選ばれた前兵庫県加西市長の中川暢三(ちょうぞう)区長は「大阪市トップの成績に甘んじることなく、さらに上を目指せ」と現場にはっぱを掛けている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121210/elc12121014220002-n1.htm(産経新聞)

わずか2時間32分で、大量の票をさばくわけです。しかも区長がはっぱをかけている現場で、票の書き換えなんか、ちょっとできそうにないですね。

(※写真画像はフリー素材サイト足成より引用)

企業のニュースリリースライターを足掛け4年経験。現在はライターのみならずwebディレクターやテレビ番組の企画にも関わっている。タウン誌や飲食関係の媒体の制作にも携わる。 大学時代は書家や歴史作家について修行をしていたことも。(雅号:東龍) 地域の埋もれた歴史を掘り起こしたり、街歩きをするのが好き。これまで関わってきた雑誌は「散歩の達人」「週刊SPA!」、放送局では主に関東ローカルテレビ局の企画を担当。

ウェブサイト: http://touryuuuan.blog.jp/