杉枝真結、初主演作公開に万感の想い E-girls卒業後「一歩一歩、コツコツという性格。実を結んだのであればうれしいです」 主演映画『コネクション』全国順次公開中

  by ときたたかし  Tags :  

E-girls卒業後、俳優・MCなど多彩に活躍中の杉枝真結さんが、上田堪大さんとダブル主演を務めた映画『コネクション』が、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開中(今後)です。本作は裏社会の闇を描く骨太な内容ですが、グループを卒業して数年、初めての経験が多かったという映画の現場にもかかわらず、ご本人は「楽しかったです!」と語ります。主演作を送り出す杉枝さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://www.connection-movie.com/ [リンク]

●オファーの時、どういう心境でしたか?

この役柄を演じることが決まった時、わたし自身、映画への出演が初めてでしたし、ましてや主演として演じるということで、お芝居の世界もほぼ初めてのことだったのですが、率直にうれしかったです!

●怖くはなかったですか?

わたしは初めてのことに飛び込むことが怖いタイプではなくて、どちらかというと楽しいなと思うタイプなので、決まった時はうれしいと同時に「どう演じよう?」「頑張ろう!」「楽しみ!」みたいな気持ちが大きかったです。

●物語の感想はいかがでしたか? 裏社会を扱っている内容でしたね。

物語としては聞いたことがない内容がバンバン飛び交っていて、まったく知らない世界ですよね。反対に詳しかったら怖いんですけど(笑)、初めての情報が山のようにあったので、正直最初の印象は「理解できるかな?」「ちょっと怖い話なのかな?」「ミステリーなのかな?」「ホラー?」と感じたんです。

でも、実際に読み終わってみると笑ってしまったというか、なんだか面白くなってしまって(笑)。楽しく読めちゃったんですよね。

●いろいろなエピソードが出てきますからね。

1本の映画の中にも6つのエピソードが分かれていて、自分が生きている世界とどこかかけ離れている出来事だけれども、もしかしたら映画館を出た時に「あれ? 近くでこういうことがあるかも?」と、どこかリアルに感じてしまうようなハラハラ感がありますよね。内容は現実とかけ離れていても、テンポがいいので面白く見えると思うんです。なので、みなさんも似たような感想になってくれるかも知れないと思いました。

●ところでグループを卒業され数年が経ちますが、現状はどう受け止めていますか?

15歳くらいにデビューして2014年まで活動していましたが、わたし自身の性格は一歩一歩、コツコツという性格ではあるので、それが実を結んだのであれば、うれしいですね。もともと表現することが好きなので、歌やモデル、おしゃべりだけでなく、今までやって来たジャンルとは異なる演じるという仕事に今回つながったことは、また違った表現方法で楽しいなと感じながら演じさせてもらいました。

●楽しめるのであれば、それが一番ですよね!

そうですね。コロナ禍ということもあり、気持ち的にはみなさん張りつめていたところはあったと思いますが、でもその中でもやっていくととても楽しかったですし、いろいろなエピソードが展開していくので、撮っていても面白かったんです。気づいたら綾乃の感覚で撮影が進行しているなと思うことはありました。

●なり切っていた???

なり切っているというほうが違和感なくらい、杉枝真結というよりかは「浅間綾乃です!」という感じでしたね。でも、本当に楽しかったです。今回の綾乃は共感できる要素がありましたが、たとえばまったく共感できない役柄があったちしても、それはそれで「わたしだったらこういうことはしない」なとか、「こういう動作は人にしないな」とかあっても、その役柄ではしないといけないわけで、わたしではない人生を歩くという意味では、小説を読む感覚と一緒だなと思って面白いです。

●今回の初主演を受け、次のステージはどう考えていますか?

最近はそれほど考えなくなりました。今年に入り、26歳になったのですが、20代後半は女性だといろいろなことを考えますよね。たとえばわたしも近い友だちで結婚をしたり、子どもが産まれたり、そういうのもなく仕事を頑張る子もいたり、女性にとって20代後半は節目というか、いろいろなことを考えるのかなと思うんです。なので、このわたしには中途半端な年齢を、もっと楽しもうと思うようになりました。

●具体的には、どういう感じなのですか?

悩めるも楽しいも、20代後半の自分ならではのことだと思うようになったんです。「いいじゃんわたし、それで」みたいな(笑)。いっぱいやりたいことがありすぎて選べないよね、ということ自体、今を楽しめばいいと思うんですよね。悩みながら同じように数年を過ごすよりも、いい意味で先のことを気にしないで、今のこの瞬間、半年先、一年先をどんどん楽しんでやっていくべきかな、と思うようになりました。

あとはコロナ禍で先が見えにくい世の中になっているなと思っていて、わたしも不安になることはたくさんあります。やはりそうなってくると、見えない先に不安になるよりも、楽しいことを考えたほうがいいかなって。そう思うようになりました。それが一番大切なことなのかなと思っています。

●今日はありがとうございました!

■ストーリー

ルポライターの浅間綾乃(26)が取材するのは、暴力団や不良、薬物、風俗、貧困ビジネス、オカルトや都市伝説など。

取材相手から脅されたり、違法行為に巻き込まれたりと、トラブルの絶えない日々を送っている。

親兄弟や知り合いからは心配されているが、綾乃は我が道を飄々と突き進む。

細い糸を手繰り寄せた先に何があるのか――26歳女の好奇心が、日本の闇を照らし出す!

(C) 2021「コネクション」製作委員会
全国順次公開中

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo