死んだら、殺せます!?アメリカの新しい葬式ビジネス。

  by シカゴの雪  Tags :  

アメリカでは大統領選挙も無事に終わり、景気回復に向けて本腰を入れたいオバマ政権ですが、この不景気のご時世に、アメリカ南部でとあるビジネスが大当たりとか。

 

それはこちら:火葬後の灰を実弾に込めます。

 

アラバマ州で去年7月に起ち上がったこのビジネス、その名もHoly Smoke (聖なる白煙)は、850ドル払えば死後の灰を銃弾にする、といったサービスを行っています。しかも、短銃の玉250発、あるいはライフル銃用の銃弾100発、もしくは拳銃の実弾250発のいずれかが選べるというもの。

 

会社の創業者の一人であるクレム・パーネル氏によると

「あの七面鳥がこの世で最後に見るのは、オレが秒速270メートルで奴に襲いかかるところだ、と思うと安心して死ねるってものじゃないか。」だそうです。

 

とはいえ、通常のお客さんは、ハンティングが好きだった故人を偲びながら、森で銃を撃って灰が森の中で安らげるようにする、という方が多いようです。が、中には亡くなった主人はハンティングが好きだったから、と言いながら、祭日の食事用の豚を撃ちにきた、というご夫人もおられるとか。

 

Holy Smokeは、「お客様の灰が他人の灰と混ざることはありません」だの「トレーニングをしっかり受けた当社の者が敬意を持って灰をお預かりします」だの「当社の従業員は敬虔なキリスト教徒で、高い道徳的を持ち合わせております。」などと、声明を出して真剣さを訴えているものの、このビジネスについては賛否両論があるようです。

 

しかし、それは死んでまで、誰かを傷つける恐れのある「武器」になりたいのか、という存在論的(?)な問題ではなく、キリスト教的に「あり」か、「なし」か、という所のようです。

 

最後の審判時に体と魂のよみがえりを信じるキリスト教では、火葬は長らくタブーでした。しかし、この習慣も全米葬儀教会(the National Funeral Directors Association)の調べによると2009年時点で37%のアメリカ人が火葬を選んでおり、この傾向が続くと向こう10年でアメリカ人の2人に1人が火葬を選ぶと予想されています。

 

ということは、このビジネスもこれから益々繁盛するのでしょうか。うっかり南部の森で森林浴などしていたら、死んだ人に殺されるという可能性のあるアメリカ。。。ホラーよりも怖い気がします。

 

かくいう私は死んだら豆まきの豆にしてもらって、鬼を追い払うくらいの、生存時には出来なかった貢献をしたいものです。

アメリカ在住です。大学でイカガワシイ科目を教えています。

ウェブサイト: http://blogs.glam.jp/eigagohanshigoto/

Twitter: @chicagonoyuki