泣ける自己啓発本?『10年後に活きる人脈のつくり方』の著者河上純二氏インタビュー 人脈が変えてくれる自分らしい人生のつくり方 ~前編~

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人との対面による接触機会は激減した。それに伴い、どこかへ出向いて新たな試みをすることや、憧れの場所へ旅行する機会も奪われた。特に行動力のある20~30代の人々にとって、この約2年間で出会えていた人、訪れることができた場所そして挑戦できていたことは、数えきれないくらいあるはずだ。
しかし、アフターコロナでは新たな働き方や人との関わり方が定着し、その環境を上手く自分のものにしていかなくてはならない。
そこで今回は、『10年後に活きる人脈のつくり方 自分らしい、幸せな働き方を実現しよう!』(日本能率協会マネジメントセンター)である河上純二氏に、この未曾有の経験を経て、10年後、自分らしい生き方・働き方を実現するために心がけておくことについて話を聞いた。

「心の声に耳を傾ける」人生の選択のポイント

―『10年後に活きる人脈のつくり方』の読者の中には、就職活動中の学生や、入社して働く中で、自分に合う仕事に悩んでいる人もいると思います。
河上さんが法学部を卒業し、新卒で株式会社丸井に入社を決めたのは、どのような理由でしょうか。

河上純二氏(以下、河上) 新卒の就職活動は、社会に出るための初めての選択であり、非常に貴重な機会ということで、自分の心の声に耳を傾けることを意識していました。
もちろん法学部に入学し、当然周りは法曹界や政治家を志す人が大勢いました。しかし僕は、同じ学部の友人たちと関わっていく中で、将来の自分には別の選択肢の方が合っていると感じ、就職活動をすることを決意したのです。
また当時、プロのダンサーとして活動しており、活動を通して出会った人との関わりから、自分の進みたい道、理想とする生き方はもっと他にあると思ったという理由もあります。

―企業の選択はどのようにしていましたか。

河上 就職活動では、各業界の中で一風変わった立ち位置の企業を受けるということを軸にしていました。例えば、会社の方針や、独自の人材登用をしているなどです。

本書には新卒から現在に至るまでの経歴がとても詳細に書かれています。もちろん良いことばかり記しているわけではありません(笑)。社会に出ることが初めての人、今の会社でずっと働くことに悩んでいる人は、ぜひ読んでみてほしいです。

<本書より>
「働き方の選択肢が増えたことで多様な働き方ができる一方で、どんな働き方が幸せなのかがよくわからなくなってきています。
僕の頃は「石の上にも三年」などと上司や先輩に言われて転職など考えませんでしたが、厚生労働省の発表によると新卒社員の3割が3年以内で辞めているのが現在の日本です。若い人たちは、自分に合った会社や働き方が就職活動時点ではまだわからないでいるのです。」

(はじめに P.4より引用」)

「やることや方向性、目標がはっきりする人はモチベーションが上がり、ストレスフリーの状態になれるのです。」
「みな誰もが「ストレスフリーの人生を送りたい!」と心の中で叫んでいます。その生き方をしたいのなら、自分の人生は自分でコントロールするために必要なことを早いうちから準備しておくことです。」
 
(第2章 幸せづくりの人脈作り 「心の声は「ストレスフリーの人生を送りたい!」 P.77より引用)

河上氏初の著作である『10年後に活きる人脈のつくり方』(以下、本書)では、自分らしい働き方や生き方に悩む全ての人へ、理想的な働き方を実現するためのヒントとなる。人脈の活用の仕方が惜しみなく記載されている。
生きる上で重要な「仕事」の選択に悩む方は、今一度自分の気持ちに正直に、これまでかかわってきた人たちとの経験をどう活かしていくか、是非本書から見つけ出してほしい。

「SNS社会の本領を発揮」コロナ禍での人脈づくり

―コロナ禍という制限の多い環境でも、河上さんの人脈の幅は広がり続けています。
これまで通りの人脈づくりが制限される中、どのように人との関係性を築いていけばよいでしょうか。

河上 コロナ禍で、これまで非常に近い距離にいた人や、一緒にいて安心できる人、また長く付き合っていきたいと思っていた人と疎遠になってしまったと思います。しかし、これを読むみなさんに言えることは、この環境のせいで関係が薄れるという不安は感じなくていいということです。
なぜなら、こういう時代にこそ、SNS社会が本領を発揮し、味方をしてくれるからです。最近では、SNS上での誹謗中傷やフェイクニュースを含むあらゆる情報が飛び交い、マイナスな面が目立っています。
さらには、身近な人の日常を見て、人によっては生活の違いに悩んだり、嫉妬したりマイナスな感情を生み出す機会も増やしていると思います。
ただ、その反面、しばらく会っていない人とも気軽に連絡が取れ、存在を近くに感じられるというメリットがあると思います。電話帳しかない時代には、3か月連絡を取っていなければ、連絡しづらくなっていましたからね。
しかし現在ではSNSが発展しているので、コロナ禍で人との関わりが激減した、友人との関係が薄くなってしまったと不安になる必要はありません。タイミングが来た時に、たった30分もあれば、しばらく会っていないことがバックアップされます。

―では具体的に、今すぐ始められるSNSの活用方法はありますか?

河上 SNSの活用方法として、1つアドバイスをするのであれば、自分の名前を週に一度、1回くらいはタイムライン上に流すということを習慣づけることです。そうすることで、自分の存在を周囲の人に意識づけられ、何かしら忘れられない存在になれるからです。
特に20~30代の人は、新しい人との出会いが格段に増えるので、せっかく出会った人に忘れられてしまうというのは、人脈作りにおいて本当にもったいないことです。
なので、僕は多くの人にこの方法を推奨しています。
また僕個人としては、Facebookの誕生日機能を上手く活用しています。誕生日にメッセージをもらうことはいつになってもとてもうれしく、しばらく会っていない人とでも良い関係を気づくことができます。
このちょっとした習慣が、今後の時代の上手い生き方の1つとなって、いつの日か自分を変えてくれるきっかけとなるはず。

<本書より>
「ビジネスで大事なことは、まずは自分の存在そのものを知ってもらうことです。一度接点を持った人に忘れられないようにすることです。そのために定期的な情報配信をして、名前のインプットを継続することです。」
(第1章 人生100年時代の働き方で最も大事なこと P.54 「リアル+ネットの時代こそSNS」より引用)

本書には、アフターコロナで想定されるコミュニケーションの変化に則したSNSの活用方法についても記載されている。それらはビジネスの場面だけでなく、日常生活でも役に立つ活用方法である。そのためSNSを苦手としている人にこそ、ぜひ一読してもらいたい。

後編へつづきます。

河上 純二(ビジネスプロデューサー・ラジオDJ)

1971年生まれ。中央大学法学部政治学科卒業後、株式会社丸井に入社。その後、日本ゲートウェーやPCCWなど外資系企業の新規事業プロデューサーなど歴任。サラリーマン生活の傍ら、趣味と人脈作りを目的として、コミュニティ飲食店「ギャラリーカフェバー縁縁」を開業し、約8年間運営を行う。2017年には株式会社JYLINKを創業し、代表取締役に就任。現在ではスタートアップ・ベンチャーを中心に十数社の企業顧問・アドバイザーの傍ら起業家たちをゲストに招くFMラジオ番組「大人のミライ」の、広報担当者のラジオ番組「広報流」のナビゲーターを務めている。

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新製品のレビューや、気になる調査結果を見つけて紹介する駆け出しライター。ライフハックから、旅行、グルメ、動物、アニメ、などなど日々の気になった情報を幅広く更新。