どうもライターの丸野裕行です。
こんな時代、あなたも様々な投資法を試されているのではないでしょうか? ひょっとすると、投資を副業として、本業よりも稼いでおられる方も多いかもしれません。
仮想通貨、FX(外国為替取引)、株式投資、個人向け国債・社債、投資信託、ETF(上場投資信託)、不動産投資、iDeCo(個人型確定拠出年金)、REIT(不動産投資信託)、金などなど、投資のカタチは様々です。
そんな中でも、購入した品物の値段を引き上げて販売する投資法もあります。ヴィンテージROLEXなどの腕時計投資やエルメスのケリーバック投資などもその一例ですね。
では、『ゲゲゲの鬼太郎』のフィギュア投資というのをあなたはご存知でしょうか?
なんと、現在廃盤状態の妖怪舎が製造販売したフィギュアが高騰中とのこと。『ゲゲゲの鬼太郎』で育った筆者としても、そのフィギュアが一体どのようなものなのか気になったので、取材を敢行してみました。
今回も、いつもアンティークロレックス投資記事で登場していただいている神戸製薬株式会社代表の吉田ナリアキラさんに、自身もコレクターでオークションサイトでも高騰中の妖怪舎ゲゲゲフィギュアについて、お話を聞きました。
『ゲゲゲの鬼太郎』と妖怪舎の基礎知識
丸野(以下、丸)「僕も『ゲゲゲの鬼太郎』が小学生の頃から大好きだったんですが、水木しげる先生はどのように鬼太郎を執筆しはじめたのですか?」
<写真:吉田さんの妖怪バイブル ※稀少品>
吉田さん「元々、水木先生は全国的に流行していた街頭紙芝居の貸元・阪神画劇社と紙芝居作家として契約をしていました。そこで、紙芝居のカリスマで社長の鈴木勝丸から、昭和8年頃に人気のあった民話を基にした紙芝居『ハカバキタロー』を題材にして、作品をつくるように依頼を受けました。作者の許可を取って水木先生は4本のオリジナルストーリーをつくり、紙芝居『墓場の鬼太郎』を書き上げたわけです。こうした紙芝居作品が鬼太郎の基になっているわけです」
丸「それが、あのミイラ男と女幽霊の話になったわけですか! 死んだ女幽霊から鬼太郎が生まれてっていう」
吉田さん「そうですね。ミイラ男の目玉が目玉のオヤジになるという」
丸「このフィギュアをつくっている妖怪舎とは、どのような会社なのですか?」
吉田さん「本社は、水木先生の故郷である鳥取県境港市にあります。ここにある商店街に《水木しげるロード》があって、これをキッカケにして、有限会社きさらぎ(現/株式会社)が町おこしの一環としての鬼太郎グッズの製造販売をはじめたわけです。著作権ライセンス契約を結んだ水木先生にも『妖怪舎』を名乗ることを公認してもらえて、全国に向けた販売を開始。その商品の中に、この妖怪舎フィギュアがあるわけなんですね。実は僕の祖父が鳥取県境港出身で、やはりご縁があったのかもしれません」
800円が1万円から6万円にバケる
丸「妖怪舎フィギュアというのは、一体どのようなフィギュアなのでしょうか?」
下駄
吉田さん「全種類で188体以上あるフィギュアで、第1弾、第2弾、第3弾、第4弾とあります。第1弾なんかは、型をハンドメイドでつくっていることもあり、鬼太郎やねずみ男など主要な登場人物以外は数が少ないんですよね。それで、レアな妖怪などが出てくるわけです。ハンドメイド感のある雑な質感がまたいい」
丸「そうなんですね。レアなものではどのような妖怪がいますか?」
<写真:吉田さんが所有する妖怪舎フィギュアの数々>
吉田さん「レアなものでは、吸血鬼エリート、化けちょうちん、追うねこ娘、逃げるねずみ男、一つ目小僧、折りたたみ入道、だるま、ねずみ男・あぐら、鬼太郎の父、豆腐小僧、目々連、ゆめこちゃん、のんのんばあとオレ、烏天狗、天狗、飛行機、危機一髪、将棋、ゲタ、シルクハット、いかだなどがありますね」
丸「ほぉ、そんなに」
<写真:森の宴>
吉田さん「吸血鬼エリートについては小売価格で800円だったものが1万円ほどに高騰しました。5、6万円になったものもあります。クリア素材でつくられたべとべとさん(人間に憑りつき、誰かが後ろをついてきているように“ベタベタ”という音を出して驚かせる妖怪)もレアですね。これも一時期は、3、4万していました。もちろん未開封品ですよ」
丸「知らない妖怪もいるものですね(笑)」
吉田さん「ちなみに幼稚園の頃から『ゲゲゲの鬼太郎』フリークだったので、夏には近所の宝塚ファミリーランド(現在、閉園)で行われる鬼太郎のオバケ屋敷によく出かけてました。そこで、水木しげる先生のサイン会が行われていてサインをいただいたんですが、鬼太郎と目玉オヤジの絵を描いてくださって、かなりレアでした。それは亡くなったときに10万円の価値が付いていましたね」
旭日小綬章受賞を記念フィギュアも高額、非売品はさらに高額
丸「その他には、レアモデルというものはありますか?」
吉田さん「鬼太郎が風呂に浸かっている切株風呂で2万円前後、ドクロ自動車で3万円前後、ハンモックで同じくらいですかね。意外に高値が付いています。モノクロバージョンのフィギュアもあり、森の宴とかごちそうとか、いろいろと価値がありますね」
丸「いい値段してますね」
吉田さん「僕は2体持っているんですが、2003年に水木先生の旭日小綬章受賞を記念して製造されたフィギュア《妖怪達に囲まれた水木しげる先生》というものですね。これもオークションに出すとすぐに入札がはじまります。今現在では、落札価格は5万円前後ですかね。海外でブームに火がつくことを願って、寝かせますが(笑)」
丸「なるほど」
<写真:ブロンズ版>
吉田さん「非売品・おばけのムーラちゃんはもう価格がわかりません。青天井で値上がりしたこともあったようなので……。妖怪舎が108体のフィギュアを販売したときに懸賞金として作った不飽和ポリエステルレジンでできた非売品ですね」
正直、幼いころに親しんだ『ゲゲゲの鬼太郎』に、こんなフィギュアの世界が広がっているなんて思いもよりませんでした。
興味のある方は一度「妖怪舎 ゲゲゲ フィギュア」で検索してみてください。おどろおどろしい妖怪フィギュアの世界に意外とハマってしまうかもしれませんよ。
取材協力:『神戸製薬株式会社』
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