明星チャルメラの初代「復刻版」が数量限定で発売中なので食べ比べてみた!

  by 古川 智規  Tags :  

明星食品のフラッグシップともいうべき即席ラーメンの「チャルメラ」は現在、数量限定で初代の味の「復刻版」を発売している。
写真左が復刻版で、右が現在のパッケージなのだが昭和45年生まれの記者としては左の方がなじみがあるし、むしろ今でもこのパッケージが店頭に並んでいて不自然な気がしない。それほど脳裏に焼き付いたイメージは強いのである。
そこで、この違和感のない復刻版と現在のチャルメラを食べ比べてみた。

チャルメラ しょうゆラーメン

まず初めに現行の「チャルメラ しょうゆラーメン」だ。昔とどう違うのか、あまりにも長年食べ続けてきた味だけに違いが判らない。ごくごく一般的な飽きのこない至極標準的なしょうゆラーメンである。ラーメン屋で食べるときにかけるコショウの効いた味に感じるのは、スープとは別に入っているスパイスのおかげだろう。スープそのものはあっさりしているのにペッパーのようなピリリとした辛みが普段食べる即席ラーメンに深みを与える。

チャルメラ しょうゆラーメン 数量限定 復刻版

さて、今度は復刻版である。見た目には大して変わらない。味も大きな違いはないが、舌が確かに覚えている。懐かしい味だ。何が違うのかといわれると説明しにくいが、昔の即席ラーメンはとにかく肉を強調したものが多かったような気がする。昭和40年代というと高度経済成長期には違いないが、まだまだ肉は値段が高く、給食や食卓に安い鯨肉が普通に出される時代だった。食べ盛りの子供は鯨の竜田揚げや塩鯨でご飯をモリモリと食べ、大人は鯨の刺身で晩酌をするのが当たり前で牛肉や豚肉がないわけではないが、今のように当たり前にいつでもというわけでもなかった。そんな時代の食品にはとにかく肉の味を再現させたものが多く、即席ラーメンにもビーフやポークの抽出物を材料に使い少しでも肉の味わいを家庭に届けようとメーカーが苦心していただろうことが今だからこそわかる。そう、この復刻版は肉の味わいが現行版よりも強調されているように感じた、昔懐かしい時代の即席ラーメンのお手本のような味だった。

食べ比べをしてみたが、どちらが美味しいということではなく、年代や時代背景により味は移り変わるものなので単に好みの問題でしかなく、どちらが好きかという問題だろう。記者は個人的には復刻版の方が懐かしく、上昇志向のある当時の象徴のような気がして好みだった。若い方の目には昔の古臭い食べ物に映るかもしれないが、それでも50年以上前の日本の即席ラーメンは今のものとどう違うのかを当時の世相を年表でも眺めながら食べていただきたい。きっとプチ脳内タイムトラベルができることだろう。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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