シリーズ・細かすぎる刑務所の話:刑が確定し、いよいよ収監!どんな感じ?

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

昨今、様々な刑務所に関する書籍や雑誌などがありますが、とことん詳しいことに関することはちゃんと網羅しているというものは少ないです。刑務所での体験記事というのはほとんどが、受刑者の食事や生活に関することです。受刑経験のある人の体験談なんですね。

そこで今回も《シリーズ・細かすぎる刑務所の話》としては、「拘置が終わって刑が確定することに関する細かな収監状況」について綴っていきたいと考えています。

シリーズ・細かすぎる刑務所の話 記事一覧
第1回 https://getnews.jp/archives/2568172
第2回 https://getnews.jp/archives/2570149
第3回 https://getnews.jp/archives/2592497
第4回 https://getnews.jp/archives/2592520
第5回 https://getnews.jp/archives/2605768
第6回 https://getnews.jp/archives/2625157

収監! いよいよ刑務所へ

5mもの高さの門がある刑務所。見上げると、天空にも届くような高さに感じます。

シャバと刑務所内の生活を画する鉄製の門がゆっくりと開くと、鉄格子が取りつけられた窓が受刑者を出迎えます。

グレーの細かな格子で覆われている護送バスは、地獄の入り口へと吸い込まれ、ここからは一切の自由が許されません。刑が確定した受刑者はここで数年間、不自由な時間を過ごすことになるわけです。

ここで振り分けられるのが、初犯8年以下のA級短期と精神障害を患っているM級の医療刑務所です。

もちろん、長期刑や再犯者はここに収監されることはありません。

ちなみに細かく受刑者を振り分けると、次のようになります。

・初入者で執行刑期が8年未満の刑務所《A級》
・初入者で執行刑期が8年以上の長期刑の者を収容する《LA級》
・再犯者で刑期が8年未満の受刑者を収容している《B級》
・再犯者で刑期が8年以上の受刑者を収容する《LB級》
・既往症などの病気が入院する《P級》
・A級や級、L級の女子を収容する《女子刑務所》
・精神障害者を収容して受刑者が世話をする《M級》
・外国人受刑者を収容する《F級》

厳しすぎる身体検査

入所するときには、受刑者番号が書かれたプレートを持ち、証明写真のような屈辱的な写真を撮影します。
さらに、指紋と掌紋をしっかりと登録します。このときにモタモタしていたり、声が小さいと刑務官の檄がとびます。

この“称呼番号”という受刑者番号に関しては、どんなことをするにも必要になります。

ここにきて、初めて「刑務所に入ってしまったんだな」と受刑者は実感するとか……。

なかなか許可が出ない私物

すべての私物は、ビニールシートに広げられます。様々な約束事があるらしく、下着などを持ち込むことはできません。刑務所で購入したもののみが使用可能です。

ただ、未決囚のときのものに関しては、目こぼしがあるらしく、涼しい素材や厚手素材のものも持ち込めるとのこと。

その他に関しては、生活必需品の筆記用具や便せん、本や眼鏡、タオル、生理用品、電気カミソリのみです。もちろ、必要性のある医療器具に関しては医務のチェックがあります。

舎房に入る第一歩

政治犯や世間を騒がせた有名人など以外は、雑居房があてがられるのですが、まず最初に手始めとして、“調査舎房”に入ることになります。ここで、約2週間、生活態度や問題がないかなどを判断。舎房は、8畳間に6人の受刑者が入ります。もちろん、トイレと流し付き。

比較的ここで過ごした2週間を終えると、単独房に入ることも多いんだとか……。生活に早く慣れるための配慮なのでしょうか?

ちなみになにかのトラブルを起こした場合は、すぐに懲罰房行きです。同室になった受刑者の態度が悪かったとしても、文句を言うべきではないでしょう。刑務所の中は平等。同じく懲罰房に放りこまれます。小競り合いなどでも問題を起こせば、問答無用。正座をしたままの懲罰刑がはじまります。

ちなみにこのときに、刑務作業を申し出れば、ヒマな時間はまぎれます。

ルールがわからず、すぐに懲罰行き

刑務所内のルールは非常に小難しいものです。

「刑務所から借りている書籍などになにかを書きこんではダメ」

「食事を分け与えることも当然禁止」

「水を流したまま歯を磨くと懲罰房行き」

もちろん「私物を貸してあげるのもダメ」です。

一番軽い処分は訓戒になります。口頭での注意というやつものですね。それ以外は閉居罰という懲罰になります。
短くて5日間、最大になると60日間の誰とも会わずに過ごします。さすがにこれに関してキツいという元受刑者もいます。

新入り教育と動作訓練で刑務所生活に馴染む

意外にハードルが高いのが、動作訓練です。

これは、運動時間に行われて、号令や指がきちんと伸びているか、全体での行進など夏場はハンパないくらい汗だくになります。
この動作訓練の厳しさは、各々の刑務所単位で違うらしいのですが、それでも厳しいものだといいます。

最初の数日間はとにかく刑務官の目の仇にされて、とにかく叱りつけられるということです。これは初犯者を更生する意味があるそうなので、いわばありがたいもの。

新入りの教育は、刑務所の基本的心得などの座学、教育用DVDをみせられるそうです。

ほかにも労役に関する担当者からの面接があるといわれてます。仕事の個人目標や配役に関することの参考になることも……。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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