象が踏んでも壊れないメガネって!チタン合金でレンズ込み?作ってみた

  by 古川 智規  Tags :  

外出自粛が長く続いた中で、リモートで仕事をする方も多くなりカメラを通してモニターを見ながら相手とつながる機会が増え、様々な問題、すなわち与える印象やファッション、モニターを注視することによる視力の低下や矯正が合わなくなるといった理由からメガネ店を訪れる人が多くなっているという。
そんな中で、OWNDAYS(オンデーズ)が「象が踏んでも壊れないメガネ」というのを発売したとのことで、確かめるべく取材した。というよりも記者もメガネを作ることにした。
やってきたのは「OWNDAYS 川崎ダイス店」だ。東京都に住んでいる記者だが、同店を選択したのは店舗規模が比較的大きく、撮影条件が良いことと、京急川崎駅の目の前にある川崎ダイズに入りエスカレーターを1つ上がったその場所にあるという交通至便なことからで他意はない。
件の象が踏んでも壊れないという触れ込みのとおり写真をご覧いただければわかるが、確かにフレームはぐちゃぐちゃに曲げても、それこそ左右のレンズを向かい合わせにくっつけても折れもしないし、手を離せば元に戻るいわゆる形状記憶合金でできていることがわかる。その名は「Memory Metal(メモリーメタル)」。

名前の由来がメモリアル(記念)なのかメモリー(記憶)なのか、あるいはその両方なのかは置いておくとして、早速スタッフにフレーム選びからお手伝いしてもらった。
ファッションンセンスがゼロで無関心な記者は、極度の近視でかつ乱視も入っていることから、レンズが相当重くなることが予想される旨を伝えてそれに耐えられ、最近のファッションに見合うフレームをリクエストした。そして決まったのがこのフレーム。
40代以上の方であれば、このフレームを見て「なんだか30-40年前のサラリーマンが付けていたような昭和のデザインだなぁ」と懐かしく思うか、古臭さを感じることだろう。記者もそう思ったが、リバイバルというべきか懐古というべきか、最近は昔主流だったこのようなデザインが流行だという。その言葉を信じてこれに決めることにした。値段は正札の通り10980円。やはりチタン合金製(本品はNT合金というチタンとニッケルから作られた常温以下で元に戻る超弾性合金)のフレームだけあって、別途レンズのことを考えるといい値段がするなという印象だった。

視力の測定に入る。最新の測定器なので1分もかからずに終わってしまった。輪の開いている方を右とか左とか言う必要はない。機械が勝手にピントを合わせてくれて視力を測定する。カメラのオートフォーカスの逆で、見える像が自分の目に合わせて結ばれていく。

そして、実際にレンズを入れて見え方や矯正の具合を確認するおなじみの作業が始まる。これはさすがにある程度の時間がかかる。そこで同社では客とスタッフが対面で長時間話をすることを避けるために、リモートでの作業を実現している。東京の専任スタッフとリモートでつながり、測定機器も東京からのリモートで操作する。物理的にレンズの入れ替えが必要になるときにはリモートスタッフから赤いボタンを押すように指示される。押すと呼び鈴が鳴り、店舗スタッフがやってきて必要なレンズの入れ替え作業等、最小限のことを行いまた東京に返す。まるでテレビの中継放送のような具合である。
ここで遠くや近くの見え具合を確認して、自身でレンズの度数を決めていく。

レンズが決まれば、あとは加工をしてフレームに入るのを待つばかりなのだが、記者の測定結果を見てスタッフも少しおどろいた様子だ。「S」と表記された数値が近視のいわゆる度数である。-10.5や-11.0のような強度の近視はあまり例がないらしく、豊富な在庫をそろえている同店にもないという。取り寄せになるので4日かかるとのことで、フレームだけ先に顔に合わせてもらい出来上がりのメガネは宅配便で届けてもらうことにした。

さて、同店のホームページでは氏名と電話番号により、自身が購入したメガネの詳細や店舗での測定結果を知ることができる。
実は店舗で気になったことを書いておく。それはこれほどの近視矯正に加えて乱視矯正も入っているので、総じてレンズの値段は高く、フレームだけで10980円ということはいったいいくらかかるんだろうと恐れていた。しかもどの場面でもレンズの価格については一切説明してくれなかった。ブルーカットレンズは3000円プラスになるという一点を除いては。その点についてどうしても先に知っておきたかったので広報担当者にそれとなくレンズの値段を聞いてみた。
実はそれもそのはずで、フレームに記載の価格はレンズ込みの価格だったのである。よってレンズの値段はないので説明がなかったのも当たり前である。矯正できるレンズであればどんな度数でもUVカット・防汚コート付き薄型非球面レンズで作るレンズ込みの価格なのだと教えてくれた。一気に安ど感が増す。

オンライン保証書には、各種保証内容とそれぞれの保証期限か書かれているので紙の保証書をなくして右往左往してしまうこともない。
最も特筆すべきなのは「見え方保証」である。購入から1年間に2回まで、見え方に違和感がある場合に無料でレンズ交換に応じるというものである。同社広報担当者によると「いつでも良いのですが、例えば半年後と1年になる前にご来店いただき、見え方の測定をしていただいて仮に見え方が変わっていれば2回まで新しいレンズに交換いたします。測定やメインテナンスでお気軽にご来店いただき、お客様の目に合ったメガネをお使いいただくことが私たちの願いですから、このような手厚い保証をしています」と語ってくれた。

同店の発送予定日だと通知された日の1日前にメガネが到着した。やはり昭和っぽさが感じられる。しかし自分の顔は自分には見えないので記者としては大した問題ではない。きちんと見えればそれでよい。ただ、どうせなら若い方から見て「今風」と思われた方がよいに決まっている。

早速メガネをかけてみた。第一印象は「軽い」「細い」だった。昭和チックかもしれないが、そもそも40年前とは素材も加工技術も根本的に異なる。かつて金属製のフレームでコートがはがれてしまい、直接金属面が肌に触れることによる金属アレルギーを起こしたことがあるが、本品は「イオンプレーティング」という宇宙開発技術をもとにしたメッキを採用しており99%はげないという。
そして、見え方は格段に良くなった。特に気になっていた左の乱視がよく矯正されてPCの文字を見るのにブレがなく楽になった。

リモートワークでのファッション性やPCやスマホによる視力低下を気にしたり、家での時間が長くなり目の疲れでメガネをかけたり外したりしていることにより踏んづけたりメガネの上に座ってしまうことさえあるだろう。そんなあらゆる今の環境にピッタリなメガネを選んでみてはいかがだろうか。バーチャルでメガネをかけた写真を見ることもできるので、とっかえひっかえ店舗をうろつく必要もない。特殊な加工をしたもの以外は、レンズ代はかからないので安心して値札を見て決めていただきたい。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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