政策の違いがよくわからない自民党総裁選

 

 

9月14日、自由民主会館(自民党本部)で自民党総裁選所信発表演説会が開催された。

 

演説会は、立候補者5人のうち石破茂候補、石原伸晃候補、安倍晋三候補はThe自民党といった安全保障・外交・防衛・景気対策といった政治観を披歴した。3候補の景気対策は、おおむね外需の拡大が主眼に置かれている。

 

町村信孝候補は自身が文部大臣を務めていた経験を引き合いに出し「私が週5日制を推進したために、日本の学力が低下した。土曜日の学校半日制を復活させる」と暗に“ゆとり教育”が失敗だったことを認めた。

 

町村候補は独特の教育観をもっている。例えば、大学の9月入学制を歓迎する意見を朝日新聞で披歴した過去がある。

 

9月入学に際して、町村候補は3月に高校を卒業したら大学に入学するまでの空白期間を自衛隊に入隊して訓練を受けるような制度にするという主張をしている。

 

今回立候補した候補者は、全員が原発推進派といっていい。今回の演説会では、町村候補だけが「30年後に原発ゼロと目標ありきでエネルギー政策を決定するのはいかがなものか?」と原発政策に触れ、民主党が掲げる脱原発政策を批判した。

 

町村候補以外の4人も、濃淡こそあれ腹の中では原発推進であるはずだろう。それでも、空気を読んで総裁選で原発について触れることは避けた。ある意味で、町村候補は潔いといえるのかもしれない。

 

9月17日に配信した「今週の小川裕夫Vol91」より抜粋転載

総務省・都道府県市町村・都市計画・地方自治・鉄道などの取材が得意分野。地方に取材に行くフットワークの軽さもウリです 著書 『政治家になっちゃった人たち』 『路面電車で広がる鉄の世界』 『踏切天国』 『封印された鉄道史』 など

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