デビュー直後の松浦勝人(現avex会長)さんの恋愛秘話を描き、16万部のベストセラーとなり2020年春のドラマ化も決定した浜崎あゆみさんの自伝的小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)。
10月11日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ 浜崎あゆみ「M愛すべき人がいて」』(TBS)では同作の執筆を担当したノンフィクション作家の小松成美さんが出演し、制作のいきさつについて語った。
小松さんによると、同作は「浜崎あゆみというシンガーが誕生した軌跡をきちんとファンの方に届けたい」と浜崎あゆみさんサイドからオファーがあり実現。1年間の取材期間中、何度も浜崎さん、松浦さんを取材し、時には2人一緒に取材することもあったという。
番組では中学卒業を機会に上京し、タレント活動をするも伸び悩んでいた浜崎さんが、当時すでに敏腕プロデューサーとして活躍していた松浦さんと東京・六本木にあったディスコ、ヴェルファーレで偶然出会い、交際し、破局に至るまでの2年間のエピソードの数々を紹介した。
浜崎さんが17歳の時、当時の所属事務所に契約解除され、松浦に相談したら「うちにこい」とavex入りが決まったこと。
浜崎さんの抜擢は思いがけずavex内部や関係する業界人からも反発を受けたが松浦さんは「大丈夫だ俺を信じろ。俺がお前を歌手にする。」とかばいつづけたこと。
デビュー直前、想いを隠しきれなくなった浜崎さんがファックスで告白すると、翌日に松浦さんがフェラーリに乗って実家に交際申し込みに来たこと。
人目をはばかりながら青山で同棲生活を送るうち、浜崎さんは松浦さんと家庭を持ちたいと願いはじめたこと。
時を経るごとに二人の絆は深まってゆく。しかし二人で作った“浜崎あゆみ”という虚像が大きくなればなるほど、世間からのプレッシャーは強烈なものに。
松浦さんは浜崎さんから見て「このままでは死んでしまう」と思うほど酒に溺れるようになり、ある日
「あゆ、良く聞くんだ。浜崎あゆみというアーティストにとって今が一番大事な時なんだよ。俺はあゆの歌を一人でも多くのファンに届ける責任がある。」
「歌うんだあゆ。そしてアーティストとして立派に振る舞え。ファンのためにも会社のためにも。あゆを俺だけの彼女にしてしまうなんて今はできない。」
と告げて浜崎さんのもとを去ってしまったという。
番組では破局直後の1999年12月24日に「ミュージックステーション」(テレビ朝日)に出演した浜崎さんが涙をこらえ、嗚咽しながら歌う映像も紹介された。
人気歌手が自らカミングアウトしたことが不思議なほどの生々しくもの悲しいラブストーリー。浜崎さんと松浦さんが交際していたことを知り複雑な思いを抱いたファンも多いと思われるが、小松さんは長い取材で二人の当時の想い知り尽くした立場として
「ファンの方は賛否両論あって、知りたくなかったという方もいると思うんですけど。でもこれ究極、この恋愛がなければあの曲たち生まれてないんですよ。」
と語り、共演者たちの共感を誘っていた。
なお番組司会者の中居正広さんは番組最後に小松さんから「いつか、なにか本にしたいと思うことがありましたら……」とラブコールを送られたが
「歌ってないのにミリオンセラー、みたいな?」
「Mって俺のことかい?」
と笑いに逃げて肩透かししてしまっていた。中居さんがプライベートやSMAPの活動秘話などを公にするのはまだまだ先の事になりそうだ。
※画像は浜崎あゆみオフィシャルサイトから引用しました
https://avex.jp/ayu/