西日本の電力需要が逼迫する一方、東日本は余裕 昨年の節電騒ぎはなんだったのか?

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全国的に猛烈な暑さを記録した昨日(8月17日)、気温とともに上昇したのが電力需要だ。関西電力では8月になって初めて電力使用率が90%を超え、15時過ぎには92%近くまで上昇。そして意外に思われるかもしれないが、関電以上に需要が逼迫したのが北陸電力管内。ピーク時には95%を記録した。また九州電力でも92%を記録。九電では新小倉発電所5号機(LNG火力発電・60万キロワット)にトラブルが発生して運転が停止したため、今夏の電力使用率の見通しは90%から93%へと、さらに厳しくなる見込み。

電力各社では、『電力需給逼迫警報』発令の基準として「供給予備率3%」を示しているが、余力がわずか3%というのは、いつ電力網の末端から停電していってもおかしくない、まさに非常事態。安定的な電力供給のためには、突発的な需要の増加や局地的な猛暑、渇水、発電所の事故のような不測の事態に備えて、10%は確保しておきたいところだ。そういう意味で、西日本ではより一層の節電が求められる。

逆に、電力供給にだいぶ余裕があったのが東日本地域。東京電力管内ではピーク時でも使用率は87%そこそこ、東北・北海道もそれ以下で安定的。昨年の東日本はどこもかしこも節電節電で、繁華街のネオンサインは消えるし、実際に輪番で計画停電まで実施されたのに、これでは「あの節電騒ぎはなんだったのか」と訝る向きが出てくるのも当然だ。

このような、昨年と今年、または東日本と西日本の極端な電力需給状況の違いについて、ネット上では電力供給楽観派・悲観派の双方が激論を交わしている。

・去年の東北は97%までいってたけど何も起きなかったから余裕
・停電の恐れもないのに毎日節電要請のCMを流している。これこそムダ
・原発なんていらなかったんや!
・東電は旧型火力まで動かしたおかげで足りてるけど、その燃料分料金上乗せだろ
・大口需要の企業がお盆休み中に95%はヤバイだろ
・「停電になっていない」と「電力が不足していない」は違う
・クーラー我慢して亡くなってる年寄りがいることを忘れるな

ただ、楽観派にも悲観派にもほぼ共通して言えることは、電力会社に対する不信感が根強いこと。その多くは需給の読みの甘さに起因しているようだ。原発事故から続く日本の電力問題、停電するほどの電力不足は今のところ回避できているものの、収束にはまだまだ時間がかかりそうだ。

画像:関西電力のでんき予報より引用

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