【360度VR動画】海外旅行便利アイテム・クルーズ船編

  by 古川 智規  Tags :  

毎度おなじみの「海外旅行便利アイテム」。今回はそのフィールドを海に移してお送りする。
日本ではクルーズ船というと高くてお金持ちの遊びというイメージがあるが、確かにそのようなクルーズ船も多くある一方で、カジュアルかつ手軽な運賃で楽しむことができるクルーズ船も多く存在する。
今回はゲンティンクルーズラインが運航するシンガポール発着で3泊4日のクルーズ船「ゲンティンドリーム(総トン数150695トン)」に乗船したので、持っていくと便利だと思われるアイテムをいくつか紹介する。

 日本発着ではないのでまずはシンガポールへ飛ばないといけない。羽田空港から空路シンガポールへ全日本空輸の深夜便に搭乗した。
このクルーズ船は荷物を空港で預けるとシンガポールでそのまま船に積み替えてくれるサービスがあるので、いわば航空機と船舶のスルーチェックインということになる。シンガポールでの通関も船会社が行ってくれるので、シンガポールで不要な荷物はすべて羽田で預けてしまう。

出国するとハンドキャリーの少ない手荷物のみなので、この状態でシンガポール観光を半日することになる。
ゲンティンドリームはシンガポールを夕方に出港して2日目にマレーシアのペナン、3日目にタイのプーケットに寄港して4日目にシンガポールに戻る航路である。
では今回紹介するアイテムを先にまとめて360度VR動画でご覧いただこう。収録場所はバルコニーキャビンでマラッカ海峡を航行中である。

■海外旅行便利アイテム・クルーズ船編
https://youtu.be/_68kVjHFBw0

トラベルピロー Pockindo

シンガポールまでは約6時間。国際線としては長距離ではないが深夜便で、到着してすぐに活動を始めないといけないのでよく眠っておきたい。長距離便では時差の関係もあり、なおさら眠っておきたいところだ。

「トラベルピロー Pockindo」はDiscoverウェブサイト内で販売されている空気枕だ。たたむと非常にコンパクトでリュックのサイドポケットに入ってしまうほど。
搭乗便が満席で写真は撮れなかったが、詳細は動画でご覧いただきたい。

広げると多くの気室に分かれていて大きく立体的になる。座席に座った状態で重い頭部を預けることができるのは、首の筋肉を楽にすることができるし安心して眠ることができる。
動画の中でも述べたが、膨張させた状態で部屋に置くと簡易な座椅子にもなりうるし、空気をある程度抜けば通常使用の空気枕にもなるので使いようによっては常時使用できる便利なピローだ。なお、収納袋の中には耳栓が付属しているので適宜使用して快適に機内での睡眠をむさぼっていただきたい。

パテックス うすぴたシップ

ゲンティンドリームは総トン数15万トンを超える巨大船だ。船内にはプール、ウォータースライダー、ジャグジー、フィットネス、バスケットコート、ロッククライミング、ボウリング等々、体を動かすアトラクションはいくらでもある。

全長335メートル、全幅40メートルの本船上部甲板にはジョギングコースまであり、運動するのに十分なアスレチック施設でもある。
運動はしなくても広い船内をキャビンからレストラン、カジノやバー、シアターまで歩くだけで結構な運動量になる。

加えて寄港地観光までこなせば、普段あまり動かない人でも数キロメールは歩くことになる。キャビンに戻れば体のあちこちが疲れで悲鳴を上げ始める。記者の場合は取材目的で乗船したこともあり、乗船初日は6.76キロメートルを歩き3588キロカロリーを消費していたので、ふくらはぎ、背中が痛み出した。翌日以降も航海は続くために寝ている間に何とかしなければならない。
そこで、第一三共ヘルスケアの「パテックス うすぴたシップ」。第3類医薬品でドラッグストアで手に入る。伸縮自在で1ミリメートル以下の超薄型。寝ているときもはがれにくく、メントールの清涼感が気持ちよい。成分であるサリチル酸グリコールは鎮痛薬・抗炎症薬・シクロオキシゲナーゼ阻害薬としての効能があり、速やかに炎症を鎮め痛みを和らげる。これのおかげで、3泊4日の乗船と観光が楽になったばかりか、帰りの航空機搭乗前に腰や背中に貼っておけば満席の狭い機内で動けずにじっとしていることから来る腰の痛みから解放されて快適に帰国することができた。

メディプラスゲルDX

出発地であるシンガポールでは早朝に到着して夕方の出航まで約半日間の観光ができる。大きな荷物はスルーチェックインで本船に運ばれているので、身軽ではあるものの問題はその暑さと日差し。赤道から100キロ少ししか離れていないシンガポールの日差しは強い。シンガポールでなくても東南アジアでは同様のことが言えよう。
日焼け止めを活用するにしても、乗船後に徐々に肌のほてりが出てくることは避けられない。シャワーを浴びスキンケアをするのに、日本から化粧品をあれもこれもそれも持参するのは得策ではない。

そこでメディプラスから発売されている「メディプラスゲルDX」を持参した。写真左のフルサイズボトルは160グラムのために機内ハンドキャリーは不可。海外旅行に持参するのであれば写真中央のミニか右側のハーフが最適ではないだろうか。
ごくごく簡単に説明すると、化粧水、乳液、美容液、クリームがこの1本で済んでしまう優れもの。朝に1プッシュ、夜に2プッシュ洗顔後に使用するだけの簡単さも便利。

使用感は動画をご覧いただきたいが、ひんやりとスーッと伸び、さほどべたつかないので男性でも気持ちよく使用することができる。パートナーと共用してもいいだろう。記者は普段はスキンケアなどしないが、さすがに強烈な日差しにさらされた後には使用してよかったと思った。コラーゲンやヒアルロン酸は当たり前、稀少な美容成分も配合して徹底的にコンディションを整えるのに寄与しているようだ。
荷物は少なくが旅の基本なので、数あるオールインワンタイプの中でも高機能にこだわる女性は選択肢に入れてもいいだろう。

アスリートデオ・QB

ゲンティンドリームは前述の通り、2か所に寄港する。寄港地では7-8時間の停泊時間があるために、寄港地ツアーに参加するなり自分で動くなり自由に下船して観光を楽しむことができる。

タイのプーケットでは巨大船が接舷できる港がないために本船は沖合に錨泊し、テンダーボートと呼ばれる交通船で上陸することになる。本船の横っ腹から桟橋が出現し、普段は上部甲板につるされているテンダーボートが下ろされてこれを使って本船と陸との間を往復する。

半日を観光に費やして、買い物をしたり景色を堪能したりして本船に戻ると汗びっしょりでまずしたいことはシャワーという環境だ。

そこで下船前にやっておきたい準備としてリベルタから販売されているQBまたはアスリートデオを紹介する。
QBはこのシリーズで何度も取り上げている記者が愛用しているデオドラントクリームである。(写真右)
水に強く少々のシャワーくらいでは落ちないので、汗はもちろんのことにおいまで相当な時間シャットアウトしてくれる。バータイプもあるのでわき専用としたい場合はそちらの方が便利であるが、QBは全身に使用できるのでその場合は写真のポットタイプを100均で売っているような小分けできるケースに少量詰め替えて持参するのがいいだろう。
衛生面を重視してヘラが入っているのでそれで取り分けるとよい。

一方、写真左の「アスリートデオ」はウォータータイプで全身使用可能。QBよりも全身をさっぱりさせる方向にベクトルが向いているが、特筆すべきはアスリート仕様であるということ。販売チャネルが主にスポーツ用品店だというのだから、他と一線を画すということがお分かりいただけるだろう。

第一三共胃腸薬プラス細粒

客船の楽しみの一つは食事である。洋上での楽しみは多くあるものの、かつての客船は現在のクルーズ船のようにエンターテインメントもスポーツ施設もなかったので唯一食事だけが楽しみであったようだ。その名残なのか、一般的に船舶の食事は本格的なものが多い。

ゲンティンドリームもご多分に漏れず、運賃に含まれる無料レストランのほかにも有料レストランも多数あり、供食施設だけを並べるとまるでレストラン街である。

それも、無料レストランの掛け持ちも可能でその気になれば、軽食を含めると24時間食べ続けることも可能だ。

それに加え、寄港地観光でも現地の料理やお酒を堪能すれば、おそらく1回あたりの食事量は別としても6-7食は食べることになるだろう。ちなみに写真はプーケットでラム酒の醸造工場を見学した時のもので、そこで作られたラム酒でその場で栽培されたハーブを使用してモヒートを作ってくれる。これ以上に本物のモヒートがあるのかと問いたくなるような逸品で、こういう飲んで食べての旅を続けていると当然のことながら胃が悲鳴を上げる。

それでも(船内で無料の)おいしいものが並べば食べずにはいられないので、胃を速やかにリセットしなければ食べ続けることはできない。
暴飲暴食をお勧めするつもりはないが、本当に調子が悪くなった時には船内の診療所に駆け込み船医の診察を受けるべきである。しかし食べ過ぎで胃がもたれた場合等、速やかに消化させたい時に役に立つ胃薬を紹介しよう。
第一三共ヘルスケアの「第一三共胃腸薬プラス細粒」は第2類医薬品で、こちらもパテックス同様にドラッグストアで求めることができる。
同社に取材したところによると、一般的に胃薬というのは食べすぎや飲みすぎにより胃が弱って胃のもたれや、胸やけが起きた症状を鎮め消化を助ける系統と、胃そのもののダメージによる胃痛を胃酸をコントロールし痛みを抑える系統に分類されるという。
本品は胃のみならず腸までケアする有効成分や生薬が配合されており、旅行期間中は食べすぎによる食欲不振は一時的にあったものの、胃のもたれや胃痛は防ぐことができた。
もっとも、胃薬や胃腸薬には複合的に配合された医薬品もあり必ずしも前述のように二分されるわけではないようだが、あくまでも大別されるとお考えいただくとよいだろう。薬剤師や登録販売者に自身の普段の体調と想定される環境を伝えて相談してから求めるとよいだろう。

スマートトラベラー

海外旅行は楽しいものだが、帰国して厄介なのがたまりにたまった洗濯もの。疲れた体に鞭打って洗濯機を回して干す作業は考えただけでも辛い。ゲンティンドリームのキャビンはホテルと同様なので船内でランドリーサービスはある。航海中は積極的にランドリーサービスを利用して持参する衣類を少なくすることは非常に有効ではあるが、それでも下着やシャツに至っては毎日ランドリーサービスを利用するわけにもいかずどうしても洗濯物がたまってしまう。
そこで「スマートトラベラー」という洗濯代行サービス。なんだ宅配クリーニングかと侮ってはいけない。洗濯物を出すのは空港で洗濯された物を受け取るのは自宅だ。
利用方法はネット上で申し込んで料金を支払うと専用のバッグと申込書兼バウチャーが送られてくる。旅の最終段階で専用バッグに洗濯ものを詰め込んで空港で預ければ数日後に自宅に届けられるという寸法だ。
プロが洗濯物を扱うので安心であるばかりか、出した洗濯物を洗う洗濯機は他の人のものと共用しないのも安心のポイントだ。

船内でパッキングをするときに洗濯ものを専用のバッグに入れてトランクに詰めておけば到着後にそのまま出せるので便利だ。
なお、水洗いのみなのでドライクリーニング等特殊な洗濯方法がが必要なものは不可だ。したがって、下着やシャツ等が対象となるだろう。
また、バッグに入る容量であれば枚数に制限はないので、つまり「詰め放題」なわけだ。旅行期間にもよるが2名分までならLサイズ(50リットル)ではなくMサイズ(32リットル)でも十分だと思われる。

バウチャーに洗濯ものを出す指定場所が書かれているので、そこに出しておしまい。
羽田空港では到着ロビーの右側にカウンターがあった。

概ね3日後に洗濯されたものが箱詰めで宅配されてきた。
個包装はしていないものの、きれいに洗濯されたたまれてクリーニング店で使用されるような大きな袋に入っていた。
洗濯ものを空港で預けて、あとは宅配されるのを待つだけで取りに行く必要すらない。海外旅行で帰ってきてまず「洗濯機を回す」という作業から解放されるのは相当のメリットがあるのではないだろうか。

今回はクルーズ船に乗船する際に便利だと思われるアイテムを紹介した。すべてが必修というわけではないが、読者の旅のスタイルと環境に合わせて良いと思われるものがあれば選択肢に加えていただければ幸いである。

※写真および動画はすべて記者撮影
 撮影協力:ゲンティンクルーズライン・ゲンティンドリーム

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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