5月28日、大阪市中央区の道頓堀ZAZAで『劇団くれおーる』のお披露目記者会見が開催された。
同劇団は大阪でたこ焼き店、お好み焼き店などを展開する株式会社くれおーるが主宰し、ジャパントータルエンターテインメント株式会社がマネジメントを、アートプロジェクト集団『鞦韆舘』が制作を担当するという異例の形態で発足。
オーディションを経て選抜された16歳~28歳、男女12人のメンバーは株式会社くれおーるが運営する飲食店で勤務しながら7月の旗揚げ公演『月浴アンドロイド』に向け猛特訓中ということだ。
株式会社くれおーる加西幸裕さん
「これまでも芸能やイベントのスポンサーになる機会は多かったのですが、その延長として夢を持った若い方たちを直接応援したいということで劇団を作ることになりました。
弊社では“食はエンターテインメントである”ということをテーマにしています。料理することや接客することは、歌やお芝居をするようにステージに立つのと同じこと。今回の企画にはそんな気概を持った方たちをスタッフとして採用したいという狙いもあります。」筆者
「関西では商業的に苦戦する劇団が多いようですが、劇団くれおーるには既存の劇団と一線を画するようなビジョンがあるのでしょうか?」佐藤香聲(かしょう)さん
「手前味噌かもしれませんが私が手がけた劇団で赤字を出したことはありません。非常にマニアックなことを、そういうことが好きな層に届くように発信すれば数百人規模の劇場であれば十分にやっていけるのではと考えています。今回の立ち上げ公演についてもSNSを活用しコスプレ、ポップカルチャーが好きな層に効果的に呼び掛けていきたいと思っています。」筆者
「ここ10年くらいの状況を見ますと企業がエンターテインメントのスポンサーをする場合、女性アイドルグループを作ることが多かったと思います。ジャパントータルエンターテインメントさんでは音楽部門もお持ちですが、今回劇団を作ることになったのはなにか特別な理由があったのでしょうか?」ジャパントータルエンターテインメント株式会社谷田和幸さん
「近年、アイドルグループの方が舞台に出演することも多くなっていますので、そういう状況を加西社長や関係者と相談して劇団を作ることになりました。舞台は音楽やダンス、さまざまな要素を盛り込める総合エンターテインメントだと考えています。」筆者
「劇団くれおーるに参加したきっかけを教えてください。」松尾璃空(りく)さん
「学生時代は運動部でこういったことには関わりの無い生活をしていたんですが、友人が出演した佐藤先生の舞台を観て自分もその道に進みたいと思うようになりました。その後、佐藤先生から劇団くれおーるのお話を聞きオーディションを受けました。」筆者
「目標にしている人はいますか?」松尾さん
「大竹しのぶさんや美輪明宏さんのように自分にしかできない、観客を引き込むような演技をする人にあこがれます。声優で女優の磯部花凜さんのことも尊敬しています。」
劇団くれおーるはレッスンやリハーサルにかかる費用は全額無料。
公演に際したチケットノルマも無く、小劇場で活動する劇団としては比較的に恵まれた環境にあると言えるだろう。
また、劇団員にとって練習、公演と収入を得るアルバイトを両立させることはたいへんな困難がともなうものだが、その点でも理解のある職場が保障されているというのは有難いことこの上ない。
志を持った若者たちがそれぞれの夢に向かって思い切り羽ばたいてほしいと願うばかりだ。
劇団くれおーる旗揚げ公演『月浴アンドロイド』
【日時】
7月23日
・16時開場 16時30分開演
・19時開場 19時30分開演7月30日
・16時開場 16時30分開演
・19時開場 19時30分開演【チケット】
前売3,000円、当日3,500円購入は劇団公式サイト(https://www.theatre-creoru.com/)およびくれおーる各店にて(https://creo-ru.com/)