最近、SMAPが出演するSoftBankのCMでよく目にするようになった『プラチナバンド』という言葉。
『プラチナバンド』って何だか名前からして凄そうだし、きっと電波も繋がるようになるんだ!と思っている人も多いのではないでしょうか。
今回はこの『プラチナバンド』について取り上げたいと思います。
プラチナバンドとは
簡単に言うと、周波数帯のうち700~800MHz帯のことを『プラチナバンド』と呼びます。
docomoとauが800MHzの周波数帯を使用している一方で、SoftBankは2.1GHzの周波数帯を使用しています。
つまり、docomoとauは既に『プラチナバンド』の周波数帯を使用しているということですね。
あんなに仰々しくCMをしているSoftBankですが、要は今回やっとdocomo、auと同じ舞台に立てた、ということです。
docomoとauが使用している800MHzの周波数帯は空気中の水分などによる減衰が少なく、コンクリート壁を透過しやすく障害物を迂回する性質が高い特徴を持っています。
一方、現在のSoftBankが使用している2.1GHzの周波数帯というのは障害物の影響を受けやすく、遠くまで飛ばない性質を持ったものです。
そのため、SoftBankが通信状況を改善するには、他のキャリアよりも多くの基地局を設置することが必要なのです。
しかし、各社の設備投資実績を見ると、2007~11年度の5年間の投資額では、docomoが3兆5781億円、auが2兆4751億円。
これに対し、SoftBankは1兆6961億円にとどまっており、各社に比べて品質の悪い周波数帯であるにもかかわらず、それを改善するための設備投資も抑えているという状況でした。
プラチナバンドの今後
長期的に見れば、この電波状況の格差は今後無くなってくることが予想されます。
2011年7月に停波したアナログテレビ放送用の周波数帯の一部を携帯電話用として再割当てを行う、という総務省の話にSoftBankは自分たちが割り当てられることを確信していたのか、割り当てが決定する前から900MHz帯の基地局機器を発注していました。
この基地局機器への事前の投資はSoftBankが900MHzを確実に手に入れるため戦略だったのか、電波監理審議会がdocomo、au、SoftBank、イーアクセスの4事業者の申請を検討した結果、SoftBankに900MHzを割り当てることを決定しました。(この件に関しては当時、総務省は電波オークションをするべきだ、という経済学者の意見も多々ありましたね。)
この900MHzがいわゆる今回話題になっているSoftBankの『プラチナバンド』であり、SoftBankはようやくdocomoとauに並んだ品質の周波数帯を使用することができるようになったのです。
留意するべき点は、SoftBankが使用する『プラチナバンド』というのは他のキャリアの周波数帯に比べて何ら特別なものではない、ということです。
スマートフォンの普及によってdocomoやauの周波数帯が逼迫していくことが予想されますが、長期的に見ればそれほど心配することではありません。
何故ならば、docomo、au、イー・アクセスの3事業者は2012年6月27日に700MHz帯の周波数を割り当てられたからです。
この700MHz帯の周波数は『もう一つのプラチナバンド』と呼ばれる周波数帯です。
この周波数帯を使用したサービスは2015年から開始が予定されているため、スマートフォンの普及による周波数の逼迫でdocomoやauの通信状態が悪化の一途をたどっていくという状況は無くなるといっていいでしょう。
iPhone5はauで契約しよう
iPhone5を購入しようと思っているけど、契約はauとSoftBankのどちらにしようかと迷っている人は多いと思います。
iPhone5を満足のいくように使いたいのであれば、現在の設備投資状況を考えるとauで契約するのが良いでしょう。
自転車や犬のぬいぐるみが貰えたり貰えなかったりといった独自サービスや価格の差もありますが、ちゃんと繋がる電波に比べたら微々たるものです。
『プラチナバンド』を獲得したSoftBankがこれから設備投資をどんどん増やしていき、通信状態が改善されるようであれば、SoftBankへの乗り換えを考えてもいいのではないでしょうか。