中小企業が人工知能を活用する方法

  by 早瀧正治  Tags :  

人工知能は、ディープラーニング、マシンインテリジェンス、機械学習の3つから成り立っています。この中でも、もっとも一般的で、もっともビジネスでの活用が期待されているのが、機械学習です。

機械学習とは、データを機械にインプットしたら、機械が自分でデータのパターンなどを導き出すテクノロジーです。データが増えるほど、機械はより賢くなります。

近年、機械学習はより重要になっています。利用可能なデータの複雑化と大規模のためです。
メディアや人々が「人工知能」の話をするとき、たいていは「超巨大企業による活用」を指しています。田舎の町工場や、中小企業を想定した記事や会話はほとんど見かけません。

しかし、これは大きな間違いです。人工知能アルゴリズムの発展、訓練済みの機械学習モデルの商品化、そしてオープンソースにより、人工知能は中小企業も手が届く存在になりました。

プロセスオートメーションで業務を効率化する

プロセスオートメーションとは、テクノロジーを活用して、業務の一部を自動化し、業務の効率や正確性を改善する試みのことです。もっとも一般的なものが「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」です。
RPAとは、ソフトウェアや「ロボット」が、従業員がパソコンを使う仕事を記録し、それを学び、従業員の代わりにそれを実行するものです。
WorkFusionのRFA Expressは、無料のエンタープライズ・グレード・ソフトウェアです。RPA Recorderという機能で、ワークフローを記録(例、SAPの顧客データから、エクセルへの転記作業や、メールに添付された注文書をもとにMS Wordで見積書を作成するなど)が可能です。また、WorkSpaceという機能で、人間とボットの切り替えが可能になり、機械に人間のような判断力を持たせることが出来ます。

より上級のRPAは、SPA、スマート・プロセス・オートメーションと呼ばれています。SPAは、より複雑なプロセスを処理し、例外の管理などもできます。また、複数のボットを同時に走らせ、複数の従業員の代わりに働き、複数のデータソース、アプリケーション、ファイルから出力したデータの処理や監査などができます。

RPAやSPAを導入すれば、従業員を単純作業から解放し、より付加価値が高く、創造的な仕事に従業員を割り当てられます。また、コストダウンだけでなく、精度の向上も期待できます。

顧客のことがもっとわかる

SaaS(Software as a Service:サービスとしてのソフトウエア)製品の普及により、中小企業も機械学習に活用できる大規模データが増えています。例えば、Google Analyticsなどの無料ウェブ解析ツールは、自社のウェブサイトに訪問した人の、滞在時間、検索キーワード、開いたページの数など、さまざまデータを利用できます。ソーシャルメディアでも、同様のデータが利用できます。

人工知能以前は、これらのデータを活用することが困難でした。データの解析と活用ができる人材が不足しているためです。しかし、人工知能により、より大規模なデータの解析と活用が可能になりました。

このような、人工知能によるデータの解析は、マーケティングの改善、製品の改善、またはサギの防止など、あらゆるビジネスシーンで活用できます。

リモートワークで海外企業と働きながら、ヨーロッパの田舎町でスローライフを送っています。

Twitter: @mhayataki