
6月の日本は梅雨真っ盛りではありますが6月に結婚式を挙げることは一定の人気を保っています。
先日、大学時代の友人が結婚式を行うということで招待して頂いたので参列し盛大にお祝いしてきました。
参列者の中には新郎新婦の会社の上司、同僚の方々がいらっしゃりそれぞれの関係に従ってテーブルが意味付けされ配席されていました。僕の友人(新郎)は日本を代表する大企業に勤めています。そして新婦も国内の有名な銀行に勤められているそうです。
友人関係のテーブルに座っていた私。
新郎新婦の上司、同僚の方々の振る舞いを傍から見ていると、仕事、そしてそこから派生したプライベートを長年共にしてきたからこそ生まれたであろう家族関係にも似た結束力のようなものがあるように感じられました。会社の人とそこまで仲良くできるなんてよほど良い会社なんだろうな、そしてずっとこれからもあの人たちは同じ会社に勤めていくんだろうなと思いながら頭の中では全く別の事を考えていました。
「もう自分は会社の同僚とあんな感じで接する機会はないんだろうな」 と。
僕は転職を経験しています。その時点でこの機会は二度と来ない状況になっていた事に気づいたのです。もっと言うと”新卒入社した会社から転職”した時点で機会を永遠に失ってしまいました。そう考えると何とも表現し難い寂しさを感じたのも事実です。
同じ会社の社員でも入社の仕方(新卒か中途か)によって会社に対して求めるものは180度違ってきます。新卒であれば白紙状態で入社した同期がいて、生え抜き社員として愛社精神が芽生え、次第に会社の人とうまくやっていくように立ち回るようになります。中途だと自分のスキルを売りに、そして今後キャリアアップすることを考えて入社するので会社の人との関係というのはあまり重要視せず、自身の成長を第一に考えるようになります。おそらく結婚式に参列されていた新郎新婦の上司、同僚の方々は前者の方たちでしょう。スピーチなどからもそのように読み取れました。
ほとんどの人にとって新卒入社というのは一生に一度しかありません。確かに新卒入社でしか経験できないようなこともたくさんあります。会社に対して愛社精神が生まれるのもそうですし、仕事ができなくても許されるのは新卒で入社した時くらいのものでしょう。
つまり“新卒入社特典”と呼べるようなものが存在すると僕は考えています。第二新卒という言葉もありますし”新卒”には特別な意味があるように思えます。
転職することが当たり前と言われている最近ですが、定年まで一度も転職をしない人も一定数存在します。もちろん会社が大好きな方もいるでしょうし、転職したくても勇気がない、条件が良いところが見つからないなど様々な理由があると思うのですが、意外と“新卒入社特典”を失うのが怖い人が多いのではないかと私は考えています。
すでに私はこの特典を受ける権利を失ってしまっておりもう二度と手に入れることはできません。失った寂しさを乗り越えて前に進むしかないのです。でもほんの少しだけ、「特典を知っている状態で新卒に戻りたいなあ」と思っていたりします。
今、ちょうど新卒入社社員が配属されている時期だと思いますが、“新卒入社特典”について教えてあげるのも先輩の優しさなのかも知れませんね。
画像: from 写真素材 足成
http://www.ashinari.com/2012/04/01-360072.php