日本は投資後進国!?株に対する簡単な知識を身に付けよう!

  by ななめ45度  Tags :  

株取引をしているというと、多くの人が怪訝な顔をします。
日本では株取引がギャンブルの様な扱いを受けており、失敗すると借金まみれになるというイメージがありますが、それは誤解です。
株取引をギャンブルと勘違いして手を出すからギャンブルの様に損をするのであって、株取引はあくまでも”投資”ということを忘れなければ”資産運用”になります。

日本は投資後進国

日本の株投資人口は他の国に比べて非常に少ないです。
日本銀行が発表している『資金循環の日米欧比較(2016年第3四半期)』を見てみましょう。

株取引人口は日本の8.6%に対して、アメリカでは35.4%ユーロ圏でも16.3%です。
更に投資信託や債務証券などを含めると圧倒的な差があります。
日本は他の先進国に比べて、投資後進国と言えるでしょう。
何故日本ではこんなにも投資をする人が少ないのか。
それはバブル崩壊やライブドアショックの様な、ある日突然株価が下落する事件を何度も目の当たりにしているからです。
株取引で失敗すると人生が終わる。そんなイメージが強いですよね。
日本が投資後進国な理由はここにあると思います。
株取引はちゃんとした知識があればリスクを最小限に抑えることができるものです。
イメージではなく知識による選択をすることで、初めて日本は投資先進国になることができます。
投資について簡単な知識を身に付けましょう。

株取引で借金が発生する理由

株には現物取引と信用取引と言われる2つの取引方法があります。
現物取引とはあなたが100万円の資産を持っている時に、100万円のみを使って取引する方法です。
信用取引とはあなたが100万円の資産を持っている時に、100万円以上の資金を証券会社から借りて取引する方法です。
要するに、現物取引というのは自分の資産のみで行われる取引で、信用取引というのは借金をしてする取引ということになります。
株の価値というものは、会社が倒産したとしてもマイナスの価値になることはありません。0円になるだけです。
なので、あなたが100万円の資産で1万円の株を100株買った場合(現物取引)、1万円の株価が0円になったとしてもあなたの資産は残り0円になるだけで借金が発生することはありません。
しかし、あなたが100万円の資産で証券会社から200万円を借りて[※実際には100万円を担保に300万円借ります]300万円の取引した場合(信用取引)、株価が0円になるとあなたの手元には借りた分の金額である200万円が借金として残ります。
これが、株取引で借金が発生する理由です。
現物取引のみを行えば、株取引で借金を抱えることはありえません。

デイトレードと中・長期投資

株取引には短期投資、中期投資、長期投資があります。
短期投資は1日で売買を行う。長くても1ヶ月ほどです。
中期投資は1ヶ月から1年ほど、長期投資は1年以上の取引だと思ってください。
明確な区切りはないので目安です。
それぞれメリットとデメリットがあるため、簡単に説明します。

短期投資

よくデイトレードと呼ばれているのが、この短期投資です。
短期投資では株価の動きが激しい銘柄を選んで、1日で利益をあげることができます。その分損失が出る可能性も高いので、相場の動きに敏感になることが必要です。

中期投資

これから株価が上がりそうな銘柄、配当金や株主優待のある銘柄を買います。
配当金は大体1~5%で年に1回か2回です。
定期預金の金利が0.01~0.2%なので、銀行に預けるよりもお得になりますね。
ただ、株価が下がると普通に損します。

長期投資

成長するであろう企業、自分の応援している企業の銘柄を買います。
中期投資と同じで、配当金や株主優待がもらえます。
株価が下がっても売らないで、上がるまで待っているということが可能です。
例えば、買ってから1年後に株価が下がっていたとしても5年後に上がっていれば問題ありません。
その間資金が凍結されることになるので、余剰金を使って投資しましょう。

リスクは分散させる

株に限らず、投資においてリスクを分散させることは重要なことになっています。
ライブドアショックで人生が破滅した人のほとんどは、ライブドアの株に信用全力2階建てしていました。
信用全力2階建てというのは、現物取引で100万円分の株を買って(1階)、それを担保に300万借りて300万円分の株を買う(2階)ということです。
つまり、合計400万円分の株を買うことになります。
仮に1万円の株を信用全力2階建てで400株買っていたとしたら、株価が1000円下がるだけで40万の損失です。つまり、株価が1割下がるだけで資産の4割を失うことになります。
大きい不祥事が起きた際などには、1000円下がるでは済まないです。
そして、不祥事を予測することはできません。出来るならあなたは警察になった方がいいです。
こうしたリスク(不祥事などで株価が下がること)は全ての企業が抱えています。
大企業だから安心というわけではありません。大手食品メーカーでも異物混入などで株価は下がります。
なので、リスクを分散させるために資産を分散させましょう。
100万円を担保に300万円を使ってA社の株・B社の株・C社の株をそれぞれ100万円分ずつ買います。
そうすることでB社の株価が1000円下落しても10万円の損なので、資産の1割しか失いません。
もちろん、その分B社の株価が上がった時に得られる利益は減りますが、投資する銘柄を分散させることで不祥事などが発覚したときにも損失を最小限に抑えることができます。
また、分散させる銘柄は同じ業種ではないということも重要です。
例えば、IPS細胞が発表されたときのように新技術が出てきたときには医療関係など、その分野の会社の株価が全体的に上がります。
しかし、STAP細胞の様な不祥事が起きた際には業界全体の株価が下がります。
A社はIT、B社は金融、C社は医療という風に業種も分散させておくことで更にリスクを下げることができます。
投資では損失を最小限に抑えるためにリスクを分散させておくことが非常に重要です。

ちなみに、ライブドアのときには『信用全力3階建て』をしていた人もいます。
資産100万円の人が金融機関から300万円を借りて(1階)、現物取引で400万円分の株を買い(2階)、信用取引で1200万円分の株を買う(3階)。
ライブドアの株価は最大で600円から70円まで下がりました(下落率は85%なので1360万円の損失)。
こんなことをしていて破滅しないわけがないです。
ギャンブル好きの人でもこんなことは普通しません。

日本が投資先進国になると何が変わる?

株に投資する人の数が増えれば株式市場に流れる金額が増えるので、当然株式市場の規模は大きくなります。
市場の規模が大きくなるということは相対的に全体の株価が上がるということです。
株価が上がるとどうなるんでしょうか?
これはアベノミクスの成長戦略の一環とされていますが、なかなか効果を実感しにくいですよね。
株価が上がると、企業は融資を受けやすくなるので新しい事業に取り組むことができます。
新しい事業に手を出すと従業員が足りなくなるので、雇用が増えます。
新しい事業によって収益が増えるので、給料が上がります。
理論上はこういう図式です。
投資先進国になるためには株取引をするにしろしないにしろ、選択肢の一つとして持つことが必要になります。
日本では株取引はギャンブルと捉えられてしまうこともありますが、しっかりとしたリスクヘッジをすれば有効な資産運用です。
今回は簡単な知識だけでしたが、覚えておいて損はありません。
現在はネット証券やNISAなどで株取引を始めやすい環境にあるので、興味があれば調べてみてはいかがでしょうか?

(写真は上から写真AC、資金循環の日米欧比較(2016年第3四半期)、写真AC、自分、写真ACより)

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