【インタビュー】所有ゲームソフト2万本!”ファミコン芸人フジタ”に色々訊いてみました

1983年、任天堂から発売されたファミリーコンピュータ、通称ファミコン
1980年代に少年時代を過ごした人なら一度は遊んだことがあるでしょう。

筆者もスーパーマリオやエキサイトバイクをはじめ、数々の名作ゲームからバカゲー、クソゲーを夢中になってやりこんだ小学生時代を送っていました。

世界中で遊ばれ親しまれ、日本の文化遺産といっても過言ではないファミコンをネタにテレビやインターネット放送で活躍する“ファミコン芸人フジタ”さん。自宅に所有するゲームソフトはなんと2万本以上!

玄関のほうから段ボールが山積みになってるのがみえます。

フジタさんの自室。座るところがないってくらいにゲームにあふれています!

そんな「ゲームオタク」という言葉さえなまぬるい生粋のゲーム芸人、フジタさんにお話を伺ってみました!

“ファミコン芸人フジタ”インタビュー

・ファミコン芸人としてデビューするに至ったいきさつは?

ファミコン芸人フジタ 「元々、レトロゲームが好きなので、好き同士で組んだコンビ、クソゲーコンプレックスと言うコンビで活動していました。
お互いゲームは好きで、漫才の内容もレトロゲームをテーマにしていたのですが、若いお客さんばかりだと、例えば、たけしの挑戦状の話をしても、それが本当か嘘か分かってもらえてないので、とにかく伝わらないうけないの連続で、仲も悪くなり、元々クソゲーの定義や趣味や方向性も合わず、解散に至りました。
解散後、ピンでフリップ芸で迷走していた頃、ゲーム番組で玉袋筋太郎さんと会い、自分の一番好きな事をネタにしろと言われ、ゲーム以外、ずば抜けて好きな事はない僕には、この言葉で決意が固まりました。

と言っても、漫才では、伝わりもせずすべりまくっていたものを、どのようにネタにするのか、色々考え、まずは一人でゲーム漫談、コンビの時と同じようにすべり、次は、ゲームの本体やカセットの実機を出して漫談にしました。
そうすると、そこそこうけるようになりました。
そんな中、フジテレビのPにネタを見てもらったところ、ネタ中に電源入れてプレイしちゃったらもっとおもしろいんじゃないかと、アドバイスをうけました。

この頃が、2007年頃で、液晶テレビもありましたが、けっこうな重量がある頃で、スーツケースに20インチほどのテレビを持って移動し、実機をプレイしてしまうと言うネタが出来上がりました。
最初にやったのは、カラテカとかスペランカーとか、即死系のベタなゲームでしたが、死ぬほどうけました。
これが2008年頃で、広い会場だと、奥の人が見えないと言う壁にぶつかり、プロジェクターを使用するようになりました。
なお、R1ぐらんぷりのように、機材のセッティングがしっかりできず、明暗転換もできない舞台では、40インチのテレビを使っています」

――クソゲーの定義の不一致で解散……デビュー後は世代間の壁もあって若い世代には受けない等、紆余曲折していたようです。世代に左右されず笑いをとるとなると、やはり即死系ゲームがウケるのでしょうか。

・初めて買ったファミコンソフトとその感想は?

フジタ 「ファミコンは発売日には買ってなく、隣のお兄さんの家でやったり、デパートのゲームコーナーでやったりして、僕が最初に買ったのは、ドンキーコングです。
ゲーセンでも、ゲームウォッチでも、ドンキーコング系統は漏れなく死ぬほどやっています。
当時は、筐体を買う人が出たと言われるほど、ドンキーコングは人気でした。
ファミコンのドンキーコングも、アタリのと比べれば、2面はカットされていますが、ゲーセンそのままと言っても過言ではなかったです。
当時のゲームは、少しやればクソゲーかどうか分かるのが多く、友達が持っていないのを買うのが常でしたので、友達の家でもやったゲームを買いたくなると言うのは、相当魅力的でおもしろかったです」

――当時の小学生にファミコン本体はけっこうな値段のする高値の花でした。本体とソフトを持っている友達の家で遊んでいた人も多かったでしょう。ドンキーコングはマリオと並ぶファミコンの顔でした。

・長時間プレイしたソフトは?それらをやりこんだ理由は?

フジタ 「僕は、やはり、アクションやシューティングゲームが死ぬほど得意なので、RPGはあまりやってなかったですが、ドラクエは1〜6まで、FFは、1〜5までやっておりました。ずばり、一番やったゲームは、ファミコンドラクエ4!

全体的に、理不尽なゲームが多い中、少し引っかかる所はあってもサクサク進み、シナリオもおもしろかったからではないでしょうか。
ドラクエ3も夜中から並んで、通しでクリアまでやりましたが、先にも後にも、徹夜しても続きが楽しみで寝れなかったのは、このゲーム位です。

小六の時の春休み発売で、まず、小学生ながら夜中から並び、生まれも育ちもシティボーイの僕は、ドラクエ狩りに気を付け帰宅し、寝る時間も惜しんでやりました。
そして、ドラクエ4発売当時は、24時間裏技受付電話があり、子供が夜中に電話しても、受ける側も何の違和感もなく、受け付けてくれました。

RPGは、どうやっても長いのはありますが、それ以外では、最も僕がプレイし、ミニファミコンのサンソフトチョイスにも影響したと言われている、アトランチスの謎でしょうか。
このゲームは、得意でしたが、それにしてもテレビの一発勝負でスーパープレイをやる事が多く、死ぬほどやりました」

――ドラクエは発売後ゲーム店に長蛇の列ができるほどの社会現象を巻き起こしました。手に入れられない人が持っている人のソフトを奪う『ドラクエ狩り』なんて事件が社会問題に。ゲーム序盤に鳥の糞で即死しちゃう「アトランチスの謎」も今となってはいい思い出です。

・印象深かった、心に残る場面のあったファミコンソフトは?

フジタ 「シューティングやアクション等、色々な面構成で楽しめた、初代ドラえもんのエンディング、それとギガゾンビの逆襲の方の、開始直後のバッドエンディング。
燃えるお兄さんのオープニングで、運次第でゲームオーバーになるシーン。
悪魔城伝説のエンディングでの、サイファが女だった事実。

意外なところだと、僕は戦国物はほとんどやらないのですが、不如帰と言うゲームは、死ぬほどやり(PSPでも復刻しているので、人気はそれなりに。)兵も城も超固く、超かっこいいビジュアルの上杉謙信を倒した時。
その他、たけしの挑戦状のエンディングとか、クソゲー系のが印象深いかも」


――さすがファミコン芸人、マイナーなゲームも印象深く覚えてます!こんなゲームにマジになっちゃってどうすんの!?(たけ挑エンディング)

この中にドラえもんや燃えるお兄さん、悪魔上伝説などのソフトが。あなたは見つけられますか?

・俗にいうクソゲーとよばれるソフトのほうが逆に思い返して楽しかったりしますが、フジタさんにもそういった思いはありますか?

フジタ 「一般的にクソゲーと言われている、いっきやスペランカーはつまらないと言う意味のクソゲーではなく、即死ゲー、バカゲーの部類ですよね。これをごっちゃにはしないで欲しい。良い意味でクソゲーと言う単語を使う事は、僕みたいなプロでもあります。
いっきなんて、当時2人同時プレイ自体が少なく、何回もできる超おもしろいゲームでした。
楽しめる要素は、どんなクソゲーと言われているゲームにもあると思いますが、ミシシッピー殺人事件だけは、叩き付けても気が済まないほどでした。
こんなゲームでも、クソ要素を解説すると、若者を笑わせる事ができる事を考えると、約30年を経て、使用価値が出ましたね」

――悔しかった過去も、大人になって振り返ったら懐かしい思い出って、皆さんにもありますよね。ミシシッピー殺人事件というゲームは殺人事件が起きる前にトラップでゲームオーバーになるという理不尽さでした。

・ファミコンからスーファミ、プレステと進化していくゲーム業界ですが、最新のソフトも遊んでますか?

フジタ 「WiiUや3DSのマリオメーカー、PS4のウイイレなど、新機種もほぼ持っていてやっていますが、Wiiも3DSもバーチャルコンソールがメインで、クラシックゲームがメインです。PS4のアーケードアーカイブスは、クラシックゲームでありながら、今まで一度も家庭用ゲーム機に移植されなかったアーケードゲームが移植されておすすめです。

それと、バーチャルボーイでこの手の大掛かりなゲーム機は、限界を感じていましたが、バイオハザード7を、PS4のVRでやった時、久々にゲームに感動しました。
VRでのバイオハザードも良かったのですが、他にもキッチン等のホラー系、マリオ系のゲーム等、すごい可能性を感じました。
ファミコンのパックスパワーグローブでも、この手の操作は限界を感じましたが、Wiiで打破されていますし、時代は変わりますね。
ただVR終了後、他の人に代わる時、密閉されているのでよほど汗が出ない人でない限り、汗がべったり付くのは気になります」

――フジタさんはハードが進化してもソフトはクラシックなところにこだわりを感じます。これからはVRで体感するゲームが増えるのでしょうか?汗には気を付けましょう、要ファブリーズ!

・ファミコン雑誌も当時たくさん発売されてましたが、購読していた雑誌はありますか?

フジタ ベタにファミ通、ファミマガ、マニアックなところでゲームボーイ
ファミ通やジャンプには、ハガキを投稿していて、特にファミ通の町内会やゲーム帝国は掲載率も高く、1号に何個も載ったので、町内会の単行本には、本名で出ています、確認してみて下さい。
ファミ通の他のページは、新作のチェック位で、レビューとかは個人的には好きではありませんでした。
ファミマガは、今では考えられないウソテクとかおもしろかったですね。
ゲームボーイと言うのは、2種類あって、僕が買っていたのは、全国のゲームの買取広告がある斬新な雑誌でした。
当時ゲーム屋になりたいと思っていて、(今もミュージアムに併設してショップもやりたいと思っていますが)ゲーム屋に通い、色々な話を聞いたり10代後半にはゲームショップで働き、その後古物商の免許も取り、あとはミュージアムを作る資金だけの状態です。どなたか投資して下さい!


――ガバスでよければ投資してあげたいです!筆者もファミ通町内会の「私の報告書」に『チンP』というペンネームで投稿したら本名晒されました。ゲームボーイ (ゲーム雑誌)はウィキペディアによれば「ゲーム雑誌界のポル・ポト派」だそうです。

・今後やっていきたいこと、世間に伝えたいことなどありましたらどうぞ

フジタ 「ゲームのコレクション、ゲームネタ等、基礎はできたので、一番はミュージアムです。展示スペース、イベントスペース、ショップスペースを併設したくて、新横浜のラーメン博物館的なので、場所は秋葉原や少し下っても中野が良いですね。

あと、お笑いとしてのゲームのネタって、基本的には、今まであるものからのネタなので、限界があるだろうと言われますが、お笑いの舞台でゲームを使う者の限界を超えた、R1の舞台で決勝に行きたいです。(10年位ゲームで出ていますが。)

――ありがとうございました!すべての芸人の夢、R1決勝!フジタさんなら優勝だってできます!

そんなわけで本日もフジタさんはゲーム三昧の日常を送っているでしょう。

 ファミコン芸人フジタより、告知 

ゲームソフトが20000本以上ある自宅ロケ、お笑いの舞台でのゲームネタ、ゲームイベントでのスーパープレイやゲームネタ、メーカーさんのゲームのおもしろさを表現した紹介、イベントでのゲーム解説等々、ゲームに関する事でしたら、何でもできますのでぜひ!

自宅やスーパープレイ等、参考動画
http://t.co/s7CuFJyVEX
[リンク]


テクモ「マイティボンジャック」プレイ動画

ゲーム本の監修や、ファミコンカセットは全タイトル所有していますので、素材貸し出し、自宅の取材、レビュー等々もできます。

懐かしファミコンパーフェクトガイド
[amazonへリンク]

懐かしスーパーファミコンパーフェクトガイド
[amazonへリンク]

ファミコンクソゲー番付
[amzonへリンク]

また、衣装として着用しているフジタTシャツ他、グッズ販売は、ライブ会場や通販もやっています。

全ての連絡先は、下記まで。
[email protected]

というわけで、フジタさんにファミコン、レトロゲームについて熱く語っていただきました。フジタさんのゲームネタはファミコン世代の方には懐かしく、若い世代の方には新鮮に感じるでしょう。
これからの彼に目が離せません!

(画像提供 フジタ)

糖尿病など厄介な病気を抱える新米WEBライター。静岡在住。 本業の労働のかたわら、ネットのあちこちに文章を書き散らす日々。 サブカルチャー、オタクカルチャー界隈のゲームや同人音楽を研究中。 「つまらない時代に面白い人が面白いことをやっているので取材して記事にする」がモットー。

Twitter: soosuke_m