2017年1月15日までの日程で印刷博物館で行われている武士と印刷展を訪問したので、今回はその内容をご紹介。
戦乱に散っていった武将たちの武者絵
トッパン小石川ビルのお客様用出入口から中に入り、エスカレーターで下に降りた先に受付。ここで入場料を払って展示場へ。
武士と印刷展は2部構成になっており、第1部「武者絵に見る武士たちの系譜」では歌川国芳の作品を中心に武者絵を展示。平知盛など、源平合戦や南北朝の騒乱などといった戦乱に散っていった武将たちをテーマにした作品が展示されている。
戦国時代、そして幕藩体制下での印刷と武士たち
第2部「武士による印刷物」では武士と印刷の関係を示す多数の書物を展示。
大内氏、朝倉氏、今川氏といった文化に造詣が深く、印刷とも関わりがあった戦国大名たち。また、徳川家康による幕府開設、家光から綱吉にかけて行われた武断政治から文治政治への転換期など徳川体制の勃興にも印刷は関わっており、さらに江戸時代にはオランダ好きで知られた島津重豪、現代でも名君と評価が高い上杉鷹山などといった諸藩藩主たちも印刷技術を利用。その動きは幕末には下級武士層にも広がっていったことが展示物で示されている。
そのほか印刷技術や近代の出版物などに関する展示もあり、日本の歴史を知る上で決して軽視できない印刷という技術に思いをはせてみては。
印刷博物館公式サイト
http://www.printing-museum.org/