サッカー好きならだれもがサッカーの試合を見ながら自分ならこうするのにと思ったことがあるはずだろう。
これは日本のサッカーファンだけでなく世界中で共通の想いのようで、この『FootballManager』シリーズはそういうサッカーファン達、いやサッカーファンだけでなくここに登場するサッカー選手本人までも夢中にさせ中毒にしてしまう魔法のゲームなのだ。
筆者がこのシリーズに出会った頃は『ChampionshipManager』という前作の頃である。
ゲーム画面はすべて英語、試合の画面も文字だけ、しかしとても面白いのだ。
制作会社の騒動により同じようなタイトルが複数出たりもしたが、結局データベースを引き継いだ『FootballManager』が生き残ったのは偶然でもなんでもない。
このゲームの主役は中にいる一人ひとりの個性溢れる選手たちであり、我々監督は常にその選手たちやサポーターや理事会に悩まされ翻弄されることに楽しみを感じているからだ。
シリーズを重ねるごとにやれることが増えていくのはシリーズ物としての宿命であり、時に新規ユーザー獲得の障壁にもなるのだが、そこはご安心をいただきたい。
この作品では役割を人に任せることができるのだ。
初めてプレイされる方は1軍選手の獲得や契約更新だけ手がけて、複雑なトレーニングやスカウトの配置や若手チームの指揮などは任せてしまえばいい。
プレイを重ねていきながらやっぱりやりたいことは権限を取り戻せば自分で決定することができるのでまずは雰囲気になれることに集中しよう。
筆者はこのシリーズを長らくプレイしているのだが、やはり1軍に集中したいのでほとんどのことを任せてしまっている。
時に記者会見などで対戦相手監督から自分で管理していないと批判的なコメントをされることもあるが勝てば官軍の世界、そんなヤジをイチイチ気にしていられない。
この記事を読んでいる読者がもっとも気になるのが戦術の設定などであろう。
大まかにフォーメーションの配置と役割などはこの画面で設定できる。
最初にある程度のフォーメーションの原型は入っていてそれを元にカスタマイズしていくのだが、これも設定項目が多くて最初は意味がわからないかもしれない。
選手の配置を決めたら役割を決めるのだが、この役割についてはそれぞれに簡易な説明が書いてあるので参考にしながら設定するといい。
どうにもわからない場合にはダウンロードコンテンツでユーザーが作成した戦術が配布されているのでそれを導入してみて、気に入らないところだけをカスタマイズしてもいい。
ちなみに戦術だけでもとても多くの設定ができる。
これはチーム全体への指示画面。
攻守の切り替えのタイミング、展開の幅、ラインの高さやプレスの頻度、パスの組み立てやクロスの上げ方などなど、役割をしっかり設定してこの指示画面をしっかり設定するだけでも十分に通用する戦術は組み立てられる。
この指示は対戦中に相手に合わせて都度変更が可能である。
例えば試合中に何度かオフサイドトラップが破られたりした場合にはオフサイドトラップをやめたりラインを下げたりで対応したり、柔軟な対応が可能だ。
役割や全体への指示だけでは個性が生かされていないと感じた時は選手個別への指示が出せる。
ここでは役割に準じて出せる指示が変わるので役割についての理解も深まることだろう。
セットプレイ時の位置も細かく決めることができる。
図はコーナーキックの守備時点の指示画面、センターバックに優秀な選手を揃えているので守備の時は最低限を守備に残してカウンターができるような配置を指示している。
ざっと戦術関係のご紹介だけでもボリュームが多すぎてとても魅力のすべてがお伝えできているとは思えないが、YouTubeでプレイ動画を配信しているので興味を持った方は一度覗いてみてもらうといい。
雰囲気は伝わるだろう。
最後になるが、日本語化の件である。
発売元からは日本語対応はされていないので有志による日本語化ダウンロードコンテンツが配信されている。
すべてが日本語化されているわけではないがほぼ9割くらいのテキストが日本語化されているのでプレイするのに支障はまったくないし、逐次日本語化を進めてくださっているので時期がくれば完全に日本語だけでプレイできたりもする。
またJリーグも版権の関係で発売された時点では入っていない、Jリーグ以外にも版権関係で仮名になってしまっているリーグや選手もいるが、これらもダウンロードコンテンツなどでユーザーが配信しているデータを使えば実名で使えたりリーグが登録できたりもする。
プレイヤーの数も多く歴史も古いのでこういった事情にユーザーも慣れていて発売から1ヶ月経過した現在では様々なダウンロードコンテンツが配信されているので試してみるといい。
年末年始休暇に思う存分プレイしてもらうのはいいが、中毒になりすぎて社会復帰に支障が出ないことを祈る!