ファミリー・ガイ

  by chamberlain1991  Tags :  

イメージはすべてen.wikipedia.orgより

アメリカ本国より、イギリスで大ブレイク?!

BBC3で深夜11時から始まる『ファミリー・ガイ』という番組。日本では残念ながら放送されていないので、日本にはあまり知っている人がいないと思うが、この番組はイギリスBBC3で2006年から放送開始後、徐々に人気が上昇し、今では深夜番組だというのに、BBCの高視聴率獲得番組の仲間入りをしている。
もともとは、FOXテレビのアニメーション番組に過ぎなかったもので、本国アメリカでは「下品極まりない」、「登場人物などの過激発言が多い」など批判があり、ほとんど相手にされていなかったようだ。ところが、イギリスBBCテレビがこの番組に目をつけたのだ。この番組を買い付けて、イギリス国内で放送開始したところ、数年後には超人気、高視聴番組に変貌した。少々過激な表現や、ちょっとキツめの冗談がイギリス人独特のユーモアのセンスを刺激したのだろう。以来、この番組はイギリス国内にとどまらず、ヨーロッパ諸国でも次々に放送されている。イギリスの芸能人やロックスターなどでも、多数、この番組のファンだと言っている。

グリフィン・ファミリー

このグリフィン一家がこの番組の主役なのだが、まず、構成はというと、肥満体で典型的なアメリカのおとぼけなお父さんピーター、ちょっとセクシーで魅力的なお母さんローイズ、母に似ず容姿に恵まれない女子力の低いさえないメグ、父親似で太ったとろい長男クリス、2歳の赤ん坊なのに天才で、生意気な末っ子スチューイー、さらに、インテリで女の子が大好きでアル中の犬のブライアンというもの。
その他、ピーターの幼馴染みで親友のクアグマイア、ジョー、クレイヴランドの3人とその家族たちやその近所の住人がキャラクター豊かに、毎回グリフィンズに軽妙に絡む。一見、アメリカ版『サザエさん』とも見えるのだが、登場人物のキャラの強さはその比ではない。

それってポリティカリー・インコレクトネス(社会的差別的表現)じゃない?

歴史や政治、宗教、人種といったものから、音楽や映画、TVのようなポップカルチャーまで、ありとあらゆるものをネタにして笑い飛ばすのがこの番組の痛快なところ。ただし、保守派のアメリカ人などには反感を買うことは間違いないと感じる内容が多い。ジョージ・ブッシュ、ビル・クリントン、オバマ大統領、ドナルド・トランプ、ヒットラー、ロックスター、映画スター、ユダヤ人、中国人、日本人、イタリア人、ドイツ人、フランス人、リベラル派、保守派、キリスト教、イスラム教、何であってもこの番組では茶化される。保守的でうるさい人達なら非難するだろうと思われるようなセリフや表現がたびたび出てくる。これを、「ユーモアだ」、と受け取れないといけないのだろうが、日本人にはちょっと洒落にならないような冗談もあるのだ。『差別表現』や『人権問題』などに、うるさいはずのヨーロッパ、こんな番組も受け入れるほど懐が広いということなのか、と思ってしまう。

日本ではムリ?

この番組、最近、英国の民放局ITVが放送権を買い取ったそうである。今後、新シリーズはITV2からの放送になるらしい。ただし、BBCはこれまでのシリーズに関する放送権は維持し続けるらしく、過去のものを繰り返しBBC3から放送することができるそうだ。ということは、日に2回、「ファミリー・ガイ」をテレビで観ることもできるようである。ファンにとっては非常にうれしいことでなのであるが、これだけ人気を博している番組、はたして日本でも放映される可能性はあるだろうか。きっと難しいのだろうと考える。まず、皮肉まじりの冗談の微妙なニュアンスが伝わらないのではないのか。そして、過激な内容がおおいため、それを日本語でどうおもしろおかしく表現するのか。やはり、英語で放送しなければこの番組の真のおもしろさは発信できないのではないかと思う。いっそのこと、吹き替えなしで、字幕を付けて放送してくれるとわかる人には面白い番組なのではないかとも思うが。ここにも言語の壁、残念な限りである。日本のBSやテレ東なんかで二か国語放送してもらえたら、日本にいる外国人から人気に火がつくかもしれないのになぁ。

昨年9月で短くて永かった1年9か月のルーマニアのブカレスト滞在を終え、やっとイギリスに帰還。現在、まさかの完全専業主婦に。毎日、ケーキを焼いたり、スーパーでお買い得品探し。 書くことが好きであり、批判的な文章が多くて、少々皮肉っぽくてうがった見方をした書き方が、いろいろ物議をかもすことあり。