富士山麓の芝桜の季節が今年もやってきた。
富士急行の協力で今年もメディアプレビューが行われたので取材した。
昨年の様子はこちら
世界遺産・富士山の絶景『花スポット』をめぐる旅
http://getnews.jp/archives/953121
今年の旅は、まず大月駅に向かいデビューしたての富士山ビュー特急に乗車することからスタートした。
車窓からは富士急の社員が育てている芝桜の小さな畑を目にすることができる。
車窓からの絶景ポイントでは速度を落としてくれるので、カメラをお持ちであればぜひ収めたいところ。
1号車以外は自由席なので、大月駅では進行方向に向かって左側の窓際を押さえておきたい。
ダイヤにもよるが、JRの特急かいじで到着するとダッシュしても座れるかどうかわからないので、できれば1本早い電車で大月に到着して入線を待ちたいところだ。
この車両は富士急行8500系。もともとは、JR東海の371系あさぎりとして、御殿場線・小田急線を走っていたものを富士急が譲渡を受けて水戸岡鋭治氏のデザインで改造されたもの。
水戸岡氏と言えばJR九州の車両を多く手掛けているのでご存知の方も多いだろう。
これは2014年1月14日に記者がたまたま撮り鉄をしていた時に撮影したJR東海時代の371系電車。
7両編成を3両にして現在は富士急で第二の人生を送っている。
こちらは現在、フジサン特急として運転している富士急行8000系。
これも元々は小田急20000形ロマンスカーRSEで、小田急側のあさぎりとして走行していたものを譲渡を受けて3両編成に改造している。
371系と同日に記者が撮り鉄した小田急20000形。
現在はJR東海371系も小田急20000形も廃系列となっているが、富士急で仲良く復活して御殿場線とは違う方向から富士山を眺めながら元気に走っている。
1号車指定席ではアテンダントが乗務し、ウェルカムドリンク等のサービスを提供する。
また、スイーツプラン設定列車では車内で特製のスイーツを食べることができこのような形で提供される。
富士急行宣伝部の青柳舞さんがモデルを務めてくれた。
水戸岡氏の特徴は何といっても木材をふんだんに使用したデザイン。
あの371系あさぎりがこんな風に変わってしまうとは記者も正直驚いた。
現在のスイーツの内容は次の通りだ。
・季節のマカロン
完熟マンゴーペーストを加えたホワイトチョコクリームをサンドしたマカロンデザートです。
・パティシエ特製フルーツサンド
食パンに見立てた真っ白なロール生地にヨーグルトクリームと彩り果実をサンドしたオリジナルのサンドウィッチです。
・富士山麓卵のなめらかプリン
富士山麓で採取された濃厚な卵を使用したなめらかプリンです。
・旬果デザート(ガトーアンサンブル)
甘酸っぱいベリーのムースの表面に3種のベリーを合わせたコンフィチュールを塗り、赤富士をイメージしたスペシャルデザートです。
富士急ハイランド横にあるハイランドリゾートホテル&スパから見た富士山。
昼食後、芝桜会場に向かった。
「ここからもどうぞ!」とポーズをとる宣伝部員・青柳舞氏。と同時に同僚の宣伝部員が「1枚5000円です!」とジョークを飛ばすあたりが富士急のお茶目な社風なのかノリなのか、このような雰囲気でないと2社の「あさぎり」車両を復活させて自社で走らせるという芸当はできないだろう。
それにしても富士山とは不思議な山で、見る場所によって全く違う姿を見せてくれる。だから魅了されるのか。
芝桜の咲き具合は取材日現在で6-7分咲き。
大型連休期間中が満開になるだろうとのことだった。
会場に入ると、明らかに花のにおいとわかる香りが漂う。
天然の香水を辺りいっぱいにまいたような不思議な空間だ。
昨年同様、足湯があり100円でタオル付き。
向かいで中国語を話すお嬢さん。中国人なのか台湾人なのかはわからないが、どうせ記者の英語も日常会話に困る程度だからこの際インタビューしちゃえ!とばかりに写真を撮らせてもらうことに。途端に流ちょうな英語がかえってきて焦った。
それもそのはずで、彼女たちは香港から来たという。旅行目的だそうで大満足で足湯につかって、ずっと富士山を眺めていた。
色とりどりの花を眺めながらスイーツや食事を食べて、足湯につかりながら富士山を眺める至福のひと時が過ぎていく。
記者が到着したころはちょうど山頂に雲がかかっていたのだが、しばらくするとそれも消え雄大な姿に。
山の天候は変わりやすいと言うが、山頂の雲があっという間にに消えたり、まったく見えなくなったりと天候の移ろいを目の前で体験することになるので、シャッターチャンスはその時しかないと思っておいた方がいい。
昨年と比較して、観光バスでやってくる外国人観光客も多いが公共交通機関を利用する観光客も多くなってきた。
それだけ有名になったということか。
新宿からも直行バスが出ているが、人気が高いので予約はお早めに。
あまりゆっくりとした時間は過ごせなかったが、風がなければ水面に映る逆さ富士を見ることができる。
最後に訪ねたのは青木ヶ原樹海にある風穴。
樹海は溶岩の上に樹木が生い茂った森で、この風穴も天然のものだ。
階段を下りていくと、ある地点から急減に気温が下がる。
真夏ではその差が30度もあるという。
年中を通して摂氏0度から3度で一定している関係から、氷柱を見ることができる。
滞在時間はゆっくり見て回っても20分ほどなので我慢できないわけではないが、寒いものは寒い。
かつてはこの地で繭を冷蔵保存していたという。
その復元の様子が展示されている。しかし施設そのものは本物で当時のままだという。
青木ヶ原樹海についていくつかの都市伝説について風穴のガイドさんに聞いてみた。
・磁石がきかないというのはウソで、溶岩の上にじかに置けば多少の誤差は出ますが、それでも方位がわからなくなることはありません。
・数百メートルも遊歩道から離れると四方八方同じような景色で目視での方角がわからなくなるだけで、GPSも受信できるし最近では携帯電話の電波も十分に届くので自分の位置がわからなくなることはありません。
・それよりも地面は一面の溶岩なので滑って転ぶと確実にケガをするので気を付けてください。
富士山の周りには美しく、不思議で、美味しいスポットがたくさんあるので、大型連休のお出かけスポットとして検討してみてはいかがだろうか。
※写真はすべて記者撮影
取材協力 富士急行株式会社