新大久保というとコリアンタウンというイメージが強い。一時期は『冬のソナタ』他韓流ドラマのおかげでそれはそれは賑わっていたらしいが、日韓関係の問題で以前よりもだいぶ店が減ったといわれている。
それでもK-POPブームのため、日々若い女の子たちを中心に駅前の『大久保通り』は未だ人気があるようだ。どの飲食店にも主にBIG BANGのポスターが飾られていて客を呼んでいる。そしてK-POPアイドルたちの顔をプリントしたグッズ屋(公認されているのか?)、韓国コスメの店などが軒を連ねている。
新大久保は実に混沌としている。確かに韓国人は多いのだが、もはやコリアンタウンとは呼べないくらい様々な人種とすれ違う。中でも多いのがネパール人。ちょっと前に『タモリ倶楽部』で新大久保特集が組まれた際にも、韓国人ではなくネパール人を紹介していた。彼らは“リトル・カトマンドゥ”と思っているみたいだからおもしろい。とにかく新大久保の駅でまずたくさんいるし、改札を出てからも、通りを歩いてもネパール人だらけ。その他中国人やらインドネシア人やらタイ人、インド人、そして『イスラム横町』と呼ばれている場所もあることから、バングラデッシュ人やらパキスタン人やら中東系の人もいる。本当に新大久保にいると、日本ではないどこか異国の地にいると錯覚すらしてしまう。
さて、そんな異国情緒あふれる街・新大久保だが、駅から3分も離れるとまた違った風景に出会う。
日本語学校があったり、ゲストハウスがあったり、アパートが密集していたり、普通の住宅街になっていたり、野良猫が大事にされている公園があったり、と賑やかな通りとは反対に急に人気が少なくなる。
そして興味深いのは、普通の住宅街に細かいラブホテルが連なっていることだ。いわゆるラブホテルとは全然違い、規模が遙かに小さいし昔風に言うと“連れ込み宿”といった具合である。もちろん改装して見かけはきれいに見えるが、建物は相当古いと思われる。それらの宿の中で筆者が気になった宿がある。
【かじか】
JR新大久保駅から看板が見える。せまいが比較的きれいな宿だと思う。和室と洋室有り。玄関で靴を預かってくれる。
【ながさき】
新大久保から歌舞伎町へ行く途中にある宿。営業しているのかわからないし、営業していても客が入っているのかすらわからない。昭和へタイプスリップできること間違いない。
【湖畔】
新大久保というより大久保駅にすぐ近い。部屋が湖の名前になっている。せまい旅館という感じでレトロ感を味わいたい方にはオススメ。
尚、“連れ込み宿”とは筆者が勝手に言っているだけであり、アジア人旅行者なども泊まっているっぽいので、あくまでゲストハウスか簡易旅館といった類だと思う。
他にも微妙な宿や風景がたくさんあって、新大久保散歩がやめられない。