以前、男性が女性にプロポーズしやすいように開発されたプロポーズリングの取材をして記事にしたことがある。
※参考 これでサプライズを考える事に専念できるか! プロポーズ専用『スマイルプロポーズリング』
http://getnews.jp/archives/1258570
しかし、これを渡すシチュエーションまではフォローできてなかったような気がする。
これでは「最後まで責任を持て!」と記者が責められても仕方がない。
そこで今回は、プロポーズをするシチュエーションを提供する場を探してきたので取材した。
新橋駅と銀座駅、有楽町駅との中間くらいの位置に普通にどこにでも存在するビル。
都営バスの業10系統であれば、銀座西六丁目バス停すぐだ。
そこにはThe Suite GINZAというフレンチレストランがある。
プロポーズを考える男性はまず、おひとり様でここを訪ねて相談する。そう、ここにはサプライズを相談する専属プロポーズプランナーがいるのだ。
人にはそれぞれ事情や思い入れがあるだろうから、存分に相談して、彼女を普通にレストランに誘う。
行き慣れない方は、事前に何度かレストランに行って怪しまれないようにしよう。
記者はモデルさんを連れて33000円(税金・サービス料別、以下同様)のプランを取材撮影用に特別にアレンジしてもらうのではなく、値段そのままで標準的なシチュエーションで再現した。
まずは、シャンパンから。ソムリエから「数あるシャンパーニュの中でも最高級で知られ、その品質に対する孤高のこだわりを証するかの如く『シャンパンの帝王』と尊称される 『KRUG –クリュッグ–』」と説明される。
乾杯程度で緊張していてはだめだ。
しかし飲みすぎると後のストーリーに響くので、そこそこに。
カリフラワーのヴルーテ トリュフのコンディモン。
きれいだが、器の中でグルグルっと混ぜてスプーンで食べる。
フォアグラの冷製ソーテルヌのジュレ。
フォアグラを食べたことがないわけではないが、丸ごとを見たのは生まれて初めてだ。このあたりから料理に記者も冷静さを失っていくが、落ち着いて。
深い皿が運ばれてきたと思ったら、スープのようなものが注がれた。
ホタテのミキュイ 白トリュフの香り。
フレンチながら、ほんのり和風の味付けのコンソメスープにほっと一息。
甘ダイのウロコ焼き アンチョビクリーム添え。
これだけは動画でお伝えしたかった。香ばしい甘ダイのウロコが魚用スプーンでバリバリと音を立てて切れていく様子は感動もの。
グラニテ -紅茶-。
そろそろデザートで終わりか。
いやいや、すっかり肉を忘れていた。メインディッシュはまだだった。
国産牛フィレ肉のソテ ソース・ヴァンルージュ。
肉は余計な言葉は不要だろう。
ここで赤ワインが登場する。
要らぬお節介かもしれないが、テーブルマナーくらいは身に付けておこう。
左右のナイフやフォークは外側から使用する。
余っても焦らない。そのままにしておけば余計なものは下げられて、新たに必要なものがセットされる。
不安であれば、その旨言っておくとよいかもしれない。
テーブルマナーで焦ってシナリオが台無しになっては元も子もない。
いよいよ女子お楽しみのワゴンデザート。
ここだけは彼女に主導権を渡そう。
レストランに他の予約が入っていたので、お店に迷惑を掛けないようにデザートだけは会場を移して撮影した。通常はフレンチを食べたテーブルでデザートをいただく。
もうしこたまフレンチを食べたので、もういいでしょう。こんなにケーキ食べるの?
料理の説明のためにテーブルを訪れたシェフがすかさず彼女に助け舟を出す。
「フレンチは料理に砂糖を一切使わないんです。ですから、食後に甘いものを食べるのはごく自然な成り行きなのですよ。甘いものは別腹なんて言いますよね、あれは事実でして糖分が胃に入ると少しだけ膨張するんです。ですから厳密には別腹ではなく同腹ですが、間違いではないのです」
こう言われると安心してデザートを選ぶことができる。こういうさりげないソムリエやシェフとの会話も、緊張をほぐしてくれる重要なアイテムだ。なぜならスタッフは全員この後のストーリーを把握しているからだ。
しかし、このフレーズは豆知識として使えそうだ。
もう真剣な顔で数あるケーキのどれを選ぼうかと悩みだす彼女。
すかさずソムリエが「全種類少しずつお取りしましょうか」と完全サポート。
食事を堪能した後は、違う階にあるチャペルへ彼女を誘い出す。
スタッフが芝居を打って誘い出すこともあれば、自分で連れて行くこともあるとか。そこは打ち合わせ通りのシナリオ通り。
記者はスタッフが何らかの理由を付けて誘い出すシナリオを選択した。
「なんだろう?」と重い扉を開けてのぞき込む彼女。
思いっきり不安そうな顔で振り返るが、プロポーズ大作戦はここから一気にクライマックスを迎える。
台の上には指輪のケースが置いてあり、記者が後から入っていく。
そして指輪を見つけ、感動する彼女。
震えで指輪がつけられない。
指輪を左手の薬指につけてあげて終演を迎える。
彼女が指輪を付けてくれたということは記者のプロポーズを受け入てくれたという証拠だ。
残念なのは、あくまでも取材の中での記者が書いたストーリー上の話だということ。
嘉門達夫の「結婚しようよ~彼女はもうすぐ26~」という歌の歌詞に次のようなくだりがあったのを思い出した。
打ち明けたあと君は
瞳に涙を浮かべて
きっと錯覚だろうけど
ガッツポーズをしたような気がした(c)1989 バルセロナ 嘉門達夫 結婚しようよ~彼女はもうすぐ26~ より引用
記者には錯覚だったのかもしれないが、プロポーズ大作戦を考えている方には、錯覚ではなく現実のものとしていただきたい。
これら相談に始まり、食事からチャペルの使用料、サプライズのシナリオ実行まで33000円。値段の問題ではないのかもしれないが、アットホームな雰囲気で隠れ家的なフランス料理店とチャペルで素敵なプロポーズの演出をお考えになってはいかがだろうか。
The Suite GINZAでは通常のディナーや女性限定のランチタイムも提供する。
※写真はすべて記者撮影