私と年越

はじめまして。年越野郎と申します。

突然ですが、私の趣味は年越です。
社会人デビューして以来、三重県でお伊勢参りをしたり、タイムズスクエアでボールドロップに立ち会ったりと、毎年いかに面白い年越をするかに注力しいます。
※注 ここでいう『面白い』とは、対外的な評価を指すものではありません。いかに自分が楽しめるかが焦点の、純粋な趣味としての語用です。

そう、純粋な趣味なので、2012年までは特に誰かに言いふらすこともなく、かと言って隠す訳でもなく、一人でせっせと年越に邁進してきました。
しかし、2012年をニューヨークで迎えたことで、2013年はそれを上回る企画(何基準かは不明)を考えなければならなくなり、そこで思い当たったのが、この年に日本で爆発的に普及したFacebookでした。「そうだ、今年は公募しよう。」と。年越キャンペーン特設Facebookページを立ち上げ、年越野郎が年越に何を行うかのアイデアを公募を募集したのでした。

それまで人知れずせっせと一人で楽しんでいた年越の趣味のことは、この年越特設Facebookページを立ち上げたことで、友人・知人を中心とした地球上の皆々様に公開されることになりました。
大多数の友人は面白がってくれましたが、中には「何でそんな無益なことやってんだ、フン!」という反応もありました。しかし、年越キャンペーン特設Facebookページを立ち上げた理由は、実はそのような人を意識していた面も大いにあったのです。

年越で社会に一石を投じたい!

当時、私は『社会貢献』だとか『自己成長』といった意識高い語群に辟易していました。それ自体は悪いことだとは思わないし、むしろいい事だと思いますが、そうした意識高い語群に踊らされた、社会貢献中毒のような人たちや、俗に言う『意識高い系(笑)』と言われる人たちに、なんとなくむず痒さを感じており、そんな人たちがいるこの世に一石ぶち込んでみたい気持ちがありました。

例えばですが、ある鶏を解体して食べる会に参加した折、事後の感想に「命の大切さを学びました。感動しました!」と述べた大人がいました。しかし、なぜ今、スーパーマーケットに行けば欲しい部位のお肉を、欲しい量だけ手軽に手に入れることができるかというと、それを望んだ人がおり、知恵と行動と努力をもって具現化し、それが多くの人のニーズに応えるものだったからだろうと思います。
私には、闘鶏が趣味で、飼っている鶏を日常的に解体している伯父がいますが、一緒に暮らす伯母は「うちの鶏は固くて不味いんだよね。」と愚痴をこぼししてます。
そう、人は基本的に『便利で美味しいもの』が好きだと思うんです。そして、美味しいものを便利に入手できるインフラを築いた先人たちの功績の上に自分たちが快適に暮らしていることは、蔑ろにしてはならないことだと思うんです。

また別の例ですが、あるアートイベントの主催者をお招きしたトークイベントにて、進行役がしきりに「それがどう社会に役立つか」「どう社会貢献を意識しているか」「どのような面で問題解決になるか」といった類の質問を投げかけていました。ゲストは一貫して「自分の活動にとって、社会貢献は目的でなく結果そうなる可能性もあるかもといった具合である。」といった旨の回答を繰り返していたにも関わらず。
なぜそんなにゲストの活動の社会貢献的要素を躍起になって抽出しなければならないのか、すべての活動は社会手貢献的な側面がないといけないのかと疑問に思いつつ、それを巧みに裏切るトークに気持ちよさを感じたことが、内容よりも深く印象に残りました。

学びや社会貢献は義務ではないし(ただし教育を受けることは義務)、100%飯の種を指す概念でもないし、あくまでその人なりの問題意識や好奇心があって取り組むことであって、自分に酔うためにやることではないとではないという批判を目にすることがありますが、私も全く同じことを感じていました。

私は、全力で趣味の年越に取り込む様子をオープンにすることで、堅苦しい事は考えずに、ただただ「自分が好きな事をやろうよ!」という一石を投じてみたのです。それが、今日に続く年越の原動力になっています。

【画像】筆者制作による。2013年に企画コンペを行った際の募集要項。

年越野郎

毎年年末になると、様々な角度から『年越』をいかに楽しく過ごすかに全力投球するという、セルフキャンペーンを行う輩。 年越をしていない時は、珍所めぐりが好きなただの人。 【過去の実績】2016年『婚活』(現在進行中)/2015年『シンガポールのフリーメイソンの年越パーティに潜入』/2014年『黒田官兵衛ざんまい』/2013年『年越蕎麦を0から作る』(公募型コンペで採択)/2012年『ニューヨーク』/2011年『静岡と東京でお世話になった人にご挨拶巡り』/2010年『一晩で東京の定番に全部行くツアー』/2009年『お伊勢参り』/2004-2008年『正月アルバイト』

ウェブサイト: http://taekomory.wix.com/toshikoshi