少し前、健康ブームなるものが、日本列島に巻き起こり、異常なまでの加速度によって広がりを見せた。
そして今、ブームという波は治まりをみせた感があるものの、老若男女に高い意識を植え付けたまま、健康を追い求めることが現代人のステータスであり、常識化されつつあるようにさえ思える。何種類ものサプリメントの知識、漢方薬など自分で調合してしまう人だって珍しくないのだ。現代を生きるためには、自ずと求められることなのであろう。それが悪いことだとは毛頭思わないが、科学や医学の今日に至るまでの驚くほどの進歩は、昔は良しとされていたことが、あっけなく覆されていたりする。
今回は、そんな健康と病気について少し触れてみたい。
このほど、フィンランドで興味深い実験が行われた。健康診断や人間ドックなどで、高血圧や、コレステロール値が高いと診断された人々を対象にしたものである。この結果を聞いて、すぐに大きな病院で精密検査を行うなど、医師のもとでの治療や投薬を選択した人達数名をAグループ、そして、この結果を聞いても別段、何の治療や再検査もしなかった人達数名をBグループとし、15年間にわたり、経過を観察し続けたのである。その結果、驚きの事実が判明したのだ。
診断により、数値に問題があるとされ、すぐに医療機関での治療に取り掛かった人達は、同じく診断の数値に問題がありつつも、特に何の治療も受けることなく生活していた人達に比べ、何らかの病気による死亡率が46%も高かったのである。
それどころか、再検査を必要とする数値がでても、特に何もしなかった(ようするに放っといた)人達の中には、数年後に計測したコレステロールや血圧値が正常に戻っていたという報告もある。もちろん、好きな物を食べ、飲み、これといった節制などしていない。何とも皮肉な話である。
あなたは、この実験結果をどう受け止めるだろうか。
人間の身体というのは、我々が現在理解しているよりずっと、高い能力(治癒力を含む)を備えているのかも知れない。そして、医学的な数値とやらも、今後いかなる基準が今現在の常識にとって変わるか、まだまだ知りえないのだろう。
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