大いに盛り上がった夏の甲子園も終わり、注目された選手たちは誰がどのチームからドラフト指名されるのか気になるところですが、プロ野球選手になれるのはごく一部の選手だけ。
昔であれば、指名に漏れた選手は大学や社会人チーム、クラブチームなどで野球を続けるという流れになりましたが、近年では日本でも野球の独立リーグが多く設立され、プロ入りの夢を諦められない選手たちが頑張っています。
このたび、そんな独立リーグのひとつである「BCリーグ」の試合を初めて観戦することができたのですが、新鮮なことも多く、なかなかおもしろい経験ができたので、今回はそのレポートをさせていただきます!
なにげに有名選手が多いのがBCリーグ!
BCリーグは2006年に設立された独立リーグなのですが、近年は有名な元プロ野球選手が監督やコーチを務めたり、選手として活躍したりもしていて、非常に注目を集めているリーグなのです。
今年は、かつてメジャーリーグや千葉ロッテマリーンズでも活躍した伝説の選手、フリオ・フランコが56歳(!)にして選手兼任で監督に就任したり、日本で464本塁打を放ち2009年限りで引退していたタフィ・ローズが46歳にして現役復帰するなど、プロ野球ファンにはたまらない面々が顔を揃えているのです!
この日の試合は武蔵ヒートベアーズと石川ミリオンスターズの対戦なので、フリオ・フランコの勇姿を拝むことができます!
さっそく球場へGO!
試合の会場となったのは熊谷運動公園野球場。
高校野球の予選などで使われてそうな、「ザ・地方球場」といった感じの外観がたまりません。
球場の外周にはいくつか飲食店が出店されていました。
埼玉や越谷のご当地B級グルメの店があったり、石窯を使った本格ピザの店があったり、バラエティー豊かな感じです。
なぜかお菓子のアウトレット商品が売られていたのもローカルな感じがしていいなあと思いました。
ホームチーム「武蔵ヒートベアーズ」のグッズもたくさん売られていました。
レプリカユニフォームなども売られていましたが、価格は15000円…高い!
さすがにこの値段ではコアなファンしか買わないかと思います。
たくさんの人に着てもらいたい!
でも単価を下げたくてもたくさん売れないと下げようがない!
というジレンマを感じます。
そしていよいよ入場券を購入します。
座席は全席自由席で、価格は大人1300円、子ども500円。
熊谷市民の割引なんてのもあるみたいですね。
入口で入場チケットを渡すと、武蔵ヒートベアーズのマスコットがプリントされたお菓子をいただきました。
これ、結構おいしかったです。
そしてスタンドに入ると、選手たちが練習をやっていました。
なかなかいい感じの球場ですね!
有名選手や監督・コーチを発見!
練習をしている選手たちをよく見てみると、元プロ野球選手たちがちらほらと確認できます。
まず、武蔵ヒートベアーズの監督を務めているのは千葉ロッテや阪神で活躍した小林宏之です。
抜群のスタイルは相変わらず。
髪の毛は茶色いし、監督っぽさがまったくありませんが、カッコイイです!
そして石川ミリオンスターズの監督、フリオ・フランコも発見しました!
オーラが圧倒的に違います!
選手としての出場があるのか気になりますが、まったくウォームアップをしていなかったので期待できなさそうですね…。
こちらの背番号65番はメジャーリーグや日本ハムで活躍した多田野数人選手。
とんでもない山なりボールを投げたり、ネットで大人気だったり、個性的でファンの多い選手です。
昨年まではプロでバリバリやっていただけあって、現在はコーチを兼任しつつもかなりの好成績を残しているようです。
そして、ナックル姫として注目を集めた吉田えり選手も!
スポーツ選手に対して失礼かもしれませんが、やはり小さくてカワイイす!
さらに、吉田えり選手に指導をしているのはやはり元千葉ロッテの渡辺正人コーチ。
このように、この試合だけでもかなりの有名選手を間近で見ることができました!
応援席のようす
つづいて、スタンドの方を見渡してみましょう。
こちらは武蔵ヒートベアーズ側の応援席。
それなりの埋まり具合ですし、応援グッズを身に付けた方もかなり確認できます。
実はまだ武蔵ヒートベアーズは創設1年目のチームなのですが、すでに地元で定着し始めているのかもしれません。
そして驚きだったのは石川ミリオンスターズ側。
人数こそ少ないのですが、平日なのに石川から遠征しに来ているファンもいたようです!
しかも翌日は新潟での試合なのですが、そのまま遠征するファンもいるようで、かなりアツいですね。
人件費を削減する工夫が随所に!
グラウンドの隅では少年野球のユニフォームをきた子どもたちが座ってスタンバイしていました。
どうやらこの試合のボールボーイを担当するようです。
これは経費削減にもなるし、子どもたちもいい思い出になるでしょうから、とてもナイスな試みですね!
そして試合開始時間も近づき、グラウンドでは選手の練習が終わったのですが、なんと驚きの光景が目に入ってきました。
なんと、選手たちが自分たちでグラウンド整備を始めました!
たしかに、グラウンド整備には相当な人員が必要ですから、これを選手が行えば立派な経費削減になります。
とはいえ、甲子園の高校球児でさえも自分たちで整備はしていなかったですから、かなり新鮮に見えました。
グラウンド整備だけでなく、ライン引きまで選手が行います。
ラインをまっすぐ引くのって結構難しいんですけどね。
そして、チアリーダーたちがパフォーマンスをおこない、いよいよ試合が始まります!
試合開始!プロとも高校野球ともまた違う光景が!
試合開始時刻になると両チームの選手が一列に並び、挨拶をしてからの試合開始です。
プロでは挨拶をしませんが、やはり挨拶から始まるのは日本ぽくて良いですね。
試合は序盤から石川のペースで進んでいきます。
この日は石川のピッチャーは外国人投手だったのですが、かなり力強い球を投げていましたね。
ちなみにこの写真のバッターも元千葉ロッテの角選手です。(お父さんが元巨人のピッチャーで有名です)
試合中はプロ野球と同様に応援団がラッパを吹いて応援を行います。
ホームの武蔵側はかなりの盛り上がりでしたね!
そして石川の方は応援団が3人しかいなかったのですが、しかもラッパを含めてまとまってない感がすごいのですが、それでも気合を入れて声を張り上げていて、かなり好感を持てました。
せっかくなので座席を移動してみる
せっかく自由席なので、一塁側の内野芝生席にも移動してみました。
目の前には石川側のブルペンがありますが、ブルペンの中の様子をしっかり見られるのもなかなか貴重で良かったです。
選手同士の会話が聞けたり、どのタイミングでどういう風にアップするのかが確認できます。
この日はどうやら吉田えり選手のご両親が観戦に来ていたようで、選手たちがご両親に挨拶をしに行くようすをたびたび確認できました。
そして、この席にはファールボールが頻繁に飛んできます。
飛んできたボールはもらえるとのなので、子どもたちに紛れて全力ダッシュでボールを取りに行ったりしました。
そしてしっかり1球ゲットしました!
子どもたちから取り上げたりなんてしてないですからね!(むしろ2球目を子どもたちにプレゼントしたりしました)
試合が5回まで進むと、またしても選手たちがグラウンド整備をし始めました。
試合中なので、本来なら作戦でも話しておくべきでしょう。
それよりもみんなでグラウンド整備なのです。
全員で試合を作っている感じがとても良いですね!
そして後半戦が始まると、徐々に天気が崩れてきてしまいました。
スタンドのお客さんが傘を開き始めたのですが、ここでまたすごい光景を目にしました。
なんと、豪快にテントを張り始めるお客さんがいました!
野球場でテントを張っているのなんて初めて見ましたよ…。
このゆるさは独立リーグならではといったところでしょう。
缶ビールとかも普通に持ち込めますし、基本的にはいろんなところがゆるいです。
試合終了!ここからがファンにはたまらない!
そして試合は結局石川の完封勝利。
最後に投げた西村投手も元阪神タイガースの選手でした。
残念ながらフリオ・フランコや多田野選手、吉田えり選手に出番はなし。
このあたりはやはり、石川の本拠地にいけば見られる確率が高いのかもしれないですね。
最後も全員で例をして試合終了。
…なのですが、ここから選手との距離が近い独立リーグならではのサービスが始まります!
なんと、試合後にホームチームの武蔵ヒートベアーズの選手全員が球場の外でお見送りをしてくれるのです!
もちろんここには元プロの選手たちもいるのですが、選手に話しかけたり、写真を撮影したり、サインをもらったり、ほとんど自由に選手と接することができるのです!
早速、僕も武蔵の小林宏之監督と写真を撮らせてもらっちゃいました。
これはファンにはたまりません!
最後に、選手全員からファンにお礼の言葉が!
試合後にできるファンサービスを全部してくれている、というような印象を受けましたね。
何度も試合に通って応援したい選手ができたりすれば、その選手を本当に身近で応援することができるようになりそうです。
その選手が活躍し、プロ野球からドラフト指名されるようなことがあれば、そんなに感慨深いことはないでしょうね。
そして、挨拶が終わって武蔵の選手たちが引き上げると、今度は石川の選手たちが順番に球場を出てバスに乗り込むのですが、いわゆる「出待ち」をされても選手たちはやはり全員に丁寧に接してくれます。
やはり、注目は選手兼監督のフリオ・フランコ!
サイン待ちの列がかなり長くなっていますが、一人ひとりにしっかり対応をしてくれていました。
もちろん僕も写真を撮影させてもらい、かなりいい記念になりました!
ほかにも吉田えり選手や、渡辺正人コーチとも撮影をさせてもらえました。
あとがき
いやあ、まさかここまで選手との距離が近いとは思っていなかったので驚きましたね。
初めてのBCリーグ観戦は本当に大満足でした。
とはいえ、この日はなかなか盛り上がっていたと思ったのですが、入場者数にするとわずか553人とのこと。
選手の給料や経費を考えると、この入場者数ではまだまだ厳しいというのが正直なところでしょう。
実は昨年アメリカで、メジャーリーグの底辺に近いリーグの試合を観に行ったのですが、試合のレベルはメジャーリーグより低くても完全に興行として成立してる印象を受けました。
こちらがその時の動画なのですが、石川の応援団が少人数で声を張り上げているような世界とは華やかさが段違いです。
日本の独立リーグでもこのくらい地域に根づいてくれば、それがリーグのレベルアップにもつながっていくんじゃないかなあ、と感じました。
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2015年8月21日(金)
武蔵ヒートベアーズ vs 石川ミリオンスターズ
熊谷運動公園野球場