日産自動車はNV200(日本名バネット)をもとに開発されたタクシーの乗り心地を広く体験してもらおうと、都内各地で初乗り無料乗車券を配布する。
7月6日に東京駅八重洲中央口では実車2台を展示して、チケットを配布した。
ニューヨークでは次世代イエローキャブとして約700台が導入されている。
このチケットは初乗り運賃730円分の乗車券として使用できるが、ステッカーを貼ったNV200を使用したグローバルタクシーでのみ使用できる。
ミニバンスタイルのこの車。何十年と染み付いた「セダンタクシー」のイメージからすると程遠い。
しかし、そのスタイルにヨーロッパを感じるのは記者だけだろうか。
商用車としてはあまりにもスタイリッシュな同車は5ナンバーの小型車だ。
とはいえ、ミニバンなので車高は高く眺めも良い。居住性も特に問題はない。むしろ、合皮ではあるが本革調のシートは高級感さえ漂う。
荷室は思いのほか大きく、大型のスーツケースが4つ入ってもまだ余裕がある。
運転席はタクシー仕様なので、余計なものは付いていないが、視界が良いので運転手のストレスは少なくなるものと思われる。
タクシー仕様でなければ、ガソリン車で一般販売もされている。荷室が大きい分、定員は5名となるが、それさえ割り切ればスタイリッシュな小型ミニバン乗用車としての購入もアリと見た。ミニバンといっても大きい車種が多いので、むしろ本物の「ミニ」バンとして新鮮に映る。
タクシーの旅客として乗車した目線でシャッターを切ってもこんな感じなので、眺めがいいのはお分かりいただけると思う。
日産自動車の野出順フリート事業部長に話を聞いた。
「今までのセダンではなくワゴンタイプというのは世界の標準になりつつあります。現在東京では70台程度が走っていますが、6月8日の出発式以来、口コミで広がり手をあげて乗っていただけるお客様が増えたといいます。しかし70台では選んで乗れる状態ではないので、このようにタクシー会社とのコラボレーション企画でもっと知っていただき、台数を増やすきっかけになればと思っています。これからの課題としては、やはりタクシーとしてミニバンをお客様に認知していただくということです。」
タクシー仕様の車はガソリンで始動し、LPGで走るという形態をとるが、一般での購入はガソリン車となるだろう。
いずれにせよ、5万台も走る東京のタクシーの中で70台しかない同車を見つけるのは宝探しに近いのだが、世界標準となりつつあるミニバンタクシーを体験してみるのも面白い。
都内でのチケットの配布計画は次の通り。
いずれも配布時間は13時から20時。また、実車の展示はない。
丸の内・7/7
新橋・7/8,9,10
有楽町・7/15,16,17
恵比寿・7/22,23,24
新宿・7/29,30,31
品川・8/5,6,7
※写真はすべて記者撮影