味に深みあり!古くて新しい「佐野ラーメン」を食す

  by 松平 俊介  Tags :  

 東京から電車でざっと2時間、栃木県の佐野市にはご当地ラーメンとして有名な「佐野ラーメン」がある。織物の町として栄えたため、夜遅い職人さんたちが食べる夜食ラーメンとして広まったものだ。太い青竹で麺を手打ちする「青竹手打ち」製法で有名であるが、最近はやたら濃厚な味にこだわるラーメンが増えたため、さっぱりとした佐野ラーメンはかえって新しい感じがする。

 佐野厄除け大師の門前に店を構える「大師庵」のラーメンは、青竹手打ちの麺に澄んだスープがやさしい味わいである。東京のこだわりラーメンを食べつけた自分としては、運ばれてきた丼を見た時に、「懐かしいラーメンだなー」と感じた。昭和の東京ラーメンはこんなふうではなかったかと子供の頃を振り返りふと思う。

 食べてみると、味に奥行きがあり、コシが強い麺をよく噛んで味わうとなんとも言えない郷愁をそそる風味であった。

 この店では、佐野のもう一つの名物、いもフライを食べることも出来る。ソースの風味がよく、じゃがいももおいしい。ラーメンと意外と合うようだ。

 ラーメンを食べてから厄よけ大師に参拝するもよし、食べる前に参拝するもよし。佐野厄除け大師は東照宮も併設しており、小ぶりながら豪華な建物だ。拝観料は無料である。

企業のニュースリリースライターを足掛け4年経験。現在はライターのみならずwebディレクターやテレビ番組の企画にも関わっている。タウン誌や飲食関係の媒体の制作にも携わる。 大学時代は書家や歴史作家について修行をしていたことも。(雅号:東龍) 地域の埋もれた歴史を掘り起こしたり、街歩きをするのが好き。これまで関わってきた雑誌は「散歩の達人」「週刊SPA!」、放送局では主に関東ローカルテレビ局の企画を担当。

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