現実を見つめて前進していこう

  by みね  Tags :  

日本社会は本音と建前を重んじる文化だと思います。

本音では「本当はその件に関しては……と考える」 
建前では自分の見解は押し殺し「本音とは違う考え」を述べる。

国や社会を維持していく上で必要なことでしょう。各々がが好き勝手に言いたい放題、やりたい放題な状況になればまとまりがつかなくなっていきます。それを防ぐために当たり障りのない「建前」を持ち出して妥協点を探り、足して2で割る結論を出す。狭い国土、狭い社会でうまくやっていくために導き出されてきた文化だと思います。

正論と自分の利益を優先にして相手に「本音」をさらけだしていくことが正しい時、必要な時があればそうすべきではない時もあると思ういます(これこそが日本人的考え方かもしれません)しかし、これは見つめるべき現実から目を背けていることになるでしょう。

現実を見つめることができず当たり障りのない意見を述べていくことが社会のためになるのでしょうか?

これこそ「建前」かもしれません。もちろん正論を述べる以上は「現実的な」正論を述べていくべきです。「正論」を闘わせていく中で導き出された結論が現実社会にとっての本来の利益になると思います。こうした利益を求めていくことが社会を維持していく上で必要なことではないでしょうか?

私は、世の中で1番難しいことが「普通でいること(=現状を維持すること)」だと考えます。
人間が生きていくうえで「普通でいること」が1番大切なことであり1番求められるべきものであることは言わずもがなであり、こうしたことのために「建前」というものが生まれたのだと思います。

しかし、今まで行われてきたことをただ継続してやっていく……「建前」重視で社会活動を行っていくだけでいいのでしょうか? 現実に即して考え継続していくべきものは継続し、変えるべきものは変えていく「改善意識」を持ちつつかつ「現実に即した本音を述べていく」ことをしなければ国や社会が衰退して……「普通でいること」すらも適わなくなる状況が生まれてしまうかもしれません。

私は、原発問題に「本音と建前」の社会の問題点が見え隠れしているように思えてなりません。
地震列島でここまで原発がたくさんあることも異常だとは思いますが、電力が普及してその一翼を原発が担ってきたからこそここまで社会が発展してきたことは事実だと思います。

原発の何が問題か?

・本当にこれだけたくさんの原発が必要なのか? 
・原発の耐震対策は万全なのか? 
・何故、原発以外の代替エネルギー(地熱・風力・太陽光発電……)を推進してこなかったのか? 
・本当に必要な電力量は?足りないのか?足りているのか? 
・エネルギー関連施設における人材教育は十分に行われてきたのか? 
・そもそも「原発は安全。事故なんか起きるわけがない」という考えが何故運びっていたのか? 

……原発やエネルギーに関する疑問を挙げることができるでしょう。こうした疑問点を考えることなくかつ過去への反省も行われないまま( 「原発賛成」「原発反対」と叫ばれ続けているような気がしてなりません。疑問点を挙げ過去の総括を行いつつ、将来に向けた現実的な施策を考えるべきでしょう。
「日常生活においてもそうですが絶対的に安全である場所なんてないと考えます。原発に限らず他のエネルギー施設においても同様。危険はおきるもの。原発は必要。原発に関しては施設安全対策(警備体制も含めて。警備を民間に委託するようなことはしない)を万全に行い、作業員教育も十二分に行う。周辺地域への安全対策(ヨウ素配布・危険区域の再設定)を行う。公開すべき情報もちゃんと公開する。原発炉の耐久年数を世界水準にする」

「ここまでやった上で段階的廃炉。全面的に止めることはしない。必要なものは残し、必要なものは作る。しかし、代替エネルギーの開発を推進し実現させていくことが必要」
「原発賛成!」というのなら「原発が駄目になった時のための電力を維持できる現実的方法」を明示すべきであり
「原発反対!」というのなら「原発が無くなっても電力を維持できる現実的な方法」を明示すべきでしょう。
国や社会を動かしていくために必要なエネルギーに関する問題にも関わらず「建前」ばかりが先行し、現実に即した議論が尽くされないまま時間が過ぎ去っているような気がします。

「足して2で割る」議論が間違っているとは言いません。時には必要なことであると思います。しかし、「現実に即した考え」に基づいて「足して2で割る」ことが行われるのと行われないのではだいぶ話が違ってくるでしょう。「現実に即した考え」が実行されなければ、それは単なる「先送り」に過ぎません。
「建前」も大事ですが現実に即した「本音」をさらけ出していくことが今の日本には求められていると思います。

写真素材 足成:階段
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1977年生まれ就職氷河期世代の人間。挫折と苦労を重ねてきた都内中小企業総務人事職として働く正社員独身実家住まいの独身男性。ブログとTwitterもやってます。

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