大型連休も終わり、旅先の選定にお困りのむきはないだろうか。記者は富士急行全面協力の下で、富士山の絶景をきれいな花とともに眺めることができるスポットを取材したので、旅の参考にしていただきたい。
すでに富士の芝桜といえばあまりにも有名だが、今が見ごろだ。標高955メートルの富士本栖湖リゾート。2.4ヘクタールというから東京ドーム2個分の広大な敷地に6種約80万株の芝桜が植えられ、年間45万人の来客実績がある絶景スポットだ。
富士山を背景に芝桜を眺めることができるが、敷地の中に富士山をかたどった小山もあるので押さえておきたい。この芝桜は延べ1500人で管理しており、その中でも雑草の除草に1000人もの人手を掛けなかければならないほど、手間がかかるものらしい。
富士山と正反対側にある地上高3.8メートルの展望台から全景を見ることができる。
もちろん個々の芝桜を間近で見ても素晴らしいものだ。
敷地内にはバナジウムたっぷりの展望足湯があり、100円で足湯につかりながら芝桜を眺めることができる。
条件によっては逆さ富士を気軽に拝めるのも当地だ。運次第だがチャレンジする価値はある。
きれいな景色や花を見ると写真撮影にも熱が入る。開催日は限定されるが、専門家から絶景を美しく撮影できるテクニックやアドバイスを受けることができるサービスがあるので利用するといい。最新カメラ貸出しツアーもあるようだ。
ちょっと軽食ということであれば、富士山メロンパンと富士芝桜ミネラルウォーター。会場内で購入できる。ピンクはイチゴ味、山の部分はチョコレート味なのだが、パンの中にもストロベリーソースが入っており、見た目にも香りも味も見事にイチゴである。
グルメも忘れてはいけない。ホテルメイドのスイーツを楽しめる展望カフェが設置され、さらに「富士山うまいものフェスタ」を開催中なので、地元の特産品を使ったグルメからB級グルメまでここですべて堪能できる。
ニジマスの塩焼き。このような串刺しの焼き魚は、どこにでもあるようで、なかなかない。是非かぶりついておきたい。
「富士宮やきそば」は、もはやB級グルメとしての知名度は全国区だ。
甲州名物といえば「ほうとう」、「とりもつ煮」。コシがしっかりの「吉田うどん」も、もちろんある。
観光に来ていた女性二人組に写真撮影を頼まれたので、ついでにインタビューした。学生時代の友人で、新宿から日帰りバスツアーで来たという。朝、新宿を発ってすでにいちご狩りを終えて、当地で2か所目の観光。もう一か所、チューリップ祭りを見て新宿に戻るのだという。都心からも近く、時間も値段も手ごろなのでうれしいとのことだった。
でっかい肉の串焼きを売っているお店。”Don’t eat”等のポップ。「食うな」って食べますかいな。まぁ、なんとなく察しはつくがそういうことらしい。そういえば、いたるところに中国語の案内ポップが並ぶ。観光地に来てくれるお客様には変わりがないので仕方がないが、悩ましいところである。おもてなしは、する方もされる方も気持ちがいいから継続できるのであって、決して片務ではないのは日本人なら身についているものなのだが、ここはあえて人の振り見て我が振り直せということにしておく。
「2015富士芝桜まつり」は開花状況により前後するが原則5月31日まで開催で、営業時間は8時から17時まで。
交通は新宿から直通高速バスも走るが便数が限られるため、まずは富士急行河口湖駅を目指そう。
河口湖までは新宿から高速バスが便数が多いほか、土曜休日はJRがホリデー快速富士山号を新宿から富士急直通で河口湖まで走らせている。
河口湖駅からは会場行バスで30分。
さて、芝桜を見た後は、静岡県裾野市に回る。インタビューに応じてくれた女子二人旅が次に行く予定と言っていたチューリップだ。
富士山2合目の標高1200メートルの位置に「遊園地ぐりんぱ」がある。
「天空のチューリップ祭り」と題した、まさに高地から富士山とチューリップ畑を一緒に眺められる絶景スポットだ。
150品種21万球のチューリップが咲き誇る。
八重咲きのチューリップがあるとは記者も知らなかったが、これはこれで非常に美しい。
台風接近の直前であいにくの天候だったが、丘の下からチューリップを見上げれば、そこに富士山が迫っている画のはずだった。
丘と小道の2つのゾーンに分かれて配置されたチューリップ畑は、見る者を圧倒する。早咲きのものは散り始めているが、遅咲きの品種は今が見ごろだ。
交通は5月31日までJR御殿場駅(毎日)と三島駅(土日祝日のみ)から、事前申込制の無料直行バスを運行しているので問い合わせてみるといい。
山梨県側からレンタカーを借りて、芝桜と一緒にめぐると、周辺の観光地を効率よく巡ることができるのではないだろうか。
夏になる前にちょっと日帰りの癒し旅。目の保養、心の洗濯、お腹もいっぱい、ガチでお勧めのプチトリップ。それぞれのお好みと予定に合わせて旅程を組みたい。
※取材協力:富士急行株式会社、他グループ各社
写真について:トップ画像は富士急行株式会社提供、その他の画像は記者もしくは同行カメラマン小野寺稔昭撮影。