西アジアのグルジアが日本政府に対してロシア語由来の「グルジア」から英語由来の「ジョージア」への呼称の変更を求めていた問題で、4月22日に外務省の公式サイトにおいて関連法の改正を受けて「ジョージア」への呼称変更を実施したことが公表されました。
国名呼称の変更(グルジア)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002048.html [リンク]
外務省の呼称変更を受けてマスメディア各社では同日以降「ジョージア(グルジア)」と旧称をカッコ内に並記する形での呼称変更に踏み切っていますが、民間に対して強制されるものではないため業種によっては「ジョージア」への切り替えを行うか否かで対応が分かれているケースが見られます。特に顕著なのは旅行業界で、例えば『H.I.S.』( http://www.his-j.com/ [リンク])では「グルジア」を検索しても「ジョージア」で候補地が表示されるなどいち早く改称に対応しているのに対し『トリップアドバイザー』( http://www.tripadvisor.jp/ [リンク])では「ジョージア」を検索すると米国のジョージア州のみが表示され、西アジアの方は今なお「グルジア」のままとなっています。『JTBグランドツアー』( http://www.jtb-grandtours.jp/ [リンク])では「ジョージア」に改称されていますが、同じくJTBのホテル予約のページでは今なお「グルジア」の呼称となっておりグループ内でも統一が図られていません。
地図サービスの場合『Googleマップ』と『Bing地図』はどちらも「グルジア」表記のままで「ジョージア」を検索すると米国のジョージア州へ誘導されますが『Yahoo! 地図』では「ジョージア」への改称に対応しており「ジョージア」を検索すると国と米国の州の両方を含む複数の検索候補がリストアップされます。
こうした各業界の不統一な状況に比べて比較的早く「ジョージア」への呼称の切り替えが進んでいるのがワイン業界で、外交ルートを通じた正式な呼称変更の要請以前から現地の業界団体を通じて「ジョージアワイン」への言い換えが奨励されて来たことが背景にあるようです。
なお、韓国では日本の場合と同様に「グルジア」から「ジョージア」への呼称変更要請が外交ルートを通じて行われたことを受けて日本より4年早い2011年6月から「ジョージア」への言い換えを実施していますが、北朝鮮は自国とロシアとの関係を重視してか今のところ呼称変更要請に応じずロシア語由来の「グルジア」を使用しているそうです。また、中国や香港では現在もロシア語由来の「格魯吉亜」が使用されていますが、ジョージアが1992年に独立した際から公的な国交が無い台湾では当初から英語由来の「喬治亜」が使われています。
画像‥外務省サイトのジョージア基礎情報のページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/georgia/ [リンク]