現在、クラウドファウンディングサイトのCAMPFIREでマイノリティ・アート・ポリティクス・アカデミー・アーカイヴプロジェクトが始動している。
このプロジェクト、なんと5万円以上の支援者には、アート作品がリターンとして付いてくるのだ!!!
これは、2月に新宿眼科画廊で開催される「マイノリティ・アート・ポリティクス・アカデミー」というトークイベントの、アーカイヴ資料作成のためのプロジェクトである。アート作品の他にも、イベントオリジナルのノベルティがリターンとして用意されている。
マイノリティ・アート・ポリティクス・アカデミーとは?
プロジェクトの発起人である柴田英里は、2015年のシブカル杯グランプリや、岡本太郎現代芸術賞入選などの受賞歴を持ち、今後の活躍が期待される若手アーティスト。彼女は東京芸術大学を卒業後、LGBTなどのマイノリティ差別などに関心を持ち、制作や執筆活動を行っている。
今回、彼女が企画した「マイノリティ・アート・ポリティクス・アカデミー」では、美術批評家や、活躍中の女性クリエイターなどをゲストに迎え、アートに関連する様々なトピックから、LGBTをはじめとしたマイノリティ差別について考え、対話の中で解決法を探っていく。
柴田曰く、日本の美術大学では、このイベントのような試みは行われておらず、今回のイベントを開催することで、美術を学ぶ学生や、マイノリティ差別に関心を持つ層が、意見を交わすきっかけとなってほしいという。
アートをめぐる5つの視点
「ジェンダーから見る美術史」—美術史の中で女性はどのように扱われてきたか
初回のゲストはろくでなし子氏と山崎明子氏。
去年のろくでなし子氏の逮捕は、わいせつとアートを考える上でも、女性による美術表現を考える上でも、重要な事件だった。このイベントでは、事件の核心に迫るトークが予定される。
「セクシュアリティと暴力」 —セクシャルマイノリティの表現史
非異性愛者のアーティストによる、自由でラディカルな表現活動は、肯定的に「クィア」という語を冠し、海外では「クィア・アート」として知られている。しかし、日本ではこのような枠組みで紹介されることはとても少ない。このような表現活動が、日本ではなぜ紹介されてこなかったのか、これからのクィア・アートがどのような表現の可能性を秘めているのかなどについて、土屋誠一氏と千葉雅也氏を招いてトークが行われる。
「セクハラ・パワハラ・アカハラ・テクハラ」 —表現者が知っておきたいハラスメントの対処法
今年、東京芸術大学で起こった教授によるセクハラ事件は、若手表現者が対処しなければならない、様々な問題を明らかにした。
小谷真理氏と深澤純子氏を招くことで、これまで表面化してこなかった問題も含めた議論が展開される予定だ。
「超!視覚文化塾」 —現代の視覚文化を読み解くためのセオリー
4回目の「超!視覚文化塾」では石岡良治氏と星野太氏を招き、美術を含む視覚文化と、それらを読み解くためのセオリーを、実践的に、わかりやすく解説していく。
“女の子カルチャー”、或は、“主流ではないとされるもの”の正しい保存と伝承
最終回では、若い女性による美術表現が、"女の子カルチャー"とひとくくりにされている現状について、ロボティクスクリエイターのきゅんくん氏と、AR詩などで注目されているni_ka氏を招き、クリエイター(作り手)の目線から徹底的に考えていく。
5つのテーマに基づくトークによって、アートをもっと身近に感じるための基礎知識を学ぶことが出来るだろう。
Artist Statement
アーティストでエッセイストの柴田英里と申します。わたしは、LGBTをはじめとしたマイノリティ差別や女性差別の問題に関心があり、そういったテーマをモチーフに、彫刻制作や文筆活動をしています。 しかしながら、現代の日本のアート界では、こうした問題はあまりとりあげられず、また、学ぶ場所も少ないため、同じような興味を持っている人たちが、問題を共有する場がありません。 そういった現状を改善したく思い、今回、「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー」という連続トーク・アートイベントを企画し、来年 2 月 19・20・21・27・28 日の 5 日間で、実行するはこびとなりました。 日本のアート界における女性を含むマイノリティ差別の問題に関して、広く世の中に問いかけ、そうした問題の改善に向けて思考する場所を作り、そうした記録をアーカイヴすることによって、より多くの人に伝えたいと考えています。
MINORITY ART POLITICS ACADEMY(マイノリティ・アート・ポリティクス・アカデミー) ( 略称 )MAPA
[ 日時 ] 2016 年
第1回 2 月 19 日 ジェンダーから見る美術史
第2回 2 月 20 日 セクシュアリティと暴力
第3回 2 月 21 日 セクハラ・アカハラ・パワハラ・テクハラ
第4回 2 月 27 日 超!視覚文化塾
第5回 2 月 28 日 ” 女の子カルチャー “、或は、” 主流ではないとされるもの ” の正しい保存と伝承
各回 17:00 ~を予定(※第1回のみ 19:30 ~を予定)
[ 会場 ] 新宿眼科画廊 地下1階
CAMPFIREプロジェクト(2016年1月6日まで出資可能)