今年4月にファッション雑誌業界を舞台にした
沢尻エリカ主演の『ファーストクラス』。
女性同士の格付けとなる“マウンティング”の生態を描き、
関西テレビの土曜日ドラマ枠として史上最高視聴率の12.4%を獲得した。
好評だったことを受け、10月に続編が、放送されたドラマ『ファーストクラス2』。
今回は、ファッション業界を舞台にデザイナーとして活躍する
主人公が周りの妨害に苦戦しつつも闘う
前作同様に“女の世界”を描いたストーリーとなっている。
しかし、前作とは異なり、
裏番組である綾瀬はるか主演『きょうは会社休みます』は
平均視聴率が15.9%と好評なのに対し、『ファーストクラス2』は6.7%と
低迷が続いている。
その理由を考えていきたい。
①「“マウンティング”要素が不在」
そもそもマウンティングとは、
“マウンティング女子”の名づけ親で漫画家の瀧波ユカリさん。「小さな優越感を感じたいために、自分のほうが上だとアピールする」マウンティングは、女性同士に起こりやすい現象だという。
(日経新聞 2014/10/16 女性同士のイヤな感じ、正体は「マウンティング」格付けし合う女性達(1) より)
この“マウンティング”がこのドラマのテーマだったにも関わらず
“マウンティング女子”が1人もいない。
全員が、ただ“自分の仕事場で上の役職につきたい”という願望のみの
ある意味では、至極まともな企業ドラマにすら見える。
女性ならではの、重要なマウンティング要素となる
『恋愛・結婚』『収入アピールとなる高級(ブランド)品』『顔面偏差値』
要素がまったく見られない。
そして、それ故の“嫌味・嫉妬・いじめ”といった類のものが皆無。
これで“マウンティング”や“悪女”を謳われても
リアルの女の世界を生きている女性にしてみたら
「・・・?」と感じてしまうかもしれません。
②「キャラがブレブレ」
前作も同様だったのだが、“最後の最後まで嫌な女”を貫き通す役の人が1人もいない。
たいていの人物が、最初は沢尻エリカ扮する主人公のことを
快く思っていなくても、最終的には味方になる。
まさに少年マンガの王道パターンを地で行っている。
③「放送時間」
前作は「土曜日の23時10分~」
今作は「水曜日の22時~」
平日のド真ん中の、それもゴールデンタイム直後の時間にこの話は重すぎる。
マウンティング要素はないものの、
決して明るくハッピーなものでもないので、
次の日に仕事を控えている身としては、少しつらい。
そんな『ファーストクラス2』は、最終回が12月24日。
残すところあと2話となっている。
起死回生なるか。
相次ぐ視聴率の低迷で
「きょうは会社休みます。」とスタッフやキャストの士気が下がっていないことを願う。
画像は、フジテレビ ファースト・クラス公式HPによるもの
http://www.fujitv.co.jp/firstclass/index.html