授業でbe動詞を教える大学があるとして、文部科学省が改善を要求したことが話題となっている。
これまでも「分数ができない」など、大学生の学力低下を危惧する記事は多くあった。だが実際、本当に学力は低下しているのだろうか。受験生を指導する教員たちに現状を聞いた。
「昔と比べて上がっているか下がっているか、と聞かれたら全体的に下がっていると言わざるを得ません」と答えるのは公立高校で国語を教えるベテラン教員。「例えばことしの古文・漢文のセンター試験が難しいと言われていますが、我々から見れば難易度に大きな変化はない。単純に古文・漢文の素養が失われているだけ」と話す。この教員によれば、難関校受験者を対象とした場合でも学力の低下がみられるという。優秀な学生は一定数存在するものの、割合は年々減少しているようだ。
一方、ネット上で「Fラン」と呼ばれる大学では学生の質が向上しつつあるという。地方で受験指導を行う教員は「家庭の経済事情で大学進学の幅が狭められ、上を狙える生徒が受験する傾向にある」という。不景気による影響で地方国公立大の偏差値が上昇し、以前であれば入学可能だった生徒が「他県の大学に進学する余裕がない」と地方の私立大を受験する割合が増えている様子。
先の教員は「無論、全員が全員という訳ではないが、微増に次ぐ微増で絶対数は増加傾向にある」という。
Fランと呼ばれる地方の私立大職員によると比較的学力が高い学生が入ってきたことで就職先に変化が見られるようになったと話す。「数年前からあればウチの学生が就職できそうにない大企業へ入社している傾向が現れた。調べてみると、ほとんどが学力の高い学生ばかり。学力とよい就職先にはある程度関係があるようだ」
無論これらの内容は一部に焦点を当てたものであるが、関係者の話やデータを総合すると徐々にタイトルのような傾向が顕在化している。