盛り上がっているのかいないのか、よく分からないまま開かれているソチ五輪。それでもメディアは大挙して押し寄せ、大メディアから小メディアまで現場の記者たちは日々、原稿を送信している。
報われているのか甚だ疑問ではあるが、その努力は評価したい。だが、現場詰めの記者からは「予約していたホテルに宿泊できない」というトラブルが相次いでいるようだ。
ある記者は予約していたホテルに到着するなりフロントで「現在増築中のため宿泊できない」と門前払いを喰らった。
まさか冬のロシアで野宿をする訳にもいかず、別のホテルを探したが返ってくる答えは「増築中なので無理」と非情なものばかり。パソコンの電力は徐々に減り、デジカメのバッテリーも競技が始まる前になくなっていく始末。これでは原稿書いたり写真を撮影する前に取材が終わってしまう。
「『ソチ五輪の準備が遅れている』という記事は自社媒体で読んでいましたが、まさかここまで酷いとは思わなかった。五輪はもう始まっているというのに……」と現場記者はため息をもらした。
結局、会場から遠く離れたホテルを借りたものの、シャワーからは温水が出ることなく冷水で取材の疲れを落す日々。「五輪が終わるまで健康に過ごせればいいのだけれど……。やる気が削がれますよ」
どうにかメダルを獲得したものの、当初のメダル皮算用から大幅な後退必至なソチ五輪。いまいち盛り上がりに欠けるのは、メディアに対してあまりに酷な仕打ちをしているため現場から熱のこもった記事を出稿できないせいかも知れない。