将棋はゲームであり、目的は明白だ。
相手に勝つことである。
徳川家康は、将棋を戦の戦略として捉え、大いに愛好したそうであるが、現代社会に置き換えるとどうなるか。果たして、仕事に通ずるものはあるのか。
如何なる仕事でも、まず目的や目標はあるものである。
そこで、テーマを設定する。将棋の目的は勝つことであり、テーマは戦略である。
次にすることは、現状把握することだ。現状はどうあって、ゆえに目標値アップや改善に向け、ゴールイメージを設定する。
将棋では、大局観で現状を把握して、近い将来の向かう先の状況を考慮する。ここまでは、戦略の範疇だ。
そして、次は方法論、目的や目標に向かう道のり、どのような方法をとるか。
将棋では、戦術となる。戦法といっていい。居飛車なのか、振り飛車なのか、玉はどういう囲いをするのかなどを考える。
しかし、これは相手との呼吸が合わなければ成立しないので、臨機応変に対応する力が必要である。従って、広い視野と想像力が必要となる。そして、正確なプライオリティで事を進める。
これは、仕事でいえば、そのゴールにアプローチする方法は現実的なのか、達成の見込みはあるのかを見極めることである。
方法が決まって目標に向かって邁進しても、必ず問題は起きるものである。大事なことは起きたときの処理の仕方だ。
仕事であれば、原因を究明して対策を練る。そして、リスクをマネージする。
将棋の場合、一期一会であり、原因を究明する余裕はない。それは感想戦に回すとして、早急に対策を考え、リスクをマネージするのは同じだ。
そして、方法が計画通り、進捗しているか随時確認する。
将棋では、前に指した指し手が生きるように、次の指し手を考えるのが定石だ。
そして、いよいよ、ゴールとなる。
そこで、目論見通り目標に達したか否かを総括する。
将棋では、対局が終わったあと、感想戦というものをやる。
これは、お互い対局者同士の意見をぶつけ、反省点を見出すというものである。
仕事でいえば、振り返りといったところか。
このように、現代でも相通ずるものがあるものである。