紀元前約3000~4000年前、古代イスラエルの祖であるヤコブは、一族を増やし勢力を強めていた。より肥沃な地を求め、カナンの地からエジプトに移る決意をする。子孫のヨセフの時代になっても、その勢力はとどまることを知らなかった。エジプトのファラオの勢力に迫る勢いだった。脅威に感じたファラオは、古代イスラエルの民を敗り、奴隷とする。生まれる男子を全て間引きした。
ある赤子を間引きから逃すべく隠していたところ、ファラオの娘に見つかり、養子となり命を救われる。その赤子はモーゼと名付けられた。ファラオの元で、モーゼは大きくなった。やがて、自我に目覚めたモーゼは、奴隷として迫害される古代イスラエルの民を解放すべく、立ち上がる。
神はモーゼに味方し、エジプトの長男の命をことごとく奪った。目には目をの報復を受け、それに畏れをなしたファラオは、イスラエルの民を解放した。モーゼはイスラエルの民を率いて、エジプトを脱出する。しかし、心変わりしたファラオは、兵士に後を追わせた。
海まで追われたモーゼ率いるイスラエルの民は、絶対絶命となる。背後にはエジプトの兵士が迫っていた。そのとき、奇跡が起きる。海が割れ、道が出現した。民は難なく海を渡った。追ってきた戦士が海の道を渡ると、海は元に戻り、兵士達は全滅した。
モーゼは、シナイ山を目指し、神から十戒を授かる。これが、映画「インディジョーンズ 失われたアーク」に納めた十戒のことである。十戒とは、ユダヤ教、キリスト教の原点と言われる。原典である。
日本にも神話が多々あるが、このあまりに有名な逸話は、最も古い伝説のひとつである。
ここで、地政学的に考えてみたい。
最初の人類の誕生は、アフリカと言われている。エジプトはアフリカの北にある。エジプトは東に行けば、アジア。さらに北に行けばヨーロッパとなる。まさに、要衝の地だ。発展すべき場所、成るべくして成ったともいえる。
エジプト文明が生まれ、古代ローマ帝国となった。キリスト教・ユダヤ教・イスラム教と、隣国である現在のイスラエルには聖地が集中している。それが紛争の引き金になってもいるのだが。シナイ山がどこにあったのかは、いまだ、判明していない。邪馬台国問題と似ている。
世界の宗教は突き詰めると、エジプトの神、太陽神信仰や古代イスラエルにつながる。日本も例外ではない。天照大神はまさに太陽神である。また、イスラエルのダビデの星と言われる五芒星は、日本の陰陽師のなかに取り込まれたのか、同じ紋様のものがある。どのようにして、遥か日本まで伝わったのかは不明だ。
参院選に大勝し、ねじれ国会を解消したかにみえる安倍政権は、この先どうなるのか? アベノミクスに乗っかるように、大阪の阿倍野が盛り上がっていると聞く。阿倍野には、陰陽師の安倍晴明神社があるので、ちょっと、古に思いを馳せ、お参りするのも良いのでは・・・